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ビットコイン・デイリーレポート2024.9.5(2024. 9.4)

リスクオフトレード先行も、BTCUSDはドル安が下値を支える

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 4日のビットコインはほぼ変わらず。BTCUSDはエヌビディアの株価急落をきっかけとしたリスクオフトレードが先行するなか日本時間早朝から軟調に推移すると一時55,740ドル付近まで下落した。その後は売りが一巡し下げ止まったものの、日本時間午後に出揃った米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の3日のトータルキャッシュフローがマイナス2億8777万ドルとなり、5営業日連続で流出となったことが圧迫要因となり56,500ドル付近で上値の重い展開が続いた。

※3日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはマイナス2億8777万ドル(5営業日連続の流出)。

 米国時間帯には米労働省が発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が前月から減少し、労働市場の悪化が再確認された。減少幅は前月から縮小しており、9月の米連邦公開市場員会(FOMC)での大幅利下げを容認するほどの内容ではなかったものの、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物フェデラル・ファンド(FF)金利先物から算出するFedWatch ツールでは9月FOMCでの50bpの利下げ確率が上昇した。この結果、外国為替市場ではドルが下落し、同時にドル安を支援要因としてBTCUSDは下落幅を縮小する展開となり一時58,500ドル付近まで上昇した。ただ、取引終盤はリスクオフトレードが先行するなか上値は重く、ドル安一服後は伸び悩む展開となり、前日とほぼ同水準の58,000ドル付近まで押し戻されている。
 この日米労働省が発表した7月のJOLTSによると求人件数は767万3000件となり、前月から23万7000件減少した。求人件数は2022年3月の1218万200件をピークに減少しており、2021年2月以来の低水準となった。

※日本時間9月5日AM6:00の時点。50bpの利下げ確率は38%から45%へ上昇。25bpの利下げ確率は55%へ低下した。
※日本時間9月5日AM6:00現在のドミナンスは57.582%。

 4日のBTCJPYは小幅続落。日本時間早朝から軟調に推移すると一時810万円付近まで下落した。その後、下落は一巡したものの820万円付近で上値の重い展開が続いた。米国時間帯にはBTCUSDの反発を受け下落幅を縮小したが、外国為替市場での円高進行が上値を圧迫し、前日の終値圏までは届かなかった。現在は前日比マイナス圏の835万円付近で取引されている。この日の外国為替市場ではリスクオフトレードが先行するなかリスク回避時の円買いの動きが見られ、ドル円は143円台後半まで円高が進んだ。コロナ禍以降、リスク回避先として円買いの選択肢はなくなっていたが、欧米の金融政策が利下げへと方向を転換するなかで日銀の利上げをきっかけとしてリスク回避時の円買いが復活しつつある模様。一方で円高進行はBTCJPYにとっては上値を圧迫する要因になる。

市況概況(イーサリアム)
 4日のイーサリアムは小反発。ETHUSDはアジア時間帯に一時2315ドル付近まで下落した。その後は伸び悩む場面も見られたが、ドル安やビットコインの反発を背景に安値修正へとトレンドが変化し、米国時間帯には一時2493ドル付近まで上昇した。終盤はやや失速したものの、現在は2460ドル付近で取引されている。この日の日本時間午後に出揃った米国のスポットイーサリアムETFの3日のトータルキャッシュフローはマイナス4739万ドルとなり、引き続き低迷が続いている。

※3日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス4739万ドル。
※転換型のGrayscale のETHEのキャッシュフローはマイナス5231万ドル。

 4日のETHJPYは小反落。アジア時間帯序盤には356,700円付近まで下落する場面も見られたが、その後はETHUSDに連動し下落幅を縮小する展開となった。米国時間帯には359,800円付近まで上昇する場面も見らたが、外国為替市場での円高進行が圧迫要因となり前日比マイナス圏まで押し戻された。現在は354,500円付近で取引されている。

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