見出し画像

比較される、話。

私は双子なので常に比較対象が隣に居ました。

生まれたての頃は私の手首に痣がなければ見分けがつかなかったほどそっくりだった私たちですが成長するにつれ、体の大きさ大きさや顔つき、(それでもそっくりでしたが)諸々全てを比較されて育ちました。(見分けるために私は赤い服、妹はピンク色の服を着せられていたそうです)

大きくなり、それぞれの主張をするようになってくると全く同じ服や髪飾りを付けられていましたが“幼子の可愛さ”×2というのは結構なボーナスポイントで日本人形に近しいような造形の私たちもそれなりに可愛く写真に残っています。幼子やすばらしき。そんなこんなで小学生以上になると一気に可愛げがなくなり写真を見るのも嫌になります。

小学生となると通信簿やその他もろもろのイベントで出される課題に各々が奔走するわけですがその結果に加え私には常に比較がついて回りました。それぞれ違うクラスでの学校生活であったため、テキストについてくるような共通のテスト以外は各々の先生が工夫を凝らして作ったテストであったため内容は違いましたがその点数や諸々。通信簿となれば妹よりも体育が出来ていないが国語の成績はいい、その他等々。違う先生であったから小学生は○○が良くできていますが○○は苦手なようです。等のコメントがついてはいたものの各々の長所や短所が顕著に表れていたなあとぼんやり覚えています。当時そこまで深く考えることはなかったのですが先生や両親はそれはそれは私たちを比較していたであろうと思うわけです。

私たち双子は幸いに絵を描くことが好きであったため毎年市の賞をいただいたり市役所に展示されることが多かったように思います。方や読書感想文で私が賞を取り、妹が自由研究で賞を取ったり、等々切磋琢磨して生きていました。(当時は図書券がもらえてラッキーぐらいで何も考えていませんでしたが)お互いに得意分野があったからこそ私たちは何となくご機嫌に小学生生活を謳歌していました。

中学生へ上がり、2年半は部活動に奔走し成績はすったもんだだったものの3年生の夏ごろからは受験へのが活発化、定期テストのたびにお互いの点数を見比べてはうんうんうなる日々。幸いに国語が勉強しなくてもよくできた私は調子に乗り、妹と決別すべく、(そして何となくマウントをとるべく)父の出身校でもあった神戸で二番目に偏差値の高い高校を受験することを志望しました。

今から死に物狂いで勉強すれば何とか届くかもしれないというギリギリの挑戦、数学以外はまずまずな出来であったので詰め込むだけは詰め込んで数学もなんとかこなして受験へ。結果、受かりました。そして、グレました。笑

ドブの様な暗黒時代だった高校3年間を乗り越え、(もうその頃には遊び惚けバイトに明け暮れ偏差値?なにそれ状態)だった私は最低限の学力と画力があれば入学できる芸大への受験を決めました。妹はそれなりに高校生活をエンジョイし、結構専門的な分野に特化した大学へ進学しました。

当時自分の親が何を考えていたのかはわかりません。ですがそれぞれの好きな分野を学べる学校への進学を許してくれたことを今ではとても感謝しています。お蔭で大学生活は順風満帆に過ごし、大卒資格と教員免許(これは芸大を受ける際の唯一の条件でした)を取得し1年半のニートバンギャ生活を押下したのちに現在の会社へ入社。以後webデザイナーとして働いています。大学の頃は苦手分野でしかなかった画像加工やページ構成の知識が今こんなに生かせるとは思ってもみませんでした。

双子とは言えども別々の人間ではあるのでそれぞれに考えていることもやりたいことも違います。私は相方の考えていることがわかるか?と言われれば全くわかりません。が、相方がいい奴だという事はよくわかります。いつもありがとうな。趣味も合うし、異なった好きも認めあえる一生の相方だと思っています。お互いに一生懸命生きててそれでも比べられちゃってばかりだけど、あなたはあなただし私は私だよ、とずっとずっと思っています。それがほかの周りの人間にどれだけ伝わっているかはわからないけれど。

双子でなくても比較は人の心に地味に厭味ったらしい傷を残します。去年新入社員として会社に入社した第二新卒の部下は私と同い年でした。同い年なんてやりやすいじゃん、という私の甘い認識とは逆に彼女は彼女なりに同い年なのに上司である私からあれこれ指示をされる事や注意を受ける事に日々鬱憤を溜めていたそうです。そもそも新卒と入社2年目とで立場が違ったので上司は私と彼女を比較することはしていませんでしたが彼女は同い年である私と自分自身を常に比較していました。が、結果彼女が私に完全なる塩対応を取った挙句メンタルをやられたのは私の方でした。(アイヤー)人の心は見えなくて計り知れないものです。いつも隣で仕事をしていたのに、なぜかわからないうちに距離が生まれ、割と余計なことを詮索され(私は腕にあざがあるのですがそれをリストカットだと決めつけた別の課のクソ局()にまんまと洗脳され、メンヘラのクソバンギャ呼ばわりをされた挙句妙な偏見を押し付けられ、丁度大好きだったバンドが解散したところだった私がメンブレを起こしました)どうして人は比べるのが好きなんだろうとずっとずっと思っています。あー怖。

人の思考や心は見えないのにどうしてみんな比べてしまうんだろうといつも考えます。悪い癖です。(そう考えながらも自分自身も誰かと自分を比べているに違いありません)

そんなことを言いながら今日は連休最終日、引きこもりを極めた連休でしかなかったものの来週へのタスク含め色々動いていけるように準備が出来たのでそれなりに頑張ろうと思う次第です。

ご拝読いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?