【格闘技観戦】Super rizin&rizin 38を観戦して
今回のSuper rizin&rizin38を見ましたがまあ多くのファンと最初同じく乗れませんでした。色々な理由はあるのですが「朝倉未来vsメイウェザー」の試合なんてそこそこの格闘技ファンなら見たくないんですよ。
Twitterを徘徊していたらBreaking down に出ている後藤祐樹さんのtwitterを見てドン引きしてしまいました。ある程度の影響力があって格闘技をやっていてbreaking downにも出ていてある程度と知名度と影響力ある選手がこの認識だとキツいですよね。朝倉信者って皆んなこんな感じなんかな。
まず今回の戦いはエキシビションマッチで勝負論は無い上に圧倒的実力差(少年野球とメジャーリーガーぐらいの違い)があって負けて当たり前なので勝負論はないのですよね。じゃあ何を見せられるか作れるかという戦いで挑戦とかそういうものでない。リスクなく世界に名を売れるチャンスが約束されただけなんですよね。つまりこの試合をする、その土俵に立てた時点である意味朝倉未来の「上がり」だなと感じました。
彼のBreaking downビジネスにも今回のメイウェザー戦は絶好なんですよね。だってこれをきっかけに彼のビジネスは世界展開できるんじゃないでしょうか。
彼のインタビューも今回はいつものギラギラ感もなくつまんなかったですよね。「おれは不可能と言われている事に対し挑戦してきたんだ」とか言ってたけど。いやいや今回は挑戦じゃ無いし。メイウェザーとやってリスクなく大きな金を儲けてしまったらクレベルや牛久とやるのが馬鹿らしくなると思うし彼にとってもこれ以上注目を集めるカードは無いし上がったちゃった感は凄く感じたんですよね。
Abemaの特番で「果たして朝倉未来選手はメイウェザーに勝てるか?」みたいな特集もあって良くそんな格闘技ファンを馬鹿にした浅い番組が組めるなと感じました。
後藤祐樹さんのtweetでかなりどっちらけになった気分でいましたが堀江選手のインスタライブがyoutubeに流れていたのを見て少し考え直しました。
「嫌いだったら離れろ、好きなら黙って愛せよ」というのは何かズシンとする説得力のある言葉ですよね。うん、確かにそうだな。ファン目線で乗れるか乗れないとかいうのは何か時間を無駄にした意見ですよね、何かスッキリした気分になり今回はPPVを賈う事にしました。これで満足しなかったらUFC fight passでも買って見ようかと思ってました。うん、それで良い。堀江選手有難う。
結果ですが大いに満足しました。と同時に癌闘病をモロにしていた半年前のことを思い出しました。造血幹細胞移植で無菌室にいた時、平本蓮選手の1年半ぶりの試合を見たくて見たくて無菌室にいながらPPVを買ってみたのを思い出します。やっぱ格闘技って純粋だし美しいし残酷でもあるな、と改めて思いました。
Super rizin
三浦孝太 vs プンチュアイ・ポーンスーンヌーン
三浦孝太さんを見ると複雑な気持ちになります。お父さんが日本全国知名度99%を越えるであろう三浦カズの息子に生まれるってどういう気持ちなんだろう。父親が偉大すぎるというのは私の知る限り余り子供に良い影響をもたらさないと思います。恵まれすぎる環境、注目されすぎる環境はハングリー精神を失います。そんでもってMMAプロで1試合しかしていないのにインスタフォロワーが70万人もいたらきっと生きててホラーだと思います。そんな人生は流石に歩みたくないなと思っちゃいます。
試合はMMA歴数ヶ月相手の素人にタックルでのテイクダウンが奪えない。何故か引き込んで下から三角を狙うなどグダグダしたのでグダグダな試合になるかなと予感した次の瞬間。
外掛けからのテイクダウンそのままマウント→腕十時という攻防で1本勝ち。まあ花はありますし持っているものはありますな。でも柔術をかじった事のある人ならわかるくらいこれは白帯クラスでしか見られない攻防ですね。
吉成名高 vs パンダサック・ソー・トラクンペット
二試合目は日本のムエタイの至宝、吉成名高選手の試合。相手に不足ありで明らかに実力差あり。この並びに入れるのは吉成選手に対して流石に失礼でしょう。
皇治 vs ジジ
