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主要通貨に対しドルが反発、米利下げペース鈍化観測を受けてドルが買い戻される FX・デイリーレポート2025.1.8(2025.1.7)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
外国為替グループ

 7日の外国為替市場ではドルが反発した。ドルインデックス(DXY)は東京時間帯から欧州時間帯にかけては前日の下落を受けた安値修正が一巡し再び107.84付近まで軟化していたが、その後は徐々に買い戻され108台を回復。ニューヨーク時間帯には好調な米経済指標の発表を受け米国の利下げペースが鈍化するとの思惑から買い戻し圧力が強まり、終盤には108.70付近まで上昇した。
 この日、米供給管理協会(ISM)が発表した12月の非製造業総合指数は54.1となり、前月の52.1から上昇し、市場予想の53.3を上回る伸びとなった。価格指数も64.4で前月の58.2から大幅に上昇した。また、新規受注は前月の53.7から54.2へ上昇した。一方で雇用は前月の51.5から51.4へわずかに低下した。

 また、米労働省発表した11月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は809万8000件となり、前月から25万9000件増加し、市場予想の770万件を大幅に上回った。採用件数は526万9000件となり、前月から12万5000件減少した。

 これらの結果を受けてシカゴマーカンタイル取引所(CME)グループが30日物フェデラル・ファンド・レート(FF)金利先物の動向に基づき算出するFed Watchによると、3月の米連邦公開市場員会(FOMC)で利下げが見送られる確率は前日の56.7%から60.9%へ上昇した。尚、1月の会合で利下げが見送られる確率は95.2%まで上昇している。

 ドル円(USD/JPY)は東京時間午前に158.40円まで円安が進む場面が見られたが、加藤財務相の円安牽制発言を受けて、その後は157円台中盤まで下落した。ただ、欧州時間帯以降は再び円売りが徐々に優勢となり、ニューヨーク時間帯にはドル高主導で一時158.42円付近まで上昇した。米国の利下げペースが鈍化するとの思惑から米国債利回りが上昇し、日米金利差縮小観測が後退したことが円売りを促す要因になった。週末には米雇用統計の発表を控え積極的な売買は見送られているようだが、コアレンジが徐々に切り上がりつつあり、足元では158円台定着を試す展開へとなりつつある模様。

 ユーロドル(EURUSD)は反落した。欧州時間帯序盤には1.0434ドル付近まで上昇する場面も見られたが、その後はユーロの買い戻しが一巡すると徐々に売りが優勢となり、ニューヨーク時間帯にはドル高主導で下落幅を拡大すると、終盤には1.0341ドルまで下落した。この日、欧州統計局(ユーロスタット)が発表した消費者物価指数速報値は前月から伸びが加速したものの、欧州中央銀行(ECB)の政策判断に影響を与えるほどではないとの見方から市場への影響は限定的だった。
 この日、ユーロスタットが発表した12月のユーロ圏消費者物価指数(EU基準HICP)速報値は、前年同月比2.4%上昇し、前月の2.2%上昇から伸びが加速したものの、市場予想の2.4%上昇と一致した。また、食品とエネルギー、アルコール、タバコを除いたコアHICPは前年同月比2.7%上昇となり、前月から変化はなく、市場予想と一致した。一方、フランス国立統計経済研究所(INSEE)が7日発表した12月の消費者物価指数(EU基準HICP)速報値は前年同月比1.8%上昇となり、前月の1.7%上昇から伸びは加速したものの、市場予想の1.9%上昇を下回った。また、コアHICPは前年同月比2.1%上昇となり、前月の2.2%上昇からわずかに低下した。

 また、同時に発表された11月のユーロ圏失業率は6.3%で前月から変化はなく、市場予想の6.3%と一致した。

 一方で欧州中央銀行(ECB)が7日発表した2024年11月の消費者期待調査 (CES)によると、1年先の期待インフレ率は中央値で2.6%となり、前月の2.5%から上昇した。また、3年先の期待インフレ率は2.4%上昇となり、前月の2.1%から上昇した。ユーロ圏の消費者間では先行きの物価上昇への警戒感が強まっている模様。また、経済成長、雇用に対する期待感も後退しており、先行きに対して悲観的な見方が強まっている。

 ポンドドドル(GBPUSD)は反落。前日の流れを引き継ぐなか欧州時間帯序盤には前日の高値を上抜き1.2576ドル付近まで上昇したが、その後はドル高主導で反落し、ニューヨーク時間帯終盤には1.2475ドル付近まで下落した。

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