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FOMC控え全般的に様子見、ドル円は153円台中盤、一方ポンドは上昇 FX・デイリーレポート2024.12.18(2024.12.17)

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市場調査室
外国為替グループ

 17日の外国為替市場で円はやや上昇した。ドル円(USD/JPY)は日本時間帯から欧州時間帯序盤にかけて154円を中値に膠着状態が続いていたが、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を控えポジション調整から円を買い戻す動きが優勢となり、米国時間帯終盤には153.17円付近まで円高が進行した。NYクローズにかけては153.50円付近まで戻したが、上値には重さが見られる。19日の金融政策決定会合では利上げについて見送りが有力視されているが、一部では利上げが決定されるとの見方もあり、外国為替市場では直前にきて警戒感が強まっている模様。

 ユーロはFOMCを控え全般的に様子見ムードが強く、レンジ内で方向感を探る展開となった。ユーロドル(EURUSD)は、日本時間帯序盤にドル安を受け前日の高値を上抜き1.0534ドル付近まで上昇する場面も見られたが、その後は徐々に軟化し欧州時間帯には1.0480ドル付近まで下落した。欧州経済の減速懸念や欧州中央銀行(ECB)が利下げを継続するとの見方が引き続きユーロを圧迫した。終盤はドルの下落を受け買い戻されたものの、戻りは限定された。
 この日、IFO経済研究所が発表した12月のドイツの景況指数は84.7となり、前月の85.6から低下し、市場予想の85.6を下回った。また、業況指数も85.1となり、前月の84.3から低下し、市場予想の84.0を下回った。期待指数は84.4となり、上昇を見込んでいた市場予想(87.5)に反し、前月の87.0から低下した。

 また、欧州経済センター(ZEW)が17日発表した12月のドイツ景気期待指数は15.7となり、低下を見込んでいた市場予想(6.5)に反し、前月の7.4から改善した。一方で現況指数はマイナス93.1となり、前月のマイナス91.4から悪化し、市場予想の93を上回る落ち込みとなった。

 ポンドは続伸した。ポンドドドル(GBPUSD)は、欧州時間帯序盤から上昇が再開した。この日、英国立統計局(ONS)が発表した労働調査で平均週給の伸びが前期から加速した。市場ではイングランド銀行(BOE)の利下げ見送りを後押しする内容と受け止められ、ポンド買いが優勢との展開となり、米国時間帯には1.2728ドル付近まで上昇した。終盤はやや伸び悩んだものの、高値圏を維持してNYクローズを迎えた。
 英国立統計局(ONS)が17日発表した8月から10月の労働調査によると、失業率(ILO基準)は季節調整済みで4.3%と前期(7月~9月)から変わらず、市場予想(4.3%)と一致した。一方、8月から10月の平均週給(定額支給)は季節調整済みで前年同期比で5.2%上昇となり、前期(7月~9月)の4.9%から伸びが加速し、市場予想の5.0%上昇を上回った。

 ドルインデックス(DXY)は、全般的にはFOMCを控え積極的な売買が手控えられるなか小幅に上昇した。日本時間帯序盤には106.70付近まで下落していたが、その後はポジション調整の買い戻しに堅調に推移し、欧州時間帯には一時107.08付近まで上昇した。ただ、その後は一時的に下振れするなど方向感欠ける展開となり、106.50付近でNYクローズを迎えた。この日は11月の小売売上高が発表され、前月を上回る伸びとなったが、FOMCの利下げ判断には影響がないと見られ、特に市場の反応は見られなかった。
 尚、米商務省が17日発表した11月の小売売上高は季節調整済みでは前月比0.7%増加し、前月の0.5%増から伸びが加速し、市場予想の0.5%増を上回った。

(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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