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ドルが5営業日連続で続伸、円、ユーロ、ポンドは続落 FX・デイリーレポート2024.11.15(2024.11.14)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
外国為替グループ

市況概況
 14日の外国為替市場ではドルが主要通貨に対し5営業日連続で続伸した。ドルインデックス(DXY)は日本時間帯から堅調に推移すると、欧州時間帯には107.07まで上昇し、2023年11月1日以来の高値を付けた。その後は直近の上昇を受けドル売りが優勢となり、106.38付近まで軟化する場面も見られた。ただ、米生産者物価指数(PPI)の伸びが前月から加速したことや同時に発表された新規失業保険申請件数が前週から減少したことを受け、発表直後こそ利益確定の売りに押され下落していたものの、その売りが一巡すると米国の利下げペースが緩やかになるとの観測からドルが買い戻され上昇に転じた。米国時間帯終盤にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がダラスで開催されたイベントでの講演で「利下げを急ぐ必要はない」との認識を示したことを受け、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが見送られる可能性が意識される展開となり、この日の高値には届かなかったものの再び107台まで上昇した。この一連の動きを受けてシカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物(フェデラル・ファンド・レート)FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )では、12月のFOMCで25bpの利下げが決定される確率は前日の82.5%から60.6%(日本時間15日午前7時時点)に低下した。一方で現状維持の確率は17.5%から39.4%(同)へと上昇した。

 尚、米労働省が14日発表した10月の生産者物価指数(PPI)は季節調整済みで前年同月比2.4%上昇し、前月の1.9%上昇から伸びが加速し、市場予想の2.3上昇を上回った。前月比は0.2%上昇となり、市場予想の0.2%上昇と一致したが、前月の0.1%上昇を上回った。また、食品とエネルギー部門を除いたコアPPIは前年同月比で3.1%上昇となり、前月の3.0%上昇から伸びが加速し、市場予想の3.0%上昇を上回った。前月比は0.3%上昇で前月の0.2%上昇を上回る伸びとなった。

 また、米労働省が同時に発表した11月9日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで21万7000件となり、前週から4000件減少し市場予想の22万3000件を下回った。

 ドル円(USD/JPY)は日本時間帯序盤からドル高主導で円売り・ドル買い優勢となり、156円台まで上昇した。その後は欧州時間帯から米国時間帯中盤にかけてドル買いが一服するなか156円付近の狭いレンジ内で売り買いが交錯し方向感を欠く展開が続いた。ただ、米国時間帯終盤にはパウエル議長の発言を受けて米国の利下げペースが緩やかになるとの観測から再びドルが上昇すると一時156.42円まで上昇した。

 ユーロドル(EURUSD)は続落し、欧州時間帯には一時1.0496ドル付近まで下落した。この日発表されたユーロ圏の鉱工業生産が予想を上回って落ち込んだことが嫌気された。また、次期トランプ政権による関税強化策への警戒感、欧州中央銀行(ECB)の12月理事会での追加利下げ観測、ドイツの連立政権崩壊による政治的不透明感も引き続きユーロを圧迫した。その後、ユーロの売りは一巡し1.0582ドル付近まで上昇する場面も見られたが、米国時間帯終盤にはパウエル議長の発言を受けて欧米の金利差拡大が意識される展開となり、この日の安値を割り込むことは回避されたものの、1.0520ドル付近まで下落した。
 欧州連合(EU)統計局が14日発表した9月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比マイナス2.0%となり、市場予想のマイナス1.4%を上回る落ち込みとなった。前月は1.5%増だった。また、前年同月比はマイナス2.8%となり、前月のマイナス0.1%から低下し、市場予想のマイナス2.0%を大幅に上回る落ち込みとなった。

 また、同時に発表されたユーロ圏の第3四半期域内総生産(GDP)改定値は季節調整済みで前期比0.4%%増と速報値から変わらず、市場予想の0.4%増と一致した。前年同期比は0.9%増と速報値から変わらず、市場予想の0.9%増と一致した。一方、第3・四半期の雇用者数は前期比0.2%増となり、前期の0.1%増から伸びが加速したほか市場予想の0.1%増を上回った。前年同月比は1.0%増で、前期の0.9%増から伸びが加速した。

 ボンドドル(GBPUSD)は続落。ドル高主導でポンド売りが継続した。欧州時間帯には一時1.2628ドル付近まで下落した。その後は1.27ドル台を一時的に回復する場面も見られたが、ドル買いが継続するなかでNYクローズにかけては再びポンド売りが優勢となり、1.2660ドル付近まで下落した。

(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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