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【3分読書メモ】発掘!歴史に埋もれたテレビCM~見たことのない昭和30年代~(高野光平)を読んで

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■基本情報

書名:発掘!歴史に埋もれたテレビCM~見たことのない昭和30年代~
著者:高野光平
出版元:光文社
出版日:2019年7月
ジャンル:サブカルチャー/風俗史
読書メーター:https://bookmeter.com/books/14234497

■書籍内容(BOOKデータベースより)

一九五三年八月二十八日、初の民間テレビ放送局・日本テレビ放送網が開局して、テレビCMの時代が始まった。しかし、その草創期の姿はナゾに包まれ、これまでほとんど実態が分かっていなかった。本書は、そんな知られざる草創期のテレビCMについて、数々の発掘資料を駆使してその実態を解き明かそうとするものだ。ほとんど誰も覚えていないであろう、無名の発掘物たち。そこからどんな歴史が見えてくるのか?CM史研究の第一人者が、豊富な画像と分かりやすい解説で歴史に埋もれたテレビCMたちを現代によみがえらせる。平成から令和になったいま、遠ざかっていく昭和時代を正しく記憶するための一冊。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。

■気になったポイント(引用文+コメント)

執筆にあたり広告主にけっこう問い合わせをしたのだが、ほとんどが「記録がなくて分からない」という返事だった(中略)けっきょく、もっとも頼れるのは書籍や雑誌などの当時の文献や、当時の商品の現物である。これって、普通に歴史学や考古学のアプローチだなと実感している。たった半世紀前のものごとを明らかにするのに、歴史学的に正しい手続きを踏まないといけない。

<メモ>どんな文化であれ、過去の事柄を調べるなら歴史学的に正しい手順を踏まなければいけない。

アニメ文化の起源のひとつは間違いなくテレビCMにあった。

<メモ>日本のアニメーション文化は約100年ほど前に芽生え始めた。しかし本格的なアニメーションの技法や文化として成長段階に入ったのは、鉄腕アトムが放送される10年ほど前の1956年あたりだった。

旧式だから効き目が弱いのではなく、旧式だから効き目をコントロールできないのだ。むしろ効き目を弱くできるほうが進んだテクノロジーということだ。

<メモ>高い技術力があってこそ、初めて強大な力を制御することができる。

なんで空気銃なんだよ!」「バターそばってなんだよ!」「足が顔かよ!」とツッコみながら見ることで、私たちとの感じかた、考えかた、とらえかたの違いを浮き彫りにして、それを楽しんだり、あるいはまじめに考察したりする。古いCMを見直す醍醐味のひとつはそういうところにある。

<メモ>テレビCMは当時の雰囲気をそのまま詰め込んでいるからこそ、今見るとそのギャップが面白くてたまらないのである。

広告は、短い文章や短い映像で確実にメッセージを届けるために、誰にでもわかるベタな記号を多用する。そこに当時のマジョリティの感覚が痕跡として残りやすい。広告を見れば、その時代に代表的とみなされていたセンスが分かるのである。

<メモ>テレビCMには大衆へ訴えかけるベタな記号性を含んでいるからこそ、当時の世相や流行を体現する痕跡を見ることができる。「CMは時代の鏡」?

【こんな人におすすめ】

・昭和の生活史に興味がある人
・テレビCMの歴史に興味がある人
・広告業界に興味がある人

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