ビットコイン・デイリーレポート2024.7.4(2024.7.3)ビットコイン続落、ドイツ政府機関の送金が続く
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
市況概況(ビットコイン)
3日のビットコインは続落。BTCUSDは前日の流れを引き継ぐなかアジア時間帯から軟調。米利下げ観測を背景としたリスク選考ムードが強まるなか、日本株の上昇、ドル安進行と本来なら支援材料となるはずだったが、持続的な売り圧力に徐々に値を下げる展開になった。引き続き米国やドイツの政府機関による売却や複数の休眠していた大口のビットコイン保有者(クジラ)のウォレットが再び動き出したことでそれらの売却懸念が、短期保有者やデリバ系ロングのポジション保有者の失望売りを促しているとみられる。また、アジア時間帯に数字の出そろった米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の1日のトータルキャッシュフロー推計値が5営業日連続のプラスからマイナスに転じ1361万の流出となったことも嫌気された模様。
欧州時間帯から米国時間帯には節目の60,000ドル割れには抵抗する場面も見られた。複数発表された米経済指標がいずれも弱く米国の年内利下げを容認する内容となり一段とドルが下落。ドルインデックスは一時105.00付近まで下落した。これが下支え要因となり下げ渋る場面も見られたが、ドイツ政府のビットコインの送金が本日も確認されたことで再び売り圧力が強まると、NY時間帯終盤には59,400ドル付近まで下落した。オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると3日、ドイツの政府機関・連邦刑事警察庁(BKA)は犯罪収益として押収したビットコインを特定されていない(おそらくは取引所と見られる)アドレス(139PoPE1b・・・)へ190BTCが送金された。今週に入ってBKAは月曜日に1500BTC、火曜日に1332BTCを送金している。現在BKAの所有するウォレットには43,359BTCが保管されている。尚、この日は米国政府のウォレットには動きがなかった。また、明確が動きは伝わっていないが、今月から開始される破綻したマウント・ゴックスの弁済開始による売却圧力も警戒されているとみられる。一方で3月からのコアレンジは60,000~72,000ドルだが、5月上旬のような一時的な60,000ドル割れの可能性もあり、完全なレンジのブレイク確認は5月1日に付けた56,500ドル割れからになるだろう。逆に言えばテクニカル的にはその近辺まで下振れを警戒する必要がある。また、この2日間のリスク選考環境下での株式市場の上昇、ビットコインの下落から考えると、年初の2大イベント(米国でのETF上場、半減期)通過後上値が限定されているビットコインから米国の年内利下げ観測をもとに明確な上昇シナリオが描ける株式市場へ資金シフトが起きている可能性も否定できない。目先は下振れリスクとともに安値修正からコアレンジへの自律反発も期待できるが、上限レンジを試すには新たなインパクトのある独自の材料が必要になるだろう。
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