米国政府がBTCを送金、リップルは急伸し、時価総額はBTC、ETHに次3番目に浮上 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.03(2024.12.02)
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市況概況(ビットコイン)
2日のビットコインは小反落。BTCUSDは日本時間帯序盤に前日の流れを引き継ぐなか98,175ドル付近まで強含む場面も見られたが、午後になると外国為替市場でのドル高や利益確定の売りに押される展開となり反落した。その後、欧州時間帯では94,850~95,500ドルのレンジで下げ渋ると、米国時間帯には12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測を背景に買い戻される展開となり97,400ドル付近まで上昇した。ただ、米国政府が保有するビットコインを新たなアドレスへ送金したとの報道を受け、政府による売却への懸念から一時94,490ドル付近まで急落した。終盤は安値を買い戻されたものの戻りは限定された。
BTCUSDはトランプ次期政権への期待感が引き続き下値を支えているが、節目の10万ドルを手前に足踏み状態が続いている。トランプ次期政権は概ね閣僚人事が出揃い、現在は来年の政権移行への準備が優先されており、暗号資産関連で直接的なメッセージが発信されていないことも影響していると見られる。また、先行して上昇したビットコインから出遅れ感のあったその他暗号資産への資金移動が起きていることも上値を抑える要因となっている模様。尚、ドミナンスは11月20日の61%から日本時間3日午前6:00現在で56.25%まで低下している。
オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、米国政府は違法サイトシルクロードから押収したビットコインのうち19,799BTCを二つの新たなアドレスへ送金した。その後10,000BTCがCoinbaseへ送金された。現時点(日本時間3日午前6:00)でArkhamのサイトで確認できる米国のビットコイン保有量は188,309BTCとなった。
この日、企業として世界最大のビットコイン保有するMicrostrategy社が新たにビットコインを購入したと発表した。Microstrategy社が米証券取引委員会(SEC)に提出した8-K書類によると、同社は11月25日から12月1日までの間にビットコインを15,400BTC追加購入した。これを受けて同社のビットコイン保有量は402,100BTCとなった。
また、ビットコイン採掘業者のMARA Holdingsはプレスリリースで、既存の債券を買い戻し、より多くのビットコインを取得するために、7億ドルのゼロクーポン転換優先債券の新たな私募提案を発表した。同社は現在34,794BTCを保有しており、Microstrategyに次ぐビットコイン保有企業である。
米商品先物取引委員会(CFTC)がNYクローズ後に発表したCommitments of Traders (COT) Reports
2日のBTCJPYは反落した。日本時間帯は外国為替市場でやや円安に振れたことやBTCUSDの上昇を受け一時1477万円付近まで上昇したが、その後は利益確定の売りに押される展開となり、欧州時間帯には1425万円付近まで下落した。米国時間帯には1460万円付近まで上昇する場面も見られたが、直後に米国政府が保有するビットコインが取引所へ送金されたとの報道を受け1415万円付近まで急落した。また、外国為替市場で円高が進んだことも圧迫要因になった。終盤は安値を買い戻されたものの、戻りは限定された。
市況概況(イーサリアム)
2日のイーサリムは反落した。ETHUSDは日本時間帯序盤では高値圏で揉み合いながらも前日の高値を上抜き一時3760ドル付近まで上昇した。ただ、その後は利益確定の売りや外国為替市場でのドル高に圧迫され反落すると、欧州時間帯には3570ドル付近まで下落した。米国時間帯ではBTCUSDに連動する展開となり、一時3682ドル付近まで上昇する場面も見られたが、直後に3561ドルまで下落した。終盤は安値修正から3600ドル台を回復したものの、前日から水準を切り下げマイナス圏での推移となった。
米商品先物取引委員会(CFTC)がNYクローズ後に発表したCommitments of Traders (COT) Reports
2日のETHJPYは反落。日本時間帯序盤には前日までの流れを引き継ぐなか567,370円付近まで上昇し直近の高値を更新した。ただ、その後は利益確定の売りに押され徐々に軟化すると米国時間帯には533,450円付近まで下落した。終盤は安値修正から544,000円付近まで下落幅を縮小したものの、戻りは限定された。
2日のリップルは続伸。XRPUSDは日本時間未明から急伸し2.500ドルまで上昇した。その後、欧州時間帯にかけて利益確定の売りに押され伸び悩む展開となったが、米国時間帯に入ると再び買いが優勢となり一時2.870ドル付近まで上昇した。Fox Businessが29日、「ニューヨーク州金融サービス局(NYDPS)は、リップル社が発行する新たなステーブルコインの承認へ近づいている」と報じたことや、米国の政権交代によりSECがリップル社との訴訟を取り下げるとの思惑が引き続き支援要因となった。また、先物市場では売り・買いの清算がともに急増しているものの、未決済建玉も急増しており、利益確定の売り圧力を吸収している模様。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、ショートポジションの清算は4280万ドル、ロングポジションの清算3881万ドル、未決済建玉は39億9000万ドルに達した。尚、この日XRPは時価総額で3位まで浮上した。
XRPJPYは一時430円付近まで上昇した。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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