BTCUSD 93,000ドル、BTCJPY 1450万円 ともに史上最高値を更新も終盤に失速 ビットコイン・デイリーレポート2024.11.14(2024. 11.13)
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市況概況(ビットコイン)
13日のビットコインは反発。日本時間帯は節目の90,000ドルを視野に捉えながらも利益確定の売りに押され徐々に軟化すると86,220ドル付近まで下落した。ただ、日本時間午後に出揃った12日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローがプラス8億1753万ドルとなり、5営業日連続での流入となったことが引き続き下支え要因となったほか、次期トランプ政権への期待感が下値を支えた。特に米大統領選の投開票日5日の翌日以降は流入額が急増しており、6~12日のキャッシュフローは42億2292万ドルに達している。今年初めに米国の株式市場に上場されたスポットビットコインETFは結果として株式市場からの資金流入を容易にし、新たな現物買い需要を生み出している。
欧州時間帯は下落が一巡したものの、米消費者物価指数(CPI)の発表を控え87,500ドル付近で方向感を探る展開が続いた。その後、米国時間帯では注目度の高まっていた米CPIがほぼ市場予想通りの結果となり、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが意識される展開になると上昇に転じ、節目の90,000ドルをあっさり上抜き一時93,320ドル付近まで上昇した。尚、米労働省が13日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.6%上昇となり、市場予想の2.6%上昇と一致し、前月の2.4%上昇から伸びが加速した。前月比は0.2%上昇で前月から変わらずとなった。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは、前年同月比3.3%上昇し、市場予想と一致し、伸びは前月から変わらずとなった。前月比は0.3%上昇で、前月から変わらず市場予想とも一致した。この結果を受けて、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物(フェデラル・ファンド・レート)FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )では、12月のFOMCで25bpの利下げが決定される確率は前日の58.7%から82.5%(日本時間14日午前7時時点)に上昇した。一方で現状維持の確率は41.3%から17.5%(同)へ低下した。
ただ、終盤の取引では利益確定の売りに押され上昇幅を縮小する展開となり、88,000円付近まで下落した。節目の90,000ドル超えから短期売買を前提としたデリバティブ・ショートポジションの清算が目立っていたが、93,000ドル突破後は利益確定のロングポジションの清算が断続的に発生し、押し下げ要因になったと見られる。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間13日午後11時からの1時間で先物ショートポジションは5319万ドルの清算が発生した。その後は逆転し日本時間14日午前4時からの1時間で先物ロングポジションは3176万ドルの清算が発生し、同6時からの1時間でも同規模の清算が発生している。
米国の選挙関連では複数のメディアが速報として共和党が下院を制しトリプルレッドが実現するとの見通しを発表した。トリプルレッドが実現すればトランプ次期大統領が公約として掲げる政策が容易に進むと見られ、暗号資産の規制緩和への期待感が高まっている。
また、共和党では上院の院内総務に暗号資産推進派として知られるジョン・スーン議員の就任が決定した。一方で、暗号資産否定派のなかでも特に強硬な姿勢を示している民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が、民主党の上院銀行・住宅・都市問題委員会の委員長に就任すると発表した。これを受けて暗号資産や関連市場では将来の暗号通貨法案に影響を与える可能性が懸念されている。
BTCJPYはBTCUSDの上昇や対ドルでの円の下落を受け、米国時間帯に一時1450万円付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、前日比でプラス圏を維持した。
市況概況(イーサリアム)
13日のイーサリムは小幅続落。ETHUSDは日本時間帯から利益確定の売りが優勢となり3120ドル付近まで下落した。その後は米CPIの伸びが市場予想と一致し、12月のFOMCでの利下げ期待から買いが優勢となり、一時は3330ドル付近まで上昇した。ただ、その後はビットコインが急速に上昇幅を縮小したことをきっかけに暗号資産市場全般で売りが優勢となり、下落に転じると取引終盤には再び3120ドル付近まで下落した。一方で日本時間午後に出揃った12日の米スポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億3591万ドルとなり、5営業日連続での流入となった。ETFでは引き続き資金の流入が続いており、下値を支える要因になっている。
ETHJPYは続落。ETHUSDの動きに連動する展開となり、日本時間帯には485,000円付近まで下落した。その後、米国時価帯の上下動を経て490,000円付近でNYクローズを迎えた。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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