【3分読書メモ】「外資系コンサルの知的生産術」(山口周)を読んで
■基本情報
書名:外資系コンサルの知的生産術
著者:山口周
出版元:光文社
出版日:2015年1月
ジャンル:知的生産
読書メーター:https://bookmeter.com/books/9212117
■気になったポイント(引用文+コメント)
特にビジネスにおける知的生産は「行動の提案」まで踏み込むことで初めて価値を生み出す、ということを意識しておきましょう。たまに「あの人は評論家ですね」という悪口を聞くことがありますが、この枠組みに当てはめれば評論家というのは「洞察までしかアウトプットできない人」ということになります。
<メモ>この考えはビジネスのみならず、個人に当てはめて考えるなら、単に読書だけで終わらずに「読書で培った知識を実生活に取り入れてQOLを上げるべき」となるだろう。
生み出そうとしている知的生産物を届ける相手=顧客を明確化した上で、その人が何に付加価値を感じてくれるかをはっきりさせることが非常に重要だということです。ターゲットが広がれば広がるほど、メッセージは切れ味を失ってしまいます。
<メモ> 単に価値を加えれば良いというわけではなく、ターゲット(顧客)がどんな情報を欲しがっているのか、どんなジャンルに興味を示しているのかを丹念にリサーチし、顧客に期待値を超える付加価値を提供する必要がある。
行為は、その行為による報酬が必ず与えられるとわかっている時よりも、不確実に与えられる時の方がより効果的に強化される、ということです。翻って、この実験結果を人間に当てはめて考えてみると、「不確実なものほどハマりやすい」という生理的傾向が、社会の様々な側面に応用されていることがわかります。
<メモ>なぜ人間はギャンブルにハマるのか?それは「勝ったり負けたりするから」である。次は勝つかもしれないし、負けるかもしれない。「勝つこと」が目的だったのに、いつの間にか「勝ち負けのスリル」を味わうためにギャンブルを繰り返す……なんて事態に陥ってしまう。
同質性の高い人たちが集まると、意思決定のクオリティが著しく低下する傾向があることを示したのは心理学者アーヴィング・ジャニスでした。ジャニスは、ビッグス湾事件やヴェトナム戦闘などの「非常に聡明な人々が集まって、極めて貧弱な意思決定をしてしまった」という事例を数多く取り上げ、そこに発生している「意思決定品質を破壊するメカニズム」を「集団浅慮=グループシンク」と名付けました。
<メモ>同じ考えを持った人間同士が集まったとしても、識者の想像を上回る良い意思決定は期待できないのではないだろうか。なぜなら、同質の考えを集めることで意思決定が極端に傾倒するほか、異なるポジションを取った人々から反証を得られないからだ。
カリフォルニア大学デービス校の心理学者、ディーン・サイモントンは『Origins of Genius」(天才の起源)という本の中で、”イノベーターは成功したから多くを生み出したのではなく、多く生み出したから成功した」と指摘しています。サイモントンによれば、科学者の論文には量と質の相関関係が存在するようです。例えばある科学者のもっともすぐれた学者の論文の引用回数は、その科学者が残した論文の数に比例します。また、サイモントンは同時に、科学者が生涯で最高の仕事をしている自機は、もっとも多くの論文を書いている時期であり、そしてまたもっとも”ダメな論文”が生まれる時期であることも指摘しています。
<メモ>最初から傑作が生まれるわけではない。大量の駄作や凡作を生み出すバイタリティから、一握りの傑作が生まれる。その傑作も、自分ではない他者によって評価されたからこそ、傑作となり得たのである。
【こんな人にオススメ】
・知的生産活動を伴う業務に従事している人
・発想力や企画力を今すぐに養いたい人
・独学の技法を手っ取り早く学びたい人