ドル、円が続伸、一方欧州通貨は下落 FX・デイリーレポート2024.11.22(2024.11.21)
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21日の外国為替市場ではドルが続伸した。ドルインデックス(DXY)は日本時間帯から米国時間帯中盤にかけては前日の上昇を受けたドル売りがやや優勢となり、106.50付近まで軟化していたが、米国時間帯終盤にかけて反発し一時107.15付近まで上昇した。この日発表された米新規失業保険申請件数は増加を予想していた市場予想に反し減少し労働市場の底固さが示されたことや中古住宅販売が前月から増加したほか、ウクライナ情勢の緊迫化に伴うリスク回避の動きが引き続きドル買いを支援した。
尚、米労働省が21日発表した11月16日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで21万3000件となり、前週から6000件減少し市場予想の22万件を下回った。
また、全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した10月の米中古住宅販売戸数は季節調整済みで396万戸となり、市場予想の393万戸を上回った。前月比は年率換算で3.4%増加した。9月の販売戸数は383万だった。
ドル円(USD/JPY)は日本時間帯序盤から円の買い戻しが優勢となり、米国時間帯には一時153.90円まで下落した。日銀の植田総裁は都内で開かれたパリ・ユーロプラス主催のイベントで、経済・物価見通しの策定においては「為替の動向を考慮に入れる」と述べ、直近の円安進行が日銀の金融政策の決定に影響を及ぼす可能性が意識される展開となり、円が買い戻される要因となった。また、一部ではリスク回避の円買いが円の上昇要因となったとの指摘も聞かれた。
円はコロナ禍以降、日本経済の落ち込みや主要国との金利差拡大を背景に逃避先通貨としての機能を失っていたが、日銀の利上げによる金融政策の変更、主要国の金融政策が利下げスタンスへと転換するなか、現在のウクライナ情勢の緊迫化に伴って、地政学上のリスクが比較的低い円に対し、現時点で明確な確証はないものの逃避先通貨としての機能が復活しつつある可能性も出てきている模様。
ユーロドル(EURUSD)は続落。ウクライナ情勢の緊迫を受けてユーロ圏の地政学リスクが高まったことや欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が引き続きユーロを圧迫した。米国時間帯中盤以降はドルの上昇を受け下落幅を拡大する展開となり、終盤の取引では1.0462ドル付近まで下落した。
ボンドドル(GBPUSD)は続落。日本時間帯から欧州時間帯にかけてはイングランド銀行(BOE)の利下げペースが鈍化するとの観測が下支え要因となり1.2650ドル付近で下げ渋っていたものの、米国時間帯中盤になるとドルの上昇を受けて一時1.2575ドル付近まで下落した。
(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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