見出し画像

安倍川餅と信玄餅

旧東海道を歩いて出会った小ネタをご紹介します。

東海道で信玄餅!?!?

さて、山梨名物の信玄餅。みんな好きですよね??

え、知らない?「筑紫もち」「大風呂敷」「出陣餅」など、似たような和菓子が全国にありますね。それです。

その信玄餅の発祥が東海道とはご存知でしょうか。

ときは西暦1600年!静岡にて

安倍川餅の歴史は、徳川家康から始まりました。

安倍川の上流では砂金採りが盛ん。周囲の茶屋では餅にきな粉、白砂糖をかけて食べられていました。

あるとき、安倍川を渡るためにやってきた徳川家康。きなこ餅を「金な粉餅」と紹介され、縁起のいい名前に大喜び。

この餅を「安倍川餅」と命名したそうです。

餅は丸く、当時の白砂糖は貴重でした。
この、静岡の元祖安倍川餅は、きな粉+白砂糖がセットです。

画像5

(我慢できず、1個写真撮る前に食べました。)

こちらは、老舗の石部屋さんの安倍川餅です。

東京都 大森名物「あべかわ餅」

一方、品川宿を歩き中、こんな看板を発見しました。

『大森名物 あべかわ餅』

(え、安倍川餅は静岡名物ですけど??)

実は、安倍川餅は、静岡はもちろん、東京(大森)、福井、山梨でも名物とされています。

こちらが、大森名物を提供している餅甚さん。

画像2

元祖は静岡から出て、ここ大森で店を開き、あべかわ餅を提供し始めたそうです。

しかも、こちらはきな粉+黒蜜!!

画像3

また、山梨ではお供もの、福井では土用餅として、あべかわ餅を食べる風習が定着しました。(どのように伝わったのかは不明ですが、白砂糖が高級品だったため、黒蜜をかけるようになったとか。そして、静岡以外ではひらがなで「あべかわ餅」と言います。)

ふむ、安倍川餅は2種類ある!

砂糖派 静岡(発祥)

黒蜜派 東京、山梨、福井

更に進化した山梨版!

山梨のあべかわ餅な四角い餅でした。

四角い餅+きな粉+黒蜜

そう!これが今の信玄餅になりました。


安倍川餅が進化し、各地で名物としてその名を残し続ける。歴史を感じます。

改めて、黒蜜たっぷりの大森名物の安倍川餅をご覧ください。

画像4

もう、山盛りの信玄餅にしか見えません。

信玄餅を豪快に食べれるなんて、夢のようなあべかわ餅でした。