ビットコインは反発も米大統領選の投開票当日を迎えポジション縮小の動きも見られる ビットコイン・デイリーレポート2024.11.06(2024. 11.05)
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市況概況(ビットコイン)
5日のビットコインは反発。BTCUSDは、前日までの下落が一巡し、日本時間早朝から堅調に推移した。米大統領選は接戦が予想されているが、予測サイトでは日曜日に一旦縮小した両候補の支持率が再び拡大し、トランプ氏がリードを広げたことから買い戻しが優勢になった。一方、日本時間午前中には2014年に経営破綻したマウントゴックス社(Mt社)からタグ付けされていないアドレスへの送金が確認された。先月の31日に同社間のウォレット内での送金も確認されており、債権者への弁済が再開される可能性がある。また、日本時間5日午後に出揃った4日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローはマイナス5億4106万ドルとなり、流出額は5月1日の5億6377万ドルに次いで上場来2番目の規模となった。いずれもビットコインにとって通常なら売り材料になり得るが、米大統領選の投開票日を直前に控え、市場は特に反応を示さなかった。尚、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、Mt社はタグ付けのされていない不明なアドレス(1FG2CvC・・・)へ32,371BTCを送金した。また、その後に2000BTCをタグ付けのされていない別のアドレス(15gNRVce・・・)へ送金した。今回の送金が債権者への弁済再開を示すものかはMt社からの公式発表はなく不明だが、直近では8月21日に債権者に弁済を実施している。その後、同社は返済期限を2024 年 10 月 31 日(日本時間)から 2025 年 10 月 31 日(日本時間)に変更している。
欧州時間帯は69,000ドルを上値抵抗に伸び悩む場面も見られたが、米国時間帯に入ると米供給管理協会(ISM)が発表した10月のサービス業景況感指数10月が前月から上昇したことを受け米経済の底堅さが意識される展開となり、一時70,540ドル付近まで上昇した。取引終盤は米大統領選の投開票日を迎え、ポジション調整や利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、前日比ではプラス圏を維持した。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、この日は先物を中心にポジションを縮小する動きが見られた。ビットコイン先物未決済建玉は5日時点(日本時間6日午前7時)で395億7000万ドルとなり、10月30日のピーク時436億1000万ドル、前日の399億9000万ドルから減少した。ただ、引き続き未決済建玉は過去最高水準にあり、大統領選後の価格変動要因として警戒されるレベルを維持している。
米大統領選の現在の予測サイトの状況(日本時間11月6日午前7時現在)は、分散型予測市場プラットフォームPolymarketによると、トランプ氏の支持率は61.9%、ハリス氏が38.5%。金融規制等の予測サイトKalshiによると、トランプ氏の支持率は58%、ハリス氏が42%。ともに米国時間帯4日の午前中にその差は一時的に縮小していたが、再び拡大傾向にある。また、一般的な世論調査の総合サイトRealClearPoliticsによると、最終の調査会社の平均でトランプ氏の支持率は48.6%、ハリス氏の支持率は48.7%でわずかながらハリス氏がリードした。選挙人の獲得予想に変化はなくトランプ氏が287人、ハリス氏が251人で変わらず。
ISMが5日発表した10月のサービス業景況感指数は56.0となり、前月の54.9から上昇し2022年8月以来の高水準となった。また、低下を見込んでいた市場予想の53.8を大幅に上回った。新規受注指数は57.4で、9月の59.4から低下した。価格指数は58.1となり、前月の59.4から低下。一方で雇用指数は53.0となり、9月の48.1から大幅に上昇した。
BTCJPYは反発。BTCUSDの上昇に連動して全般的に堅調に推移した。ただ、日本時間午後から外国為替市場では円が対ドルで上昇し上値を圧迫する要因になった。米国時間帯には一時1074万円まで上昇したものの、終盤になって失速し1052万円付近まで水準を切り下げた。
市況概況(イーサリアム)
5日のイーサリムは反発。ETHUSDは日本時間帯序盤から堅調に推移した。前日までの下落が一巡したほか、BTCUSDの上昇を支援要因に買い戻しが先行する展開となった。米国時間帯には一時2482ドル付近まで上昇したものの、前日の高値には届かず、終盤に失速すると2405ドル付近まで下落するなど上昇幅を縮小した。ETFの低迷や暗号資産市場での優位性低下が引き続き嫌気されている模様。尚、日本時間5日午後に出揃った4日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス6322万ドルとなり、2営業日連続での流出となった。また、日本時間11月6日7:00現在のETHドミナンスは13%を割り込み12.880%となり、2021年4月以来の水準まで低下した。ETFへの期待感の剥離とともにドミナンスの低下が続いている。
5日のETHJPYは反発。ETHUSDに連動して堅調に推移し、米国時間帯には一時377,290円付近まで上昇した。ただ、その後は失速し363,670円付近まで下落するなど前日比でプラス圏を維持したものの上昇幅を縮小した。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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