色んな意味でこれやっちゃうか?の一戦。Super rizinてエンタメ枠だったの?いやいやそれだったら吉成名高が入っている理由がわからない。榊原社長から「Breaking down」に学ぶものが多いとか言っていたけどこういう事だったのか?完全にこれってBreaking downの発想ですよね。ジジは完全に素人だし皇治もボクシングで言えば4回戦ボクサーレベルだと思うのです。半素人通しの戦いをこの並びでやっちゃうとどうなの?という感じです。例えばbreaking downのスピンオフ企画としてyoutubeでタダで配信するならともかくお金を取って客の時間を奪ってrizinの枠で配信するものじゃないですよね。まあ、朝倉未来選手をface off時に突き飛ばしてヒール役に徹してリングに上がり壮大に崩れる絵を見せたジジに拍手なのかも。
皇治さんは予想通り試合後のマイクで「次はメイウェザーや!」とか言ってたけどいつもの勢いはなかったですね。ムシが良すぎるというか流石にこれは観客は乗れないですよ。
朝倉未来vs フロイド・メイウェザー
朝倉未来選手がどこまでボクシングとして試合が出来るのか。それにかかっていると思えました。そしてメイウェザーは最初は朝倉未来がどう出てくるかでやり方を変えてくると思われました。朝倉未来選手が見ていって3ラウンド持ち堪えてドローに持ち込む作戦なら世紀の対決ならぬ世紀の凡戦もあり得ました。
でも朝倉未来は1ラウンド後半からガンガン出ていきましたよね。2ラウンドは何度かメイウェザーに顔を触る場面もありました。高度なフェイントとフェイントの応酬は見応えがありました。ニヤッと笑った瞬間カウンターを二発決めてあっさりとKO。最後は朝倉未来のカウンターに合わせたカウンター。朝倉未来選手がパンチで倒されたのを見るのは初めてだったので衝撃でした。
メイウェザーは本気じゃなかったと思うんですよ。だってノーガードでいつものL字ガードを出していなかったもの。コナー・マクレガー戦では思いっきりL字ガード使ってましたもの。でもそのメイウェザーがディフェンスをレベルダウンさせた状態とはいえ朝倉未来に凄く気持ちが見えた試合でもありました。本気で勝ちにいく、戦いが見えた試合でもありました。予想より遥かに良かったというのが私の持った感想です。
ごぼうの党に思う事
花束贈呈がどうやらオークション形式になっていたらしく試合前のメイウェザーへの花束贈呈役の人がメイウェザーに渡すと見せかけて花束を床に落とすという暴挙をしました。これはごぼうの党の党首だった人らしく10分後にはtwitter上では身元が特定されWikipediaも書き変わっていたのは笑いました。
榊原社長は対応が今回は早かったですね。メインカード始まる前の挨拶で彼の事について触れてました。でもねこの人朝倉未来選手と少し関係があるらしいのです。
勿論朝倉未来選手に非はないと思うんですけど彼のやった事はBreaking down的なものを凄く感じたのです。とりあえず知名度を上げる為には手段を選ばないというあれです。この方もそこまで考えや悪意もなく炎上商法で名前を上げようとしたのだと思うのです。花束を落とすパフォーマンスもBreaking downの中だったら全然あり得ますもんね。格闘技rizinとBreaking downの線引きが見えなくなっている人が現にいるという事に我々は想像力を働かせるべきなんじゃないでしょうか。
そもそもSuper rizinとは何なのか?エンタメ枠ならエンタメ枠で吉成名高選手の試合をこの並びで入れるべきじゃないし、そういったコンセプトを分からなくさせている事。それから花束贈呈をオークション形式にして金儲けの材料にしたという事。それと朝倉未来とBreaking downとrizinの歩み寄り。それが今回の騒動と無関係ではないように私には思えるのです。
胸糞悪いですよね。でもこういう事をする人は世の中には未だに一定数いるんですよ。それを受け入れてそれでもそんな世の中をどうやって生きていくかそんなことを考えた方が良いんです。怒ったら怒るだけ損ですよ。あとrizin見ていて気分が悪いっていうならわかるけどnewsか何かで知ってtwitterで怒りを拡散している議員とかいるんですがマジでやめて欲しいですよね。それって毒を撒き散らしているだけで決して世の中を良くしてはいないんですよ。
rizin38
大原樹里vs ルイス・グスタボ
この試合は打撃戦必須の試合です。大原選手は前回の矢地選手よりはグズタボ選手にプレッシャーをかけていく事に成功しているように見えました。少し雑になった所をあっさりまとめられてKO。8連勝中の大原選手の勢いを持ってしてもグスタボ選手は止まりませんでしたね。
萩原京平vs鈴木千裕
