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FOMC終了後にドルが急伸、ドル円は154円台後半へ FX・デイリーレポート2024.12.19(2024.12.18)

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市場調査室
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 18日の外国為替市場でドルが主要通貨に対し急伸した。ドルインデックス(DXY)は米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急伸し、108.00を突破するとNYクローズの時点では108.24付近まで上昇した。FOMCでは市場予想通りにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.50%と25bpの引き下げが決定されたものの、来年以降の利下げペースの鈍化が示唆されたことを受け、ドルショートのストップロスを巻き込みドル買いが急速に膨らんだ。また、米10年債利回りもFOMC終了後に急伸しており、NYクローズの時点では4.520%付近まで上昇した。
 この日、米連邦準備理事会(FRB)は18日に終了したFOMCで、FF金利の誘導目標を4.25-4.50%と25bpの引き下げを決定した。また、声明文では「経済活動は引き続き堅調なペースで拡大している」とし、「労働市場は緩和しているものの、失業率は低水準に留まっている」と指摘した。一方で「インフレについては目標の2%へ向けて前進しているが、依然としてやや高い水準にある」との認識を示した。また、「今後のFF金利の目標レンジに対する追加調整の範囲と時期を検討するにあたり、委員会は今後入手するデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」とした。また、FRB同時に公表された金利・経済見通しによると、2025年内に2回の利下げ、それぞれ25bpの引き下げが想定されていることが示された。前回9月に公表された見通しでは2025年は4回の利下げ見通しが示されていた。FOMCの会見ではパウエルFRB議長は「今後はインフレ度合いを確認しながら慎重に進める」と述べ、FRBの利下げに対する慎重な姿勢を改めて示した。

 ドル円(USD/JPY)は、FOMC後に154.87円付近まで急速に円安が進んだ。米国の利下げペース鈍化が示唆されたことや日銀の金融政策決定会合で利上げが見送られる見通しとなっており、先行きの日米金利差拡大が警戒され対ドルでの円売りが膨らんだ。

 ユーロドル(EURUSD)は急落。欧州中央銀行(ECB)が政策金利の引き下げを段階的に進めるなかFRBが今後の利下げについて慎重な姿勢を示したことを受け欧米の金利差拡大を前提としたユーロ売り・ドル買いが急速に膨らみ一時1.0345ドル付近まで急落した。NYクローズにかけて下落は一巡したものの、その後の戻りも鈍い状態となっている。
 この日、欧州統計局(ユーロスタット)が18日発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)確定値は前年同月比2.2%上昇となり、前月の2.0%上昇から伸びは加速したものの、市場予想の2.3%上昇を下回った。コアHICPは前年同月比2.7%上昇で前月から変化はなく、市場予想とも一致した。

 ポンドドドル(GBPUSD)は急落。FOMC後のドル高を受けて一時1.2556ドル付近まで下落した。一方で19日のイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)では利下げは見送られる見通しとなっているほか、インフレの高止まりを受けて来年以降の利下げペースも鈍化すると見られている。また、トランプ次期政権が推し進める関税強化策への影響も比較的少ないと見られており、ドル高主導でポンドが売られたと見られる。
 この日、英国立統計局(ONS)が18日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.6%上昇となり、前月の2.3%上昇から伸びが加速し、8カ月ぶりに高い上昇率となったものの、市場予想の2.6%上昇と一致した。エネルギーや食品、アルコール、タバコを除いたコアCPIは前年同月比3.5%上昇で前月の3.3%上昇から伸びが加速したが、市場予想の3.6%上昇をわずかに下回った。また、住宅関連コストを含むCPIHは前年同月比3.5%上昇となり、前月の3.2%上昇から伸びが加速した。

(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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