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ビットコインは急伸、米大統領選でのトランプ氏の支持率上昇や11月FOMCでの利下げ観測が支援要因 ビットコイン・デイリーレポート2024.10.30(2024. 10.29)

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市況概況(ビットコイン)
 29日のビットコインは大幅続伸。BTCUSDは、暗号資産や関連業界への明確な支持を表明しているトランプ氏の支持率上昇や議会選挙での共和党有利の報道を受けて日本時間帯に節目の70,000ドルを突破した。また、現物買いに加えて上場投資信託(ETF)へ資金流入が続いていることも引き続き支援要因になった。日本時間午後に出揃った28日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億7935万ドルとなり、4営業日連続での流入となった。

※28日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億7935万ドル。4営業日連続の流入。

 その後、節目の70,000ドル台到達後は欧州時間帯にかけて外国為替市場でのドル高や利益確定の売りに押され伸び悩む場面も見られた。ただ、米国時間帯に入るとこの日発表された米経済指標を受けて11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが実施される確率が上昇し、ドルが下落すると上昇が再開した。米国時間帯終盤にはデリバティブ・ショートポジションのストップロスを巻き込みながら一時73,580ドル付近まで急伸した。NYクローズにかけては利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、72,000ドル台中盤を維持しており、前日から大幅に水準を切り上げた。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、29日のデリバティブ・ショートポジションの清算は1億588万3000ドルに達した。また、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物(フェデラル・ファンド・レート)FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )によると、11月のFOMCで25bpの利下げが実施される確率は前日の95.8%から98.8%まで上昇した。
 一方で、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)は29日、ブータン政府はバイナンスにビットコインを2回に分けて送金した。初めに102.781BTC、次いで832.249BTC、合計935.031BTC(小数点4桁以降は省略)をバイナンスへ送金しており、市場での売却が懸念されるが、この日の市場は特に反応を示さなかった。尚、送金後のブータン政府のビットコインの保有量は12.467BTC。ブータン政府は自国の電力を利用し、政府としてマイニング活動を行っており、ビットコインの保有量は世界で5番目とされている。

 ビットコインと連動性が増している米大統領選の現在の状況は、分散型予測市場プラットフォームPolymarketによると、日本時間30日午前6時の時点でトランプ氏の支持率は66.7%、ハリス氏は33.4%。また、金融規制等の予測サイトKalshiによると、トランプ氏の支持率は64%、ハリス氏が36%となっている。また、一般的な世論調査の総合サイトRealClearPoliticsによると、調査会社の平均でトランプ氏の支持率は48.4%、ハリス氏の支持率は48.0%。選挙人の獲得予想はトランプ氏が297、ハリス氏が241となっている。

※日本時間10月30日6:00現在のドミナンスは60.097%。

 28日のBTCJPYは日本時間帯序盤からBTCUSDの上昇に連動して堅調に推移し、米国時間帯には1128万円付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、1100万円台を維持しており、前日から大幅に水準を切り上げた。

市況概況(イーサリアム)
 29日のイーサリアムは続伸。ETHUSDは日本時間帯序盤からトランプ氏の支持率上昇を受けてビットコインを筆頭に暗号資産全般が上昇するなか買いが優勢の展開となり、堅調に推移した。欧州時間帯には利益確定の売りに押され伸び悩む場面も見られたが、米国時間帯に入ると再び上昇し、一時は2680ドル付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、2600ドル割れを回避し前日から大幅に水準を切り上げた。一方、日本時間午後に出揃った29日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス113万ドルとなり、2営業日連続での流出となった。ETFは引き続き低調な状況となっている。また、この日は暗号資産全般が上昇しており、ビットコインドミナンスが60%まで上昇したことに対し、イーサリアムドミナンスは前日の13.332%から13.242%へと低下し、暗号資産市場での優位性は引き続き低下している。

※28日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス113万ドル。2営業日連続の流出。
※日本時間10月30日6:00現在のドミナンスは13.242%。

 29日のETHJPYは続伸。ETHUSDに連動して堅調に推移し、米国時間帯には一時410,920円付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押され、節目の400,000円を瞬間的に割り込む場面も見られたが、直後に買い戻されており、現在も400,000付近で取引されている。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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