ビットコイン・デイリーレポート2024.8.28(2024.8.27)
ビットコインは続落、日本時間28日早朝には急落
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
市況概況(ビットコイン)
27日のビットコインは続落。BTCUSDは日本時間帯から欧州時間帯序盤にかけては62,600~63,200ドルの比較的狭いレンジ内で方向感を探る展開が続いた。前日までの利益確定の売りが落ち着いたことや米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の26日のトータルキャッシュフローが8営業日連続でプラスを記録したことが下支え要因になった模様。尚、26日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス2億251万ドルとなり、8月中旬からキャッシュフローが改善傾向を示しているほか週末に続き2営業日連続で2億ドルを超える流入となった。
ただ、その後は再び売り圧力が強まり下落した。テレグラムの創業者兼最高経営責任者(CEO)のパヴェル・ドゥロフ氏がフランス警察に逮捕された24日以降、通信アプリ「テレグラム」内で流通する暗号資産The Open Network(Toncoin)の下落が続いており、暗号資産全般にその売りが波及。BTCUSDも米国時間帯には61,500ドル付近まで下落した。その後はNYクローズにかけてやや値を戻したものの、戻りは限定された。
28日の日本時間帯早朝(AM6:00ごろ)から暗号資産全般が急落している。BTCUSD は60,000ドルを割り込む過程でデリバティブ・ロングポジションのストップロスを巻き込んだと見られ、一時58,000ドル付近まで下落した。現在、明確な下落要因は不明だが、取引の薄いNYクローズ後から日本時間早朝の時間帯を狙った仕掛け的な動きの可能性も否定できない。また、27日の米国時間帯にはバイナンスへ30,000BTCが送金されており、その売却が実行された可能性もある。尚、外国為替市場などは、この時間帯に大きな動きは確認されていない。暗号資産の大口オンチェーン送金を追跡するWhale-alert によると、30,000 BTC (1,887,131,798 USD) が不明なウォレットからBinanceに送金された。
BTCJPYは続落。日本時間帯から欧州時間帯序盤は900万円を下値支持に強含みで推移していたが、その後はBTCUSDの下落を受け、米国時間帯には882万円付近まで水準を切り下げた。28日、日本時間帯早朝には一時837万円付近まで下落した。現在は安値修正の動きから850万円付近まで戻しているものの、下振れリスクが警戒される状況となっている。
市況概況(イーサリアム)
27日のイーサリアムは続落。ETHUSDは日本時間帯から欧州時間帯序盤までは前日までの利益確定の売りが一巡し、2670~2700ドルの狭いレンジ内で方向感を探る展開が続いた。一方、米国のスポットイーサリアムETFの26日のトータルキャッシュフローが8営業日連続でマイナスを記録したことが上値を抑えた。尚、26日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1322万ドルとなり、8営業日連続で流出となった。また、26日はGrayscale のETHE以外からも流出しており、FidelityのFETHはマイナス269万ドルとなり、8月8日のマイナス258万ドル以来の2回目の流出。FranklinのEZETはマイナス102万ドルとなり、上場来初めての流出となった。米国時間帯はToncoinの下落が暗号資産全般に波及するなか2560ドル付近まで下落した。イーサリアムについては地合いの悪化が懸念されている。ETFへの資金流入が低迷していることやオンチェーン上の取引量が減少しており、機関投資家や一般投資家の関心が薄れている模様。その後は一旦下げ止まっていたものの、28日の日本時間帯早朝から急落し一時2400ドル付近まで下落した。
ETHJPYは続落。日本時間帯から欧州時間帯序盤にかけて386,700~392,300円のレンジ内で方向感を探る展開が続いていたが、その後はETHUSDに連動して下落した。NYクローズにかけて370,000円付近で一旦下落は落ち着いていたものの、28日の日本時間帯早朝からの暗号資産全般の急落に巻き込まれ一時345,500円付近まで下落した。現在は安値修正の動きから若干値を戻し355,000円付近で取引されている。
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