ビットコインは急落も終盤にかけて反発、トランプ次期大統領就任初日にSECの暗号資産会計ガイドラインを撤回か ビットコイン・デイリーレポート2025.1.14(2025. 1.11-13)
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市況概況(ビットコイン)
13日のビットコインは変動が激しく急落後に急反発し、米国時間帯終盤には前日と同水準を回復した。BTCUSDは、11~12日の取引では土日ということもあり、94,000~95,000ドルのレンジ内で方向感なく推移していたが、13日の欧州時間帯序盤から徐々に軟化する展開となった。週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月から市場予想を上回って増加するなど米労働市場の強さが改めて示されており、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方から米長期金利やドルが上昇したことを受けBTCUSDやBTCUSDTは売りが優勢となった。米国時間帯では93,000ドルを割り込む過程でデリバティブ・ロングポジションのストップロスを巻き込み一時89,500ドル付近まで下落した。また、11日の日本時間午後に出揃ったスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の10日のトータルキャッシュフローがマイナス1億4935万ドルとなり、2営業日連続で流出となったことも売りを促す要因になった模様。ただ、6日から始まる週のトータルキャッシュフローは3億719万ドルで、2週連続での流入となっている。
一方で米国時間帯序盤には世界最大のビットコイン保有企業マイクロストラテジーがビットコインの追加購入を発表したが、この時点で市場への影響は見られなかった。マイクロストラテジーが13日、米証券取引委員会(SEC)に提出したFORM 8-K報告書によると、同社は1月6日から12日までの間に2,530BTCを約2億4300万ドルで取得した。この結果、同社が保有するビットコイン量は450,000BTCに達した。また、同社は今月6日にも昨年の30日から31日にかけて1,070BTCを取得したと発表しており、11月12日の追加購入発表以来、10週連続での購入発表となった。
米国時間帯中盤以降はドル高や米長期金利の上昇が一服したことを受け安値を買い戻す動きが広がり上昇に転じた。米国時間帯終盤にはトランプ次期大統領が就任初日に、SECの暗号資産会計ガイドラインを撤回する可能性のある大統領令を発令する見込みだと一部米報道機関が報じたことを受け急伸すると、前日と同水準の94,000ドル台を回復した。
この日は変動が激しく暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、13日のビットコイン先物ロングポジションの清算は1億934万7000ドルに達した。特に日本時間13日23:00からの1時間では2702万ドルのロングポジションの清算が発生した。一方、終盤はショートポジションの解消が進み、13日のショートポジションの清算は6040万ドルとなった。
また、米商品先物取引委員会(CFTC)が13日に発表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、1月7日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)ビットコイン先物のネットポジションは1,190枚の買い越しとなり、前週の319枚の売り越しからポジションが逆転した。
一方、10分の1サイズのCME・MICROビットコイン先物の非商業筋のネットポジションは3,687枚の売り越しとなり、前週の3,085枚の売り越しから602枚売り越し幅が拡大した。
100分の1サイズのNanoビットコイン先物の非商業筋のネットポジションは4,184枚の売り越しとなり、前週の3,622枚の売り越しから562枚売り越し幅が拡大した。
13日のBTCJPYはBTCUSDに連動して一時1410万円付近まで急落したものの、その後は急速に買い戻され1480万円付近まで上昇し、前日と同水準を回復した。この日のドル円はやや円高に振れたものの、BTCUSDの変動が激しく、その影響はほとんど見られなかった。
市況概況(イーサリアム)
13日のイーサリアムは反落。ETHUSDは日本時間帯序盤に3380ドルまで上昇して始まったものの、その後は売りが優勢となり軟調に推移した。週末に発表された米雇用統計で労働市場の力強さが改めて示されたことを受けドルや米長期金利が上昇したことが圧迫要因になった。また、11日の日本時間午後に出揃ったスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローがマイナス6847万ドルとなり、3営業日連続で流出となったことも嫌気された模様。尚、6日から始まる週のトータルキャッシュフローはマイナス1億8589万ドルとなり、2週連続で流出となった。
米国時間帯にはデリバティブ・ロングポジションのストップロスを巻き込み一時2945ドル付近まで下落した。CoinGlassによると、日本時間23:00からの12時間でイーサリアム先物ロングポジションは5354万ドルの清算が発生した。また、13日のロングポジションの清算は1億4520万ドルとなり、ビットコインのこの日のロングポジションの清算額1億934万7000を上回った。ただ、米国時間帯終盤はビットコインが上昇したことを受け下落幅を縮小し、前日から大きく水準を切り下げたものの、3100ドル台を回復した。
13日のETHJPYは反落。ETFUSDに連動して軟調に推移すると、米国時間帯にはデリバティブ・ロングポジションのストップを巻き込み一時461,150円付近まで急落した。その後は安値修正から下落幅を縮小したものの、節目の50万円台には届かず、前日から水準を切り下げマイナス圏での推移となった。
市況概況(リップル)
リップルは週末の11日の日本時間序盤から堅調に推移すると、米国時間帯終盤には2.6000ドル付近まで上昇した。8日以降の膠着レンジ上限2.4000ドル超えでショートポジションの解消が進んだ模様。その後は12日にかけて利益確定の売りに押され伸び悩む展開となり、13日の取引では暗号資産全般の下落を受けて急落し、米国時間帯には一時2.3315ドル付近まで下落した。米国時間帯中盤以降は売りが一巡したことやトランプ次期大統領が就任初日に米国証券取引委員会(SEC)の暗号資産会計ガイドラインを撤回する可能性のある大統領令を発令する見込みだと一部報道を受けて急速に買い戻され一時2.5255ドル付近まで上昇するなど前日と同水準まで回復した。
13日のXRPJPYはXRPUSDに連動して一時367円付近まで下落したが、その後は反発し400円付近まで回復した。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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