100日後に死ぬワニ『Twitter毎日1話公開』+『最初から終わり(死)のカウントダウン』+『作品世界とリアルの同期』
『Twitter毎日1話公開』+『最初から終わり(死)のカウントダウン』+『作品世界とリアルの同期』
この形式による演出が読者の心を惹きつける1要因となったのは間違いない。
毎日1話ずつ読んだリアルタイム読者と、自分のような一気にまとめて読んだ読者では読後感が違うと思う。100日間と数分ではコンテンツを味わうテンポ感がまるで違う。毎日1話「ワニを読んだ」という行為は「100日間をワニと共に歩んだ」という意味で、そのある種の一体感が読者の心を掴んだのだと思う。更には「100日後死ぬ」というリアルと同期したカウントダウンが読者の心を捉えて放さない一要因となったように思う。
たとえ、仕組まれていたとしても、即このコンテンツをビジネスに結びつけ収益化させたとしても、これらの手法が人々の心を動かしたことは事実だと思う。
もっとも、リアルの時間とリンクさせた形式なんだから、読後感や余韻には気を配るべきだったとは思う。記事にもあったように「ワニが死んで、終わり」ではなくて、ワニの屍を越えた多くの読者たちが、今も101日目、102日目……を生きている。ワニがそこまでを含んだコンテンツであるという理解が企業になかったらしい。
<内容の感想は>
終わりを明示し、日常に強く意味を持たせるスタイルで、何回も読み返して味わうタイプのお話だなと感じた。
何年も毎日毎日続いていく終わりの見えない日常系4コマ漫画なら、全く違った感想を書いたと思うし、そもそも読んでない感じがする。
でも、愛着の湧くキャラクターとリアルすぎない程度にリアルな日常風景は、眺めていて楽しめる部分があった。でもやっぱり「100日後死ぬ」という前提がなければ、読んでいなかった作品だと思う。
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「100日後に死ぬワニ」最終回が猛批判された訳 今後「SNSによる作家活動」難しくなる危険も | ゲーム・エンタメ - 東洋経済オンライン