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立体音響[Dolby Atmos]での楽曲制作について Part.3(Logic Pro)


前回の投稿のPart.2では「BedとObjectの違いや設定方法」について解説しました。

今回のPart.3では「さらに細かい設定方法」について解説していきます。Part.1, 2をまだお読みでない方は、こちらをぜひご覧ください!

さっそく本題にまいりましょう!
前回までの内容で、Dolby Atmos空間に音を配置することができるようになりました。

まずは、Part.2で後にまわしていました【Surround Panner】のパラメータの詳細を解説していきます!

【Surround Panner】のパラメータの詳細

上の画像の「赤線」を引きました4つのパラメータの意味はこちらです。
・Angle:平面上に設置した7つのスピーカーの「どのスピーカーから音を出すか」を設定。
・Diversity:音とスピーカーの距離を設定。
・Elevation:音の「上方向」への位置の設定。
・Spread(ステレオ音源のみ設定可能):ステレオ音源の広がりを設定。

という感じなのですが、わかりやすいように実際に設定してみました。
ステレオの音源で、
・Angle:-45
・Diversity:0.25

としてみました。

注目していただきたいのが、外側のスピーカーマークのすぐ内側の「青の矢印」と「緑の矢印」の曲線の部分です。
・青の曲線部分:L(左)側の音が鳴る範囲
・緑の曲線部分:R(右)側の音が鳴る範囲
ということになります。

この設定の場合は、
"LとRの音がそれぞれ「3つのスピーカー」にわたって鳴りますよ"
ということになります!
Diversityを「1.00」に近づければ近づけるほど:ある特定のスピーカーからでは無く、複数のスピーカーから音が鳴る設定となります。それは言い換えれば、その音がどこから鳴るのかを曖昧にしていくという感じです。

さあ次は、Elevationを設定したときです。今までの設定に加えて、追加でElevationを25.0°にしてみました。
ですが、表の見た目に変化はありません。これは赤丸で囲っている「Planar」という表示方法になっているからです。この表示方法はElevationは反映されません。

Elevationを設定を見た目で確認するには「Spherical」にするとできます。

ちなみにElevationが0°のときはこのような表示になります。
Elevationが0°より大きな数字(上方向に音が設定されているとき)は、中央に表示が寄っているのが確認できると思います!

さて次は、一番下にある「Center Level」と「LFE Level」です。
・Center Level:中央(C)から音を出す位置にした場合、中央(C)のスピーカーから出す音量を設定。
・LFE Level:サブウーファーから出す音量を設定。

ということになります。

これらに関してはグラフには反映されない内容なので、ヘッドホン等で確認してお好みで設定していただけたらと思います!

続きましては【3D Object Panner】のパラメータの詳細です!

【3D Object Panner】のパラメータの詳細

注目していただきたいのは「Size」と「Spread」の2つです。
・Size:音の大きさを設定。
・Spread:ステレオ音源の広がりを設定。
という感じです。これらは好みで設定していただけたら良いと思います。

特に「Size」というパラメータはとても興味深い働きをしてくれると感じています!Sizeの数値を増やすとLRの表示の丸が大きくなります。

ちなみにSizeの数値が0の場合はLRの表示の丸はこのくらいの大きさです。

実際にSizeの数字を変えてみて聞いていただけるとわかりやすいと思うのですが、簡単に言いますと「音の立体感が増える」という感じでしょうか。
例えば、音をリアルにしたいとき:
「ルームリバーブ」という部屋鳴りを増やす響きを加えて「音に立体感を加える」というようなことをするときがあるのですが、それに近い効果があります!

さて、これまでいろいろなパラメータの解説をしてきましたが、
これらのパラメータはもちろん「オートメーション」を設定することができます!

オートメーションの設定方法について

  1. Aを押して「オートメーション設定画面」に移動していただき、

  2. オートメーションを設定したいトラックを選び

  3. 「Main」というところから動かしたいパラメータを選択してください。

【Surround Panner】の場合
【3D Object Panner】の場合

【Surround Panner】と【3D Object Panner】はこの画像のような感じで、それぞれ赤枠で囲った部分が設定できるパラメータになります!

今回はここまで、みなさん自由に設定してみてください!
Part.4もどうぞお楽しみに!

UN.a 宇津木紘一

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