ビットコイン・デイリーレポート2024.8.30（2024.8.29）
ビットコインは反発も米国時間帯終盤になって失速、トランプ前大統領は改めて「米国を暗号資産の世界の首都にする」とXへ投稿
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市場調査室
暗号資産グループ
市況概況（ビットコイン）
29日のビットコインは小反発。BTCUSDは前日の急落から不安定な動きが続いていたがその動きも一巡した。日本時間午後に出揃った米国のスポットビットコイン上場投資信託（ETF）の28日のトータルキャッシュフローはマイナス1億518万ドルとなり、2営業日連続で流出となったものの、市場への影響は見られなかった。前日の4000ドル弱の急落で市場では売られ過ぎ感が強まっており、現在の水準から積極的に売りを仕掛ける動きは見送られた模様。
その後、欧州時間帯は安値修正の動きから徐々に強含みで推移すると、米国時間帯にはこの日発表された複数の経済指標が比較的良好な数字となり、米経済の減速に対する過度な警戒感が後退し一時61,200ドル付近まで上昇した。また、共和党のトランプ前大統領が「米国を暗号資産の世界の首都にする」、「（そのための）計画があり、木曜日に発表する」とXへ投稿したことも支援要因になった。トランプ前大統領は先月テネシー州ナッシュビルで開催されたカンファレンス「Bitcoin 2024」で講演した際にも同様の発言をしており、計画の内容が注目されている。尚、前大統領は現在ミシガン州での講演を終え、ウィスコンシン州へ向かっている。この日、米商務省が発表した第2・四半期の国内総生産（GDP）改定値は季節調整済み年率換算で前期比3.0％増となり、速報値の2.8％増から上方修正され、市場予想の2.8％（速報値から変わらず）も上回った。また、米労働省が発表した8月24日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで23万1000件となり、前週から2000件減少し、市場予想の23万2000件をわずかに下回った。
ただ、米国時間帯終盤の取引ではS＆P500やナスダック総合指数の失速、外国為替市場でのドル高が圧迫要因となり、上昇幅を縮小する展開となった。また、ロイター／イプソスが実施した11月の大統領選に向けた最新の世論調査で、民主党候補のハリス副大統領が登録有権者の支持率で共和党候補のトランプ前大統領に対するリードを広げたことも失速する要因になった。同調査でのハリス副大統領の支持率は45％、トランプ前大統領は41％。一方、キニピアック大学が同日発表した全米ベースの世論調査では、ハリス副大統領とトランプ前大統領は支持率で接戦となっており、ハリス副大統領の支持率は49％、トランプ前大統領は47％となっている。
BTCJPYは小反発。前日の下落が一巡するなか850万円を下値支持に強含みで推移すると、米国時間帯には一時890万円付近まで上昇した。ただ、終盤はBTCUSDの失速を受け上昇幅を縮小する展開となり、現在は860万円付近で取引されている。また、この日は米GDPの上方修正や失業保険申請件数の減少を受けてドル高に振れており、円が対ドルで若干円安が進んだことが下支え要因になった。
市況概況（イーサリアム）
29日のイーサリアムはほぼ変わらず。ETHUSDは、日本時間帯は2520ドル付近でほぼ膠着。その後は、日本時間午後に出揃った米国のスポットイーサリアムETFの28日のトータルキャッシュフローがプラス584万ドルとなり、10営業日ぶりに流入に転じたことが好感されたほか、ビットコインの上昇が支援要因となり、米国時間帯には一時2600ドル付近まで上昇した。ただ、米国時間帯終盤になって米株式市場の失速やビットコインの下落を受け上昇幅を縮小する展開となり、この日の上昇分をほぼ失った。
ETHJPYはほぼ変わらず。前日の下落が一巡し日本時間帯はほぼ膠着状態が続いていたが、米国のスポットイーサリアムETFのキャッシュフローの改善が好感されたほかビットコインの上昇が支援要因となり、米国時間帯には一時378,000円付近まで上昇した。ただ、終盤は利益確定の売りにされ失速し、この日の上昇分をほぼ失った。現在は367,000円付近で取引されている。
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