ネットでショボく小銭を動かすことにようやく少し興味がわいてきた(前編)
暇だし「緊急事態」だし寒いし暇なので、「密」をさけてネット上で小銭を回すお遊びについて考えたりしてます。
元来私はお金を極力使わずに済ませられることは済ませたいし、どちらかというとカネより人情で動く浪花節体質なのですが、そういったお金に頼らない経済活動とか相互扶助って、「密」を前提に成り立ってるようなところがあるので、オンラインとかテレワークみたいなものとなじまないんですよね。
人と膝突き合わせて酒飲んでなんぼみたいな(昭和な)やり方が封じられてはこちとらどうにもならない(笑)
それで去年のちょうどコロナが騒がしくなりだした頃から、facebookライブをやったり、Tシャツつくって売ってみたりとオンラインでできるショボいことをちょいちょい試してるんですが、今年はこの辺りをもうちょっと進めたいかなぁ。思いの外楽しかったし。
youtuberみたいに大勝ちするか箸にも棒にもかからないかみたいな熱い世界じゃなくて、小コミュニティ内で小銭をやり取りしてゆるく遊ぶみたいな感じ。
思い返せば、ネット以前の世の中は、なにか商売を始めようと思えば、相応の開業資金を準備したり、気合と脚で営業かけまくったりする覚悟がないとあかん!みたいな体育会系商人道みたいなのに支配されてました。
私の周りにも「でかい借金せんと人間本気(と書いてマジ)になれん」とか「道具はすべて一流の業務用機器でないとあかん」という人たちがたくさんいました。
たしかに取引相手がだいたいそういう種類の人たちである以上、「心意気」みたいなものを伝える意味において、それはそれで当時としては合理的なメンタリティだったのでしょう(借金だけを抱えて敗れ去った人々のことはあまり語られませんが)。
「トイレットペーパーがなくなる」という言説がデマであったとしても、それにより不安になる人が多ければ、実際に買い占めによる不足が起こるという現象はつい10ヶ月ほど前に我々が目にしましたし、「被差別部落の出身者と結婚したら不幸になる」と考える人がいまだに少なくないのは、現実の社会にそうした偏見を持つ人が少なからず存在していることによって、それが実際のリスクとなる恐れが否定できないからです。
それはさておき、やがて携帯電話→ネットが普及するにしたがって、家賃の高い駅近に大げさな事務所構えたりせず、立地とも心意気とも関係なくできる仕事が増えてきました。
駅も名所もない辺鄙な場所でゲストハウスができたり、ナビがなければぜったいに辿り着けそうもない山奥のカフェが人気になったり、私みたいにズボラな人間が、開業資金ほぼゼロでウチで座ったまま集客できるようになって、いい時代になったなぁなんて思っておりました。
べつに儲けたいわけでもないし、子どもをみんな私立大学まで通わせたいわけでもないので、贅沢せず、質素に家族が食っていける程度にショボく稼げればいいのです。
しかし世の中そうは問屋が下ろさないようで、このコロナ禍によって、旅行も祭りも飲み会もご法度な空気になって、私のささやかな楽しみがぜんぶ利敵行為扱いみたいなことになってしまった(稼ぎが減ったことよりも、正直そっちのほうがつらい)。
もはや時代はネットで集客ではなく、「ネット上に集客」ということをやらないと食い扶持を稼ぐこともままならないようです。
もともと私は、いわゆるネットビジネスみたいなものには全く興味がない。
ちょっとバイトでもすれば手に入る程度のカネを能書きたれてクラウドファンディングで集めてみたり、趣味程度のブログにやたらとアフィリエイトリンク貼ってみたり、ああいうのには正直嫌悪感すら抱いてました。
たぶん、ネットがまだ少数の有志によるコミュニティで、商売とは無縁な人たち同士が草の根的に繋がっていた黎明期の心地よさがいまだに抜けきっていないせいもあるのでしょう。
そんな私でも、近頃youtuberのライブ配信に100円とか200円みたいな額が投げ銭されるのをみたり、自分で実際にTシャツをつくってネットで売ったりしてみて、少額であっても(むしろ少額だから?)お金を動かすのって楽しいかもと思えるようになってきました。
ネット上のカネのやり取りにもショボさが許容されつつあるのではないかという期待感とでもいいましょうか。
岡田斗司夫さんが、人にはお金を動かしたいという欲求があり、なにかをしてお金を得ることと同じようにお金を払ってなにかをすることから同様に満足を得ることができるので、お金をもらえるか払うかは実はどっちでもいいという人がたくさんいる、みたいなことをいっていたが、ちょっとわかる気がします。
仕事が減って入ってくるお金が少ないときほど、amazonでポチってしまったりするのも、結局そういう脳内神経伝達物質の作用なのかもしれない(笑)
前置きが長くなりましたが、ようするに、今年はなにかネットを使って人と密にならずに小銭を動かすというショボいプレイを模索していこうなどと思っております。
経済というものはよくわかりませんが、おそらく金持ちは金持ちなりに、庶民は庶民なりに相応のお金というものは動かさないといけないということはなんとなくわかります。
そのショボい方の具体的な実験内容については、長くなったので次回、後編という形で考えてみようと思います。