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韓国の内政不安からドル円は一時148円台、フランスは4日内閣不信任案決議へ FX・デイリーレポート2024.12.4(2024.12.3)

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市場調査室
外国為替グループ

 3日の外国為替市場でドル円(USD/JPY)はNYクローズの時点で前日からやや円安水準となったものの、全体としては円高へと振れやすい展開となった。日本時間帯は前日の円買いの動きが一巡し150円台を回復する場面も見られたが、その後は日銀の利上げ観測を背景に徐々に円買いが優勢となり、米国時間帯序盤には韓国の内政不安を受けたリスク回避の動きから円買いオーダーが膨らみ一時148.66円付近まで急速に円高が進んだ。ただ、その後は韓国の内政不安に対する過度な警戒感が後退すると徐々に円売りが優勢となり、NYクローズにかけて149円台中盤まで回復した。
 この日の夜、韓国の尹大統領は野党が多数派を占める国会内での混乱を抑える為「戒厳令」を発令し国会へ軍を派遣した。ただ、混乱のさなか韓国国会で「戒厳令」の解除を求める動議が可決されると、同大統領は投票結果を尊重するとして「戒厳令」を解除する方針を発表した。

 ドルインデックス(DXY)は小幅に下落した。欧州時間帯にユーロの上昇を受けレンジを切り下げたものの、その後は106.40~106.05付近で膠着状態となった。今晩のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演や週末の雇用統計を控え見送りムードが強く全般的に方向感に欠ける展開となった。尚、米労働省が発表した10月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は774万4000件となり、前月から37万2000件増加し、市場予想の747万5000件を上回った。一方、9月の求人件数は737万2000件となり、前月の744万3000件から下方修正された。結果として労働市場の改善が示されたものの、市場では特に反応は見られなかった。

 ユーロドル(EURUSD)は小反発。前日の下落を受け欧州時間帯に買い戻され1.05ドル台を回復したものの、フランスの内政不安を背景に1.0530ドルを抵抗に上値の重い展開となった。フランスでは予算案を巡る与野党の対立から内閣不信任案が議会に提出され、多数派を占める野党によって不信任案が可決される可能性が高まっている。4日に審議・採決が行われる予定。

 ポンドドル(GBP)は小反発。韓国やフランスの内政不安を受けてやや下振れする場面も見られたが、米国時間帯中盤ではドルの下落を受けて一時1.2698ドル付近まで上昇した。ただ、全般的には様子見ムードが強く小幅な動きに留まった。

(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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