家庭用3DプリンタTips - 種類と用途

3Dプリンタには様々な造形方式があるが、家庭用に普及している比較的安価な3Dプリンタには次の二つの方式が多い。

  • フィラメント溶解方式 (FFF, FDM)

  • 光造形方式 (LCD, DLP, SLA)

フィラメント溶解方式

フィラメント溶解方式は「フィラメント」と呼ばれる、針金状に成形されたプラスチックを高熱で溶かすことによって、目的の形状を得る造形方式である。
フィラメント溶解方式は、まずフィラメントを排出するノズルをどのように目的の位置に移動させるかでいくつかの方式に細分化される。が、家庭用で主に用いられているのは次の2つである。

直交方式

直交座標系(標準的な縦・横・高さ)に対してそれぞれモーターを配備し、目的の位置にノズルがあるようにモーターを動かしていく方式。

CoreXY方式

直交座標系に対し、xy平面(縦・横)移動において特殊なベルト配備を行う方式。直交方式同様、xy平面の移動において2個のモーターを用いるが、それぞれのモーターがx軸・y軸単独に対応するわけではなく、双方の軸に対するノズル移動に影響を与える。

またフィラメント溶解方式は、フィラメントをノズルに送る押出機(エクストルーダ)の位置によっても方式が細分化される。

ダイレクト式

ノズルを格納した部品(ヘッド)に、押出機も格納する方式。

ボーデン式

ノズルを格納した部品(ヘッド)に押出機を格納せず、離れた位置に配備して途中経路をボーデンチューブという筒で保護した方式。

光造形方式

光造形方式は紫外線(UV)によって固まる液性樹脂(通常は「UVレジン」)を材料とし、UVレジンの溜まったタンクの下部からUVを照射することによって硬化させて、目的の形状を得る造形方式である。
UVの照射の仕方によって次の3つの方式に細分化されるが、家庭用においては機材コスト面から、ほぼLCD方式一択と考えて良い。

LCD方式

UVの光源からレジンタンクまでの間に液晶パネルを挟むことによって、UVが当たる場所と当たらない場所を制御する方式。

DLP方式

米テキサス・インスツルメンツが開発したDLPチップをもちいて、レジンタンクにUVを照射する方式。UVの光源からレジンタンクまでの間にDMD(デジタルミラーデバイス)を置くことで、選択的にレーザーUVをレジンタンクに届ける。

SLA方式

UVをレーザーでレジンタンクまで届け、レーザーを移動させることで目的の形状を得る方式。

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