私はこのカードを1番楽しみにしていました。何故なら1番ストーリーがあり勝負論があり「ノレル」からです。ただAbemaの鈴木選手のママ活いじりはちょっとしつこすぎるし悪ノリしすぎかなと思いました。だってママ活をしていたとしても何にも悪い訳ではありませんからね。鈴木選手もその辺りの受け答えが余りスマートでなく確かにいじりたくなる気持ちはわかりますが。このカードは朝倉未来さんも予想をyoutubeでされていて「カーフの蹴り合いをお互い狙っている筈」と言っていて確かにその通りになっていましたね。この辺の朝倉選手の分析力はかなり確かなので朝倉さんのrizin予想動画はかなりちゃんとチェックしております。試合前の表情は両選手少しいつもより硬い気がしました。1Rは打撃の戦いは明らかに萩原選手に分があるように見えました。萩原選手のカーフで鈴木選手の足が流れる場面が何度かありました。この試合が3ラウンドまでもつれたら萩原選手のKOもあり得たのではないでしょうか。
でも寝技でコントロールされてバックチョークであっさりとタップアウト。クレベル選手やドミネーター選手に寝技で競り負けるのはしょうがないにしてもここで鈴木選手にここまで寝技で圧倒されるのは彼は痛い筈です。実力より先に売れてしまうってのも辛いですよね、今からDeepで下積みする訳にもいきませんし。
これで3連敗で萩原選手は結構幻想が崩れたというか、この内容では上位選手と戦うのはしばらく難しい。平本蓮vs 萩原京平2が現実味を帯びてきますよね。反対に鈴木選手は上位選手とのマッチアップが組まれるようになるでしょう。
後Abemaの解説陣何とかしろと思いました。萩原選手をずっと平本選手と言い続けたり、特に高田延彦の解説は本当にいらないですよね。「萩原選手はMMAの打撃で鈴木選手はKickの打撃」とか言ってて格闘技ヨカタの私ですら「何言ってんだ、この人。そんなワケないだろう。無知にも程がある」と思いました。
シビサイ頌真vs カルリ・ギブレイン
このクラスの試合になるとまずは打撃の攻防が見たかったですよね。元々ギブレイン選手はキックの選手なので寝かされた時点で終わりましたよね。
扇久保博正vs キム・スーチョル
打・投・極のバランスが取れ、薄ら禿げてきた男性ホルモンたっぷりの男どうしの戦い。どれも平均的以上に出来て技と技と切れ目が絶え間なく入る「フロー」が強い選手どうしです。筆者は柔術とキックボクシングはかじった事がありますがレスリングが未経験なだけにこの2人の攻防の素晴らしさはまだ理解できませんでした。
人生て総合格闘技ですよね。見せかけて組む・極めにいく。立つ投げる。一つのスキルだとダメでも掛け算になると素晴らしいものになる。偏っているのも良い。でも全部平均的でも生きる道はある。2人の戦いを見てそんな風に思いました。
浜崎朱加vs パク・シウ
この試合は最初の向かい合った瞬間何か勝敗が決まっていたように見えました。浜崎選手は肌艶がなく目に力がないように見えました。対するパクシウ選手は女豹のような野生動物的な美しさがありました。
1ラウンドはテイクダウンなど浜崎選手が攻めるものの全体的なバランスが悪い。特にパンチが飛び込み系でガチャガチャしていてパクシウ選手の圧に崩されているような気がしました。2ラウンド死角からのパクシウ選手のパンチを派手にもらって浜崎選手はダウン。その場でストップがかかってもおかしくなかったです。判定にまで勝負は持ち込まれましたが実質このダウンで勝負は決着していましたね。
浜崎選手や浅倉カンナ選手の凋落は見てて辛いですが、それでもある種の美しさは感じます。
伊澤星花vs アナスタシア・スヴェッキスカ
伊達選手があっさり極めるかと思いきやアナスタシア選手の柔術のレベルが攻守共に相当強く伊達選手が珍しく手こずっていましたね。アナスタシア選手はRena選手にキックで追い込んでましたし、伊達選手に寝技でここまで対抗できるとすると今は単にMMA選手として仕上がってないだけで将来的に相当化ける可能性のある選手だと思います。
伊達選手は流石に強かったけど又アナスタシア選手見たい選手だなと思いました。
堀口恭司vs 金太郎
堀口選手の圧を受けきれずに金太郎選手が秒殺されてしまうんじゃないか、と思ってました。でもちゃんと試合になってましたし堀口選手の飛び込みの膝に合わせてのカウンターでダウンを取りましたし金太郎選手見せ場を作りましたね。でも効かせてた段階で行ってほしかったなあ。そうしたら勿論カウンターも貰う可能性もあったけど大アップセットもあり得たかもしれない。
無茶苦茶良かったし立ちは互角のシーンもあったので金太郎選手の「狂気」を見たかったです。堀口選手は流石の勝利でしたね。やはり昔よりはヒヤリとする場面も多くなったけどベラトールを離れたら将来的にはrizinにも戻ってくるのかな。楽しみです。