ビットコインは10万ドルを手前に足踏みが続く、イーサリアムは堅調、リップルは急伸 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.02(2024. 11.29-12.01)
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市況概況(ビットコイン)
29日のビットコインは反発。BTCUSDは高値修正が一巡し、日本時間帯序盤から94,720ドルを下値支持に堅調に推移した。また、外国為替市場でドルが下落したことも支援要因となった。その後、97,000ドル超えの水準で利益確定の売りに押され伸び悩む場面も見られたが、欧州時間帯に入り上昇が再開すると米国時間帯には一時98,660ドル付近まで上昇した。引き続きトランプ次期政権による規制緩和や支援策に対する期待感が根強く新たな資金を呼び込んでいる模様。一方、この日はサンクスギビング・デーと月末に挟まれ、デリバティブ市場を中心に見送りムードも強く、米株式市場など主要な取引所も短縮取引となり、米国時間帯中盤以降はポジション調整や利益確定の売りに押され97,300ドル付近まで上昇幅を縮小した。
30日は小反落。土曜日の取引で売買が低迷するなかやや利益確定の売りが優勢となり、弱含みでの推移となった。ただ、上場投資信託(ETF)への資金流入が再開したことが下支え要因となり、96,000ドル割れを回避するなど下値は限定された。この日の日本時間午後に出揃った29日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3億2000万ドルとなり、2営業日連続での流入となった。また、週間ベースではマイナス1億3807万ドルとなり8週間ぶりの流出となったものの、月間ベースでは64億9482万ドルの流入となり、今年2月の流入額を上回り上場来の最高額を更新した。
1日は反発。日本時間帯序盤に95,770ドル付近まで下落したものの、その後は徐々に買いが優勢となり、米国時間帯には97,000ドル台を回復した。前日同様、日曜日の取引で新たな材料はなく売買が低迷するなかポジション調整主導の展開となった。
29日のBTCJPYは小反発。日本時間帯は外国為替市場での円高進行を受け1438万~1458万円のレンジ内で伸び悩む展開となった。ただ、その後は円高一服を受けて買いが優勢になると米国時間帯には一時1486万円付近まで上昇した。ただ、フィキシング通過後に植田総裁のタカ派的発言が伝わると円高が再開したことや、月末を控えポジション調整や利益確定の売りが圧迫要因となり1460万円付近までレンジを切り下げた。この日の外国為替市場では日本時間序盤に東京都区部の消費者物価指数(CPI)が上昇し、日銀の追加利上げが意識される展開となり円が急伸した。その後は一旦落ち着いていたものの、米国時間帯に日経新聞とのインタビューで植田総裁が追加利上げについて「データがオントラックに推移しているという意味では近づいていると言える」と述べたと報じられると再び円が上昇した。
30日は小反落。前日終盤から若干レンジを切り下げたものの、1440万~1460万円のレンジ内での動きに留まった。
1日は日本時間帯に1437万円付近まで軟化する場面も見られたが、前日とほぼ同レンジ内で推移する展開となった。
29日のイーサリムは反発した。ETHUSDは前日までの高値修正の動きは一巡したものの、日本時間帯は上値の重い展開が続いた。その後、米国時間帯には暗号資産間の資金フローによるETHへの資金流入観測やETFのキャッシュフローの改善が引き続き支援要因となり3647ドル付近まで上昇した。ただ、取引終盤は利益確定の売りに押されプラス圏は維持したものの、上昇幅を縮小する展開になった。
30日は小幅続伸。日本時間帯序盤から堅調に推移すると前日の高値を上抜き一時3727ドル付近まで上昇した。29日のETFへの流入金額が3億ドルを超え、上場来の最高額を更新したことが好感された。その後、欧州時間帯序盤には3628ドル付近まで軟化する場面も見られたが、出遅れ感のあったETHに対する市場の買い意欲は引き続き旺盛で安値圏では確りと買いが入り、米国時間帯終盤にはこの日の高値圏を回復した。尚、29日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス3億3291万ドルとなり、5営業日連続での流入となったほか、流入金額は11月11日の2億9548万ドルを上回り上場来の最高額を更新した。
1日は小幅続伸。日本時間帯は利益確定の売りに押され伸び悩む展開となったものの、米国時間帯に入ると、前日の高値を上抜き3747ドル付近まで上昇した。終盤はやや上昇幅を縮小する展開となったが、高値圏を維持しつつ上昇トレンドは維持されている。
29日のETHJPYは小幅続落。外国為替市場での円高進行に上値を圧迫されながらも米国時間帯には548,800円付近まで上昇した。取引終盤は円が再び上昇したことやETHUSDの軟化を受け徐々に下値を切り下げる展開となり、この日の上昇分を失い前日比マイナス圏まで下落した。
30日は反発した。ETHUSDの上昇を受け堅調に推移すると一時558,700円付近まで上昇した。その後の欧州時間帯から米国時間帯にかけて利益確定の売りに押され545,500円付近まで軟化する場面も見られたが、安値では確りと買いが入り、取引終盤にはこの日の高値圏を回復した。
1日は小幅続伸。終始549,500~560,000円のレンジ内での動きとなったが、日本時間帯や米国時間帯には一時的に560,000円台を突破するなど高値圏を維持しつつ上値を試す展開が続いた。
2日の日本時間未明からリップルが急伸。XRPUSDは一時2.200ドルを突破した。暗号資産や関連業界に厳しい規制を課してきた米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長の退任表明、トランプ次期政権による規制緩和への期待感から、米大統領選でのトランプ氏の勝利以降買いが先行する展開が続いていたが、2.000ドル超えでデリバティブ・ショートポジションのストップを巻き込んで急伸した。また、リップル社はXRPの発行や取扱いについてSECとの訴訟を抱えており、政権交代がリップル社へ有利に働くとの思惑や現物ETF上場への期待感も支援要因となっている。29日にはFox Businessが「リップル社が発行する新たなステーブルコインの承認が近付いている」と報じたことも影響している模様。暗号資産分析・情報メディアのCoinGeckoによると、XRPの時価総額はソラナ(SOL)を抜きBTC、ETH、USDTに次ぐ4番目となった。
また、XRPJPYも300円を超えて急伸している。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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