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ビットコインは続落、米雇用統計受け上昇も終盤に失速、トランプ氏の支持率低下が重石 ビットコイン・デイリーレポート2024.11.02(2024. 11.1)
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
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市況概況(ビットコイン)
1日のビットコインは続落。BTCUSDは、日本時間帯序盤に68,800ドル付近まで下落した。前日の米国株に続き日本株が大きく下落するなか米雇用統計や来週に米大統領選の投開票日を控えリスクオフトレードが先行したことや、2014年に経営破綻したマウントゴックス社(Mt社)からタグ付けされていないアドレスへの送金が確認されたことで売り圧力が強まった。ただ、その後は日本時間午後に出揃った前日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローが7営業日連続で流入となったことが下支え要因となり、一旦は下げ止まった。
尚、31日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3214万ドル。
また、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、Mt社は同社内のウォレット間でビットコインの移動が確認された後に、タグ付けされていないアドレスへ500BTCを送金した。同社は直近では8月21日に債権者に弁済を実施しているが、その後に返済期限を2024 年 10 月 31 日(日本時間)から 2025 年 10 月 31 日(日本時間)に変更している。今回の動きは8月以来であり、弁済への準備が始まった可能性もある。同社のウオレットには日本時間2日午前6時現在で44,878BTCが残っている。
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米国時間帯には、米労働省が発表した10月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったほか、米供給管理協会(ISM)が発表した10月の製造業景況感指数の悪化を受けて11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率に続いて12月のFOMCでの利下げ確率も上昇しドルが下落した。BTCUSDはこれらの結果を受けて一時は71,600ドルまで上昇した。ただ、その後は10月の雇用統計には先月に米南部を襲ったハリケーンやボーイングのストライキによるイレギュラーな要素も含まれており、市場予想を大幅に下回る伸びとなったものの、ある程度落ち込みが予想されていたこともあり、市場が落ち着きを取り戻していくなかでドルが反発すると再び下落した。取引終盤には日本時間帯序盤に付けた安値68,800ドル付近まで下落するなど前日比でマイナス圏まで値を落とした。また、米大統領選の予測サイトで暗号資産や関連業界への支持を表明しているトランプ氏の支持率が低下しているも引き続き市場の売り圧力を強める要因になったと見られる。
米大統領選の現在の状況(日本時間11月2日6時現在)は、分散型予測市場プラットフォームPolymarketによると、トランプ氏の支持率は59.1%、ハリス氏は40.9%となり、前日に続きその差は縮小した。金融規制等の予測サイトKalshiによると、トランプ氏の支持率は54%、ハリス氏が46%となり、同様にその差は縮小した。また、一般的な世論調査の総合サイトRealClearPoliticsによると、調査会社の平均でトランプ氏の支持率は48.4%、ハリス氏の支持率は48.1%、選挙人の獲得予想に変化はなくトランプ氏が287人、ハリス氏が251人。
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この日、米労働省が発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は季節調整済みで前月比1万2000人増となり、市場予想の11万3000人を大幅に下回った。また、9月の同雇用者数前月比は22万3000人に下方修正された。失業率は4.1%で前月と変わらず、市場予想とも一致した。平均時給は前月比0.4%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。また、9月の平均時給は前月比0.4%増から0.3%増へ下方修正された。
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ISMが発表した10月の製造業景況感指数は46.5となり、前月の47.2から低下し、市場予想の47.6を下回った。また、景気判断基準の50を7カ月連続で下回った。
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暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、デリバティブ・ロングポジションの清算は4750万ドルに達した。また、ビットコイン先物未決済建玉は1日時点で過去最高水準の423億7000万ドルまで膨らみ、米大統領選やFOMCなどイベント過後の急激な価格変動要因となることが警戒されている。同様に世界最大の暗号資産関連オプション市場のDeribitでは、警戒されていた11月1日納会のオプションは満期を迎えたが、月末期限のメジャー・オプションではない大統領選後の8日に満期を迎えるオプション残高が増加しており、引き続き警戒が必要となりそうだ。
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米商品先物委員会(CFTC) Commitments of Traders (COT) Reports
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1日のBTCJPYは小反落。BTCUSDに連動する動きとなり、日本時間帯序盤にこの日の安値となる1047万円付近まで下落した。米国時間帯には米雇用統計、ISM製造業景況感指数を受け1096万円付近まで上昇したものの、その後は反落した。ただ、米国時間帯終盤の取引ではドルの上昇を受け円が下落したことが下支え要因となり、節目の1000万円割れは回避している。
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市況概況(イーサリアム)
1日のイーサリアムはほぼ横ばい。ETHUSDは日本時間帯から欧州時間帯は前日の下落が一巡し、米雇用統計の発表を控え2500ドル付近で方向感を探る展開が続いた。米国時間帯では米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったことを受けドルが下落し、今月のFOMCでの利下げが確実視されるなか買いが優勢となり一時2585ドル付近まで上昇した。ただ、その後はドルが反発したことやトランプ氏の予測サイトでの支持率低下を受け、この日の膠着レンジ2500ドル付近まで下落した。尚、日本時間午後に出揃った31日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1305万ドルとなり、3営業日連続での流入となった。
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米商品先物委員会(CFTC) Commitments of Traders (COT) Reports
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31日のETHJPYはほぼ横ばい。ETHUSDに連動した動きとなり、米国時間帯の上下動後は380,900~388,000円で方向感を探る展開となっている。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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