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ビットコインはFOMC後に急落、パウエル議長発言を受けて暗号資産全般も急落 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.19(2024. 12.18)

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市場調査室
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市況概況(ビットコイン)
 18日のビットコインは反落した。BTCUSDは前日の最高値更新後の利益確定の売りを中心とした調整が継続。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、積極的な売買が手控えられたことも影響したと見られ、日本時間帯は軟調に推移した。一方で上場投資信託(ETF)への流入は継続している。日本時間午後に出揃った17日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億9394万ドルとなり、14営業日連続での流入となった。

※17日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億9394万ドル。14営業日連続での流入。

 その後、欧州時間帯から米国時間帯にかけては見送りムードが強く103,200ドルを下値支持に方向感を探る展開が続いた。注目されていたFOMCでは市場予想通りに25bpの利下げが決定されたものの、来年以降の利下げペースの鈍化が示唆されたことを受け、急速に売りが膨らみ下落が再開した。また、FOMC後の会見でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がビットコイン準備金についての記者からの質問に対し「ビットコインを保有することは許可されていない。また法律の変更も求めていない」と述べたことを受け下げ幅を拡大する展開となり、会見終了後には100,200ドル付近まで下落した。
 この日、FRBはFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.50%とし25bpの引き下げを決定した。また、声明文では「経済活動は引き続き堅調なペースで拡大している」とし、「労働市場は緩和しているものの、失業率は低水準に留まっている」と指摘した。一方で「インフレについては目標の2%へ向けて前進しているが、依然としてやや高い水準にある」との認識を示した。また、「今後のFF金利の目標レンジに対する追加調整の範囲と時期を検討するにあたり、委員会は今後入手するデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」とし、今後の利下げについてより慎重な姿勢を示した。また、同時に公表された金利・経済見通しによると、2025年には2回の利下げ、それぞれ25bpの引き下げが想定されていることが示された。前回9月に公表された見通しでは2025年は4回の利下げ見通しが示されていた。この結果を受け、米株式市場は急落しリスクオフトレードが活発化し、外国為替市場では主要通貨に対しドルが急伸したことも、BTCUSDの売り圧力を強める要因になった。

 尚、暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、FOMC終了後(日本時間19日午前4時以降)の2時間でビットコイン先物ロングポジションの清算は5244万ドルに達した。また、暗号資産急落時の常でビットコインドミナンスは前日の57.970%から日本時間12月19日午前6:00現在で58.150%まで上昇している。

※日本時間12月19日午前6:00現在のドミナンスは58.150%。

 18日のBTCJPYは反落。前日の最高値更新を受けた利益確定の売りによる調整は日本時間午後には1586万円を下値支持に一巡し、1600万円台を回復した。ただ、FOMCを控え全般的に見送りムードが強く方向感に欠ける展開が続いた。その後、FOMCが終了しFFレートの25bpの引き下げは想定内だったものの、25年以降の利下げペースの鈍化が示唆されたことを受け反落すると、米国時間終盤には1550万円付近まで下落した。一方で外国為替市場ではドルが急伸し、ドル円も154.87円付近まで円安が進んだことを受け、BTCUSDに比べ下落幅はやや抑制された。

市況概況(イーサリアム)
 18日のイーサリアムは続落。ETHUSDは前日からの流れを引き継ぎ日本時間午後には3800ドル付近まで下落した。その後はFOMCを控え見送りムードが強まるなかポジション調整の買い戻しに米国時間帯には3900ドル付近まで強含む場面も見られたが、FOMC終了後に急落した。2025年以降の利下げペースが鈍化するとの見通しが示されたことや外国為替市場でドルが急伸したことが圧迫要因となり、終盤には3640ドル付近まで下落した。尚、CoinGlassによると、FOMC終了後(日本時間19日午前4時以降)の2時間でイーサリアム先物ロングポジションの清算は5229万ドルに達した。
 一方で日本時間午後に出揃った17日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億4474万ドルとなり、流入は17営業日連続で最長記録を連日更新している。

※17日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億4474万ドル。流入は17営業日連続となり、最長を更新した。
※日本時間12月19日午前6:00現在のドミナンスは12.944%。

 17日のETHJPYは続落。前日の流れを引き継ぐなか日本時間帯序盤から軟調に推移し583,430円付近まで下落した。欧州時間帯から米国時間帯にかけて下落は一巡しやや強含みで推移していたものの、FOMCを控え上値の重い展開が続いた。その後FOMCが終了すると急落した。FOMCでは25bpの利下げが決定されたが、来年以降の利下げペースの鈍化が示されたことを受け急速に売りが膨らみ、米国時間終盤には564,440円付近まで下落した。

市況概況(リップル)
 18日のリップルは反落。XRPUSDは日本時間帯序盤から利益確定の売りが優勢となり軟調に推移した。その後、欧州時間帯から米国時間帯にかけて下げ渋る場面も見られたが、FOMC後には暗号資産全般が急落するなか下落が再開し、一時は2.2455ドル付近まで下落した。来年以降の米国の利下げペースの鈍化やそれに伴うドルの上昇が圧迫要因になった。また、FOMC後の会見でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がビットコイン準備金についての記者からの質問に対し「ビットコインを保有することは許可されていない。また法律の変更も求めていない」と述べたことも暗号資産全般の売りが膨らむ要因になったと見られる。ただ、下落が一巡すると安値を買い戻され2.3100ドル付近まで下落幅を縮小した。引き続きリップル社が米ドルに連動するステーブルコインRLUSDを17日から発行を開始したことが下支え要因になっている模様。尚、CoinGlassによると、FOMC終了後(日本時間19日午前4時以降)の2時間でリップル先物ロングポジションの清算は1049万ドルに達した。

※日本時間12月19日午前6:00現在のドミナンスは3.883%。

 18日のXRPJPYは反落。XRPUSDに連動してFOMC後に一時346円付近まで急落した。終盤はXRPUSDが下落幅を縮小したことや外国為替市場で円が対ドルで下落したことが支援要因となり、360円付近まで下落幅を縮小した。


(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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