米大統領選でトランプ氏の勝利が確実視されるなか、ビットコインは急伸し史上最高値を更新 ビットコイン・デイリーレポート2024.11.07(2024. 11.06)
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市況概況(ビットコイン)
6日のビットコインは大幅続伸。BTCUSDは、米大統領選投開票日を迎え予測サイトでのトランプ氏の支持率上昇を受け日本時間早朝から堅調に推移した。その後、日本時間午前中に開票速報でトランプ氏のリードが伝えられると、デリバティブ・ショートポジションのストップロスを巻き込みながら上昇幅を拡大する展開となり、今年3月に記録した最高値73,798ドルを突破し一時万75,315ドル付近まで上昇した。また、この時間帯は外国為替市場でドルが主要国通貨に対し急伸し、本来なら上値を圧迫する要因になるはずだったが、トランプ氏への期待感を背景にドル高を物ともせず上昇した。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間正午からのわずか1時間でビットコイン先物のショートポジションは1億3513万7000ドルの清算が発生した。また、6日のビットコイン先物のショートポジションの清算は2億4080万9000ドルとなり、暗号資産全体のショートポジションの清算は4億1563万4000ドルに達した。
トランプ氏は共和党の政策綱領で暗号資産や関連業界への明確な支持を表明しているほか、7月のビットコイン・カンファレンスでは暗号資産に対し否定的かつ慎重な姿勢を示している米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長を大統領就任「初日」に即時解任し、「ビットコインと暗号資産の大統領諮問委員会」を設置する計画があると表明している。また、米国政府が犯罪収益として押収した暗号資産の売却に対しても否定的な見解を示しており、SECによる規制緩和や政府機関の政策スタンスの転換が期待されている模様。
欧州時間帯序盤から米国時間帯中盤にかけては伸び悩む場面も見られた。米大統領選でトランプ氏の勝利が確実視されるなか断続的に買いが入ったものの、急激な上昇を受けた利益確定の売りに上値を抑えられる展開になった。ただ、米国時間帯終盤からNYクローズにかけて利益確定の売りが一巡すると日本時間に付けた高値を上抜き76,385ドル付近まで上昇し、再び史上最高値を更新した。尚、今回の大統領選と同時に行われた議会選挙では上院を共和党が制し、下院も速報段階で共和党が優位に立っており、トリプルレッドの可能性が高まっている。一方で、暗号資産に批判的なことで知られる民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が再選を果たした。
また、この日の米株式市場は主要3指数が揃って上昇。米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)も活発に取引され、ブラックロックのIBITを筆頭に出来高が急増した。ただ、日本時間6日午後に出揃った前日5日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはマイナス1億1690万ドルとなり、流出は3営業日連続となった。
BTCJPYは大幅続伸。日本時間帯序盤に米大統領選の開票速報でトランプ氏のリードが伝えられると節目の1100万円を突破し1160万円まで上昇した。また、外国為替市場でドルが急伸するなか、円が対ドルで下落したことも支援要因になった。ドル円はこの日154円台中盤まで上昇した。その後、欧州時間帯から米国時間帯中盤までは利益確定の売りに押され伸び悩む場面も見られたが、終盤の取引では一時1180万円付近まで上昇し、円建ての史上最高値を更新した。
市況概況(イーサリアム)
6日のイーサリムは大幅続伸。ETHUSDは日本時間帯序盤から米大統領選の選挙速報でトランプ氏のリードが伝えられると急伸し、その後もだれることなく堅調に推移した。米国時間帯終盤には2700ドル付近まで上昇した。トランプ氏の勝利が確実視されるなか、暗号資産に対する規制緩和や推進策への期待感から出遅れ感の目立っていたイーサリアムへ資金が流入したと見られる。前日に暗号資産市場での優位性を示すドミナンスが12%を割り込んでいたものの、この日の上昇で13%台を回復した。尚、日本時間6日午後に出揃った5日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローは±0だった。
6日のETHJPYは大幅続伸。ETHUSDに連動して堅調に推移し、米国時間帯終盤には410,000円台後半まで上昇した。また、外国為替市場でドルが急伸し、対ドルで円が下落したことも支援要因になった。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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