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音楽を「深掘りする」ということ

先日に私、宇津木紘一の音楽のルーツの「ジャズ」についての想い「私にとっての坂本龍一氏」という内容を記事にしました。まだご覧になっていない方はこちらからぜひお読みいただけたら嬉しいです。

「ジャズ」や「坂本龍一氏」によって私の音楽が豊かになりました。

ジャズの前の当時ヴォーカリストだった私の音楽に大きな影響を与えたアーティストがいまして、そこからの繋がりから「ジャズ」等の様々なジャンルや手法をより知るきっかけになったと思います。

そのアーティストは "Sting" で、初めて手にしたCDは1999年にリリースされた [Brand New Day] で地元のCD店で見つけたのを覚えています。

Stingの楽曲はこの [Brand New Day] 以前にも耳にしたことがありました(映画レオンのメインテーマ Shape of My Heart や、The PoliceのEvery Breath You Take等)が、そこまで気にすることはありませんでした。

私は現在サックス奏者としても活動していますが、サックスにがっつりハマったきっかけはこのStingのサポートミュージシャンで参加していたジャズサックス奏者の "Branford Marsalis" です。

[Englishman in New York] や [Sister Moon] での演奏を聴いたときに「ソプラノサックスの音色とかフレーズとか、なんて美しいんだ」と感動したのを覚えています。
もちろんテナーサックスも素晴らしいです。

この記事のタイトルの【音楽を深掘りすることの喜び】はこのことで、私はStingからBranford Marsalisを知ることができました。

また、
STINGのアルバムのライナーノーツには、彼が影響を受けたミュージシャンとしてジャズアーティスト “Thelonious Monk” の名前が書かれており、気になった私はCDを買いに行きました。

私はThelonious Monkの音楽に魅了され次々とCDを買い、その作品での共演者をメモしその名前のCDを買いに行く、また同じように繋がっていくことで音楽を掘っていき詳しくなっていきました。

ピアニストKenny Kirkland、ベーシストDarryl Jones、ギタリストDominic Miller、ドラマーVinnie Colaiuta, Manu Katché、パーカッショニストMino Cinelu等、STINGのサポートメンバーだけでも様々なジャンルの素晴らしいミュージシャンを知ることができました。

Dominic Millerの作品はとても好きで、アルバムはECMからもリリースされておりよく聴きました。

そして17,18歳だった当時の私の、
Stingからの音楽的影響のなかでとても強いのが「変拍子」についてです。
変拍子というのは → 4/4拍子以外で作られた曲(5/4拍子とか15/16拍子とか、諸説あるのでこういう言い方にしておきます) です。

何曲かご紹介しようと思います。

[...Nothing Like the Sun] より
・Straight To My Heart : 7拍子

[Ten Summoner's Tales] より
・Love Is Stronger Than Justice : 7拍子 と 8(4)拍子
・Seven Days : 5拍子
・Saint Augustine In Hell : 7拍子

[Mercury Falling] より
・I Was Brought To My Senses : 7拍子
・Twenty Five To Midnight : 7拍子

当時の私は4拍子か3拍子の曲しか知らなかったので7拍子や5拍子のような曲はものすごく刺激的で強烈で、7拍子は何か足りない感じが心地良く、5拍子は多くある感じがおもしろい、そんな印象でした。

個人的には特に、I Was Brought To My Sensesは様々な7拍子の楽曲の中で最も美しいと感じる楽曲です。7拍子の感じに全く違和感が無く、むしろ7拍子でなければこの美しさと儚さは出てこないと思えるほどです。

当時通っていた専門学生時代に、7拍子の曲を作って演奏したのは良い思い出です。

このStingから音楽を掘った経験は、私の音楽の探求のやり方に素晴らしく大きな影響があったと今になって感じます。

「変拍子」はプログレやジャズでは珍しい手法ではなく触れる機会が多くなり聴くにつれどてんどん好きになっていき、今でもPat Metheny Group "Have You Heard" はフレーズを口ずさめるほど覚えています。

【1人のアーティストからどれだけの情報を見つけられるか、探れるか。】
これは特に現代にとって大事なことだと感じています。ある時期から歴史が分断されている楽曲が少なくないなという印象です。

私は「歴史」を感じる音楽やアート作品に魅力を感じることが多いです。そのためには、どんな小さな繋がりやきっかけでも良いので歴史を紡いでいく。

そこから得られた情報から学び、推測し、分析し、糧にする。
Stingのことだけでも私はまだ半分も書けていなく、最もそこから濃く繋がったBranford Marsalisの流れにいくと取集がつかず終わらなくなってしまうのでこのあたりで終わりにしようと思います。

自分の音楽のルーツを、思い出しながらこのように文章にして改めて見つめ直してみるということはとても有意義だなと感じます。
皆さまにとってご参考になる内容になっていましたら幸いです。

お読みくださりありがとうございました。

UN.a 宇津木紘一


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