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BTCUSD、BTCJPYともに最高値を更新 ビットコイン・デイリーレポート2024.11.11(2024. 11.08-10)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 8日のビットコインは小幅続伸。BTCUSDは、日本時間帯から米国時間帯中盤まで上値に重さは見られたものの75,700ドルを下値支持に確りと推移した。前日までの上昇に対する利益確定の売りやポジション調整の売りが上値を圧迫した。一方、米大統領選で勝利したトランプ氏に対する期待感を背景に断続的に買いが入ったほか、上場投資信託(ETF)への大規模資金流入が下支え要因になった。日本時間午後に出揃った7日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス13億7598万ドルとなり、上場来最高の流入額を記録した。そのうち、ブラックロックのIBITが11億2000万ドルの流入となり、全体をけん引した。その後、米国時間帯終盤に入ると利益確定の売り圧力を吸収し買いが優勢となり、77,230ドルまで上昇し3日連続で史上最高値を更新した。
 9日は土曜日の取引で市場参加者が減少するなか積極的な動きは見られず75,780~76,860ドルのレンジ内で方向感を欠く展開となった。また、日本時間午後に出揃った8日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス2億9347万ドルとなり、3営業日連続での流入となった。
 10日は日本時間帯序盤からやや強含みで推移し、日本時間の午後には8日に付けた高値77,230ドルを突破するとデリバティブ・ショートポジションのストップロスを巻き込みながら79,740ドル付近まで急伸した。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間10日13時からの1時間でビットコイン先物のショートポジションは4325万ドルが清算された。その後利益確定の売りに押され軟化する場面も見られたが、崩れることなく切り返すと欧州時間帯、米国時間帯と続けて最高値を更新した。米国時間帯には節目の80,000ドルを突破し、終盤には一時81,000ドル付近まで上昇した。最高値更新後は利益確定の売り圧力が強まり、短時間で78,520ドル付近まで下落するなど、上昇幅を縮小する展開となったものの、直後に79.000ドル台を回復し高値圏を維持している。また、10日の取引では永久先物の資金調達率も急上昇した。CoinGlassによると、ビットコインのOI加重資金調達率(8時間ごと)は一時0.0307%まで上昇した。資金調達率の上昇は一般的には強材料視されているが、ロングポジションのホルダーにとってはポジション維持コストの負担増となり、利益確定の売りが出やすい環境となっている。尚、資金調達率の計算区域は取引所によって1時間ごとや4時間ごとなどに決められており、プラスの場合はロングホルダーがショートホルダーに決まった時間ごとに資金調達率に応じて支払いが行われる。

※8日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス2億9347万ドル。3営業日連続での流入。7日のキャッシュフローはプラス13億7598万ドルでビットコインETFは上場来最高の流入額を記録。ブラックロックのIBITが11億2000万ドルの流入となりけん引した。
※週間ベースでのトータルキャッシュフローはプラス16億3338万ドル。5週連続での流入。
※日本時間11月11日7:00現在のドミナンスは58.999%。

米商品先物取引委員会 Commitments of Traders (COT) Reports

 BTCJPYは小幅続伸。日本時間帯から米国時間帯中盤までは外国為替市場で円が対ドルで上昇したことが上値を圧迫し1160万円付近で膠着した展開が続いた。ただ、米国時間帯終盤に円高が一服すると、BTCUSDの上昇に素直に反応する展開となり、1181万円付近まで上昇した。
 9日の取引では1165~1172万円付近で方向感を欠く展開となっていたが、10日の取引では日本時間帯序盤から強含みで推移すると、日本時間午後には節目の1200万円を突破し円建てでの史上最高値を更新した。その後は利益確定の売りに押される場面も見られたが、断続的な買いに支えられ、欧州時間帯、米国時間帯と最高値を続けて更新する展開となり、米国時間帯終盤には1237万円付近まで上昇し再び最高値を更新した。

追記、11日の日本時間早朝(CMEグローベックスオープン前)にはドル建て、円建てともに史上最高値を更新した。BTCUSDは81,500ドル付近、BTCJPYは1245万円付近まで上昇した。

市況概況(イーサリアム)
 8日のイーサリムは続伸。ETHUSDは日本時間帯序盤から堅調に推移した。米大統領選でのトランプ氏の勝利を受けて出遅れ感の目立っていたイーサリアムに引き続き資金が流入したほか、ETFのキャッシュフローが改善していることが支援要因となり、米国時間帯終盤には節目の2900ドルを突破した。尚、日本時間午後に出揃った7日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス7974万ドルとなり、流入額としてはこの時点で上場来3番目の規模となった。
 一方、米証券取引委員会(SEC)は8日、スポットイーサリアムETFのオプション取引の上場審査の延期を発表した。延期は2度目で当初は11月11日に最終決定を下す予定だった。
また、イーサリアム財団(EF)が8日に公表した財務報告によると、2024年10月時点でEFの総資産は約9億7020万ドルとなり、そのうち暗号資産は7億8870万ドル、暗号資産以外が1億8150万ドルとなった。暗号資産のうち99.45%がイーサリアムで保有しており、全イーサリアムの供給量の0.26%に相当するという。
 9日~10日の取引も堅調に推移した。暗号資産の市場センチメントが強気へと傾斜していくなかで、断続的に買いが入ったほか、デリバティブ市場でのショートポジションの解消が続き節目の3000ドルを突破すると、10日の米国時間帯終盤には3245ドルまで上昇した。その後、利益確定の売りに押され3070ドル付近まで軟化する場面も見られたが、直後には3100ドル台を回復した。また。9日の日本時間午後に出揃った8日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス8585万ドルとなり、前日の流入額を上回り、3営業日連続での流入となった。週間ベースでのトータルキャッシュフローはプラス1億5466万ドルとなり、上場来最大の流入額となった。

※8日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス8585万ドル。3営業日連続での流入。7日のキャッシュフローはプラス7974万ドル。
※週間ベースでのトータルキャッシュフローはプラス1億5466万ドルとなり、上場来最大の流入額となった。
※日本時間11月11日7:00現在のドミナンスは14.266%。

米商品先物取引委員会 Commitments of Traders (COT) Reports

 8日のETHJPYは小幅続伸。外国為替市場で円が対ドルで上昇したことで上値に重さは見られたものの、ETHUSDの上昇に連動して全般的に確りと推移した。
 9~10日の取引では前日の流れを引き継ぎ堅調に推移すると、10日の米国時間帯終盤には一時495,770円付近まで上昇した。その後は利益確定の売りに押され470,000円を割り込む場面も見られたが、直後に切り返し480,000円台を回復した。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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