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ビットコインは日曜日の取引から反発、Arkhamは米司法省のウォレットから不正流出した暗号資産の大半が返金されたと発表 ビットコイン・デイリーレポート2024.10.28(2024. 10.25-27)

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暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 25日のビットコインは反落。BTCUSDは、上場投資信託(ETF)への資金流入や米大統領選で暗号資産や関連業界への明確な支持を表明しているトランプ氏の支持率上昇を受け、日本時間早朝に68,825ドルまで上昇して始まった。ただ、その後は日本時間午後に出揃った24日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローは1億8811万ドルとなり2営業日連続で流入となったものの、その他に新たな支援材料がなかったことや週末を控え利益確定の売りが先行する展開となり、欧州時間帯には67,230ドル付近まで軟化した。
 米国時間帯では比較的良好な米経済指標の発表を受け68,746ドル付近まで再び上昇する場面も見られたが、米国債利回りの上昇を背景に米金利の高止まりへの警戒感が徐々に強まると外国為替市場でのドル高再開を受けて反落した。フィキシング通過後にはデリバティブ・ロングポジションの清算を中心に売り圧力が強まるなか一時65,000ドル台中盤まで下落した。取引終盤は安値を買い戻され下落幅を縮小したものの、不安定な相場展開となった。
この日、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)は24日に米司法省が管理するウォレットから2,000万ドル相当の暗号資産が不正に流出した可能性があると指摘していたが、25日には約1,930万ドル相当がその後24時間以内に米司法省のウォレットに返金(回収)されたと発表した。
 
 26日の取引では前日終盤の不安定な相場展開が継続し、日本時間帯序盤にはイスラエル軍がイランへのミサイル攻撃を行ったと発表したことを受け中東地域の緊張が高まるなか、リスク回避目的の売りが一時的に膨らみデリバティブ・ロングポジションのストップロスを巻き込みながら65,530ドル付近まで下落する場面も見られた。ただ、その後は市場が落ち着きを取り戻すと、安値を買い戻され67,000ドル付近で膠着した展開となった。尚、暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間26日午前8時からの1時間でデリバティブ・ロングポジションの清算は1487万ドルに達した。一方、日本時間午後に出揃った米国のスポットビットコインETFの25日のトータルキャッシュフローはプラス4億207万ドルとなり、3営業日連続で流入となったことが下支え要因となった。また、週間ベースではプラス9億9769万ドルとなり、3週間連続での流入となった。

※25日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億207万ドル。3営業日連続の流入。
※21日から始まる週のトータルキャッシュフローはプラス9億9769万ドル。3週連続の流入。

 27日の取引では米国時間帯に入って上昇した。トランプ氏の支持率上昇が引き続き支援要因になったと見られ、取引終盤には68,000ドル台を回復する場面も見られた。尚、分散型予測市場プラットフォームPolymarketによると、日本時間28日午前6時の時点でトランプ氏の支持率は65.0%、ハリス氏は34.6%。また、金融規制等の予測サイトKalshiによると、トランプ氏の支持率は63%、ハリス氏が37%となっている。また、一般的な世論調査の総合サイトRealClearPoliticsによると、調査会社の平均でトランプ氏の支持率は48.5%、ハリス氏の支持率は48.4%と拮抗しているものの、選挙人の獲得予想はトランプ氏が312、ハリス氏が226となっている。

 25日のBTCJPYは米国時間帯に入ってBTCUSDの下落に連動して反落し、終盤には1004万円付近まで下落した。外国為替市場でのドル高が圧迫要因となったほか、ドル円が介入警戒感や当局者の円安けん制発言を受けて上値が重かったこともあり、BTCUSDの下落に素直に反応する展開となった。
 26日の取引では日本時間序盤に前日の安値を割り込み1000万円付近まで下落する場面も見られたが、直後に安値を買い戻され全般的には1020万円付近で膠着した展開となった。
 27日の取引では米国時間帯にBTCUSDに連動して上昇した。また、日本時間28日早朝には衆議院選挙で与党の過半数割れが確実となり、外国為替市場での円安を受けて1040万円付近まで上昇している。

市況概況(イーサリアム)
 25日のイーサリアムは反落。ETHUSDは日本時間帯に下落し、欧州時間帯に反発するなど方向感を欠く展開となっていたが、米国時間帯に入るとビットコインの下落や米国債利回りの上昇を背景とした米金利の高止まりを警戒した売りが優勢となり、終盤には2452ドル付近まで下落した。
また、オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)は24日に米司法省が管理するウォレットから2,000万ドル相当の暗号資産が不正に流出した可能性があると指摘していたが、25日には約1,930万ドル相当がその後24時間以内に米司法省のウォレットに返金(回収)されたと発表した。同サイトによると、主にUSDCとイーサリアムが返金されたという。
 26日の取引ではイスラエル軍がイランへのミサイル攻撃を行ったと発表したことを受け中東地域の緊張が高まるなか売りが膨らみ、日本時間帯序盤に一時2385ドル付近まで急落した。ただ、その後は安値を買い戻され、終盤には2400ドル台を回復し2485ドル付近まで上昇した。また、日本時間午後に出揃った25日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1915万ドルとなり、4営業日ぶりの流出となったが、それに対する市場の反応は見られなかった。
 27日の取引では米国時間帯に入ってビットコインの上昇を受け節目の2500ドル台を回復したが、日曜日の取引で市場参加者が少ないなか、その後の上値は限定された。

※25日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1915万ドル。4営業日ぶりの流出。
※日本時間10月28日6:00現在のドミナンスは13.300%。

 25日のETHJPYは米国時間帯に入ってETHUSDの下落を受けて売りが優勢となり、終盤には一時373,660ドル付近まで下落した。
 26日の取引では日本時間早朝にミサイル攻撃を行ったと発表したことを受け中東地域の緊張が高まるなか急速に売りが膨らみ、日本時間帯序盤に一時362,800円付近まで急落した。ただ、その後は安値を買い戻され終盤には378,700円付近まで上昇した。
 27日の取引では米国時間帯にETHUSDの上昇を受け382,330円付近まで上昇したものの、その後は積極的な売買は見送られ上値の重い展開になった。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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