見出し画像

ビットコイン・デイリーレポート2024.8.12(2024.8.9-11)

ビットコインは日曜日に反落、節目の60,000ドルを割り込む

市況概況(ビットコイン)
 9日のビットコインは小幅続伸。BTCUSDは東京時間早朝に米政府高官と暗号資産関連企業のトップが会談を行ったとの報道を受け急伸、62,700ドル付近まで上昇した。以下は「ビットコイン・デイリーレポート2024.8.9(2024.8.8)」からの再掲載。“The Blockは関係筋の話として米政府高官と暗号資産関連企業トップがオンラインで会談したと報じた。出席者は米政府からはワリー・アデイェモ米財務副長官、ラエル・ブレイナード国家経済会議議長、ブルース・リード大統領首席補佐官代理、カマラ・ハリス副大統領のクリスティン・ルシウス立法問題担当部長など。暗号資産関連企業からはリップル社の幹部ブラッド・ガーリングハウス氏とクリス・ラーセン氏、ユニスワップ社のCEOヘイデン・アダムス氏、ステラ開発財団のデネル・ディクソン氏、サークル社のCEOジェレミー・アレール氏、投資家のマーク・キューバン氏、コインベースの最高法務責任者ポール・グレワル氏、元ホワイトハウス広報部長アンソニー・スカラムチ氏が出席した。双方から多少の「不満の表明」もあったが、規制当局が何を求めるべきか、雇用と経済への影響に重点を置くことなど、事例や政策についても話し合ったという。”
 今回の大統領選では暗号資産に対する政策も争点のひとつとして捉えられており、トランプ前大統領は暗号資産について「中国に先んじて米国が世界の主導権を握るべき」とし、そのための支援も表明している。一方、民主党のハリス副大統領は暗号資産業界とは当初距離があったものの、今回の会合に同氏の立法問題担当部長が出席するなど、最近は暗号資産業界への接近を図っている。
 その後、東京時間早朝の買いが一巡すると週末を控え徐々に利益確定の売りに押され軟化する展開となり、米国時間帯には一時的に59,560ドルまで下落する場面も見られた。ただ、安値圏では確りと買いが入っており、終盤は60,000ドル付近で方向感を探る展開となった。この日は特に重要な経済指標の発表もなく、東京時間早朝の買い一巡後は積極的な売買は見送られ、ポジション調整の売買が中心となった模様。一方、日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の8日のトータルキャッシュフローが2営業日連続で流入となったことが下値を支えた。また、外国為替市場では円高修正の動きからドル円が147円台を回復し、極端な円キャリーの巻き戻しが一巡したとの思惑から、金融市場全般でリスクオントレードが先行したことも下支え要因になった。尚、8日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス1億9255万ドル。主な内訳はGrayscaleのGBTCが1億8294万ドルの流出。一方、流入はBlackRockのIBITが1億5760万ドル、WisdomTreeのBTCWが1億1852万ドル、Fidelity のFBTCが6525万ドルなど。また、NYクローズ後に米商品先物委員会(CFTC)が公表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物取引で非商業筋(ファンド)の8月6日時点のネットポジションは538枚の買い越しとなった。ファンドのネットポジションが買い越しとなるのは今年の4月30日以来。

 10日の取引では、BTCUSDは前日の流れを引き継ぐなか60,000ドル付近での膠着が続いた。また、USスポットビットコインETFの9日のトータルキャッシュフローはマイナス8973万ドルの流出となったが、特に市場の反応は見られなかった。この日はGrayscaleのGBTC ほか、FidelityのFBTC、BitwisのBITBも流出となった。11日の取引では米国時間帯に節目の60,000ドルを割り込むと、12日の東京時間早朝には58,400ドル付近まで下落した。明確な下落理由は不明だが、11日に米メディアが大統領選において民主党のハリス副大統領の支持率がトランプ前大統領の支持率を上回ったと最新の情報を報じており、トランプ前大領領への期待感が高かった暗号資産投資家の失望売りを誘った可能性もあると見られる。
 BTCJPYはドル円の動きが落ち着きを取り戻すなかBTCUSDとほぼ同様の動きとなった。ただ、極端な円キャリーの巻き戻しによる円高は一巡しつつあるが、ドル円は145.50~147円台後半とやや広いレンジで方向感を探る展開となっており、現行レンジブレイク後のボラティリティ再上昇には引き続き警戒が必要となるだろう。

※9日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはマイナス8973万ドル。
※日本時間8月12日AM6:00現在のドミナンスは57.418%。

市況概況(イーサリアム)
 9日のイーサリアムは小幅続伸。ETHUSDは東京時間早朝に米政府高官と暗号資産関連企業のトップが会談を行ったとの報道を受け急伸すると一時2725ドル付近まで上昇した。ただ、その後は徐々に利益確定の売りに押され軟化すると、米国時間帯には2560ドル付近まで下落した。米国時間帯終盤はやや持ち直し2600ドル付近で方向感を探る展開となった。尚、8日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローは、マイナス287万ドル。GrayscaleのETHEは1983万ドルの流出。また、Fidelity のFETHはマイナス258万ドルとなり、上場来初めての流出となった。一方、流入はBlackRockのETHAが1174万ドル、GrayscaleのETNが502万ドル、Bitwise のETHWが278万ドル。
 10日の取引では2600ドル付近での膠着状態が続いた。この日の日本時間午後に出揃った9日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローは、マイナス1571万ドルとなり、3営業日連続で流出となったが、流出額に減少傾向が見られることから市場は特に反応を示さなかった。尚、この日の流出はGrayscaleのETHE のみで、流出額は4168万ドルだった。11日の取引では米国時間帯に暗号資産全般が下落するなか、ETHUSDも12日東京時間早朝には2550ドル付近まで下落した。

※9日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1571万ドル。
※9日のGrayscale Ethereum Trust(ETHE)はマイナス4168万ドル。

※当社の提供する情報及びレポートは、著作権法により保護された著作物です。著作権は株式会社B.C.Aマネージメントにあります。内容の一部、またはすべてを複製、流用および転載、転売することを禁じます。
※当資料は情報提供を目的としており、お取引を促すものではなく、また将来を約束するものでもございません。売買等のご判断はお客様ご自身でお願い致します。




いいなと思ったら応援しよう!

B.C.Aマネージメント
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは弊社の活動費に使わせていただきます!