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ビットコインは反落、予測サイトでのトランプ氏支持率低下や米株式市場の下落を受けて売り圧力が強まる ビットコイン・デイリーレポート2024.11.01(2024. 10.31)

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市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 31日のビットコインは反落。BTCUSDは、横ばいとなった前日の流れを引き継ぎ日本時間帯から欧州時間帯中盤まで72,050~72,700ドルの狭いレンジ内で方向感を探る展開となった。週末に米雇用統計、11月5日に米大統領選の投開票を控え、全般的に見送りムードが強まった。一方で日本時間午後に出揃った前日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローは6営業日連続で流入となり、前日に続き8億ドルを超える流入となったことが下値を支える要因になった。尚、30日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス8億9321万ドルとなり、流入額として上場来2番目の規模となった。

※30日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス8億9321万ドル。流入額は上場来2番目の規模となり、6営業日連続の流入。

 ただ、米国時間帯に入ると反落した。ハイテク関連企業の業績見通しが市場予想を下回ったことを受け米主要3指数が揃って下落したことや予測サイトでトランプ氏の支持率が低下したことを受けて売りが優勢となり、米国時間帯終盤には節目の70,000ドルを割り込み一時69,600ドル付近まで下落した。NYクローズにかけては70,000ドル台を回復したものの、この日の戻りは限定された。また、複数の重要イベントを控え、利益確定の動きやポジション調整的な売りが入ったことも売り圧力を強める要因になった。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、デリバティブ・ロングポジションの清算はこの日6071万ドルに達した。また、ビットコイン先物未決済建玉は434億1000万ドルと過去最高水準まで膨らんでおり、イベント通過後の急激な価格変動要因として警戒されている。同様に世界最大の暗号資産関連オプション市場のDeribitで、月末期限のメジャー・オプションではないものの、米雇用統計発表当日や大統領選後の8日に満期を迎えるオプション残高が増加していることも市場の警戒感を強める要因になっている模様。

 米大統領選の現在の状況(日本時間11月1日午前6時現在)は、分散型予測市場プラットフォームPolymarketによると、トランプ氏の支持率は64.5%、ハリス氏は35.6%となり、前日に続きからわずかながらその差は縮小した。金融規制等の予測サイトKalshiによると、トランプ氏の支持率は58%、ハリス氏が42%となり、同様にその差は縮小した。また、一般的な世論調査の総合サイトRealClearPoliticsによると、調査会社の平均でトランプ氏の支持率は48.5%、ハリス氏の支持率は48.0%、選挙人の獲得予想に変化はなくトランプ氏が287人、ハリス氏が251人。
 尚、10月31日は2008年にSatoshi Nakamotoによりビットコインのホワイトペーパーが公開された日であり、トランプ氏はXにビットコインの誕生を祝うコメントとともにハリス氏への批判を投稿した。

※日本時間11月1日6:00現在のドミナンスは60.233%。

 31日のBTCJPYは反落。注目された日銀金融政策決定会合では市場予想通りに金融政策の現状維持が決定されたものの、植田総裁が会見でタカ派よりの発言をしたことを受けて外国為替市場で主要通貨に対し円が全面高となり、上値を圧迫した。米国時間帯ではBTCUSDの下落を受けて1100万円を割り込み、米国時間帯終盤には一時1058万円付近まで下落した。NYクローズにかけては買い戻されたものの、戻りは限定された。この日、日銀の植田総裁は会見で「米国経済の下振れリスクが後退している」とし、これまで繰り返し発言してきた「経済・物価情勢の見極めるうえで時間的な余裕はあるという表現を今後は使用しない」と述べた。また、「日銀の経済・物価見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」とし、「毎回の決定会合までに入ってきたデータや情報に基づいて判断していく」と述べた。これらの発言が市場ではタカ派よりとして捉えられ、12月の会合での利上げの可能性が意識される展開となり、円の買い戻しが急速に進んだ。

市況概況(イーサリアム)
 31日のイーサリアムは反落。ETHUSDは日本時間帯序盤から軟調に推移した。前日の上昇を受け利益確定の売りが先行したことやイベントリスク回避のポジション調整的な売りに上値を圧迫される展開になった。米国時間帯には、米株式市場の下落やビットコインの下落を受けて下げ幅を拡大する展開となり、取引終盤には2503ドル付近まで下落した。
 一方、日本時間午後に出揃った30日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローは435万ドルとなり、2営業日連続での流入となったが、流入額は引き続き低調であり、市場への影響は見られなかった。

※30日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス435万ドル。2営業日連続での流入。
※日本時間11月1日6:00現在のドミナンスは13.157%。

 31日のETHJPYは反落。日銀の植田総裁のタカ派的発言を受けて外国為替市場で円が上昇したことやETHUSDの下落を受けて軟調に推移すると、米国時間帯終盤には380,420円付近まで下落した。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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