【3DCG】待機モーションのワークフロー【Tips】
はじめまして!
株式会社Black Beard Design Studioでモーションデザイナーをしている梶山と申します。
今回はモーションセクションの初回ということで、
待機モーションの制作工程について紹介させていただきます!
待機モーションとは
インゲームモーションの一つで、その名の通り、
キャラクターが待機しているときに再生される動きです。
移動や攻撃などほぼ全ての動きはこの待機から派生するため、
いちばん最初に作成するモーションになります。
※ゲームシステムによってはマップ上での通常待機とバトル中の戦闘待機(”構え”と呼ばれる時もあります)の複数の種類が存在します。
実際のワークフロー
それでは実際の手順について、作成する際に気を付けている点も交えて解説いたします。
1.仕様確認と把握
まずは動きを作成するキャラクターの設定資料を確認し、
性格や体型などキャラクター性を知ることから始めます。
インゲームモーションは、多いときは1キャラに数十(~数百)モーション以上作成することもあり、
その全ての動きに一貫性を持たせるためには、
キャラ性がブレないよう最初にイメージを固めておくことが重要になります。
※待機モーションに限った話ではありませんが、
実際にツールを使用してモーションを作成するよりも、
キャラ性や動きのイメージを固めることの方が重要な工程だと考えています!
2.ポージング
続いて、待機ポーズと呼ばれる待機モーションの0F(仕様によっては1Fの場合もあり)のポーズを作成します。
参考資料やポーズ指示があればそちらに沿って作成しますが、
指示がない場合はポーズ案を複数パターン用意して、最終的に一つに絞っていきます。
ポーズを作成するうえで、おおまかに以下のことに気を付けています。
制作時には
鏡を見ながらポーズをとってみたり
先輩アニメーターに意見をもらったりしてポーズ案を出します。
▼実際に出来上がったポーズがこちらです!
※今回、株式会社モックス様のMoxRigを使用させていただきました。
3.モーション制作
ポーズが決まれば、あとは動きを作成していきます。
待機モーションは基本的には呼吸の動きのループになりますので、
0Fのポーズを最後のフレームにもコピーして、
中間に息を吐くポーズ(少し胸を丸めたポーズ)を作成します。
中間ポーズはしっかり全身のコントローラを動かしてキーを打ってあげましょう。
作成した3つのポーズで呼吸のタイミングをざっくり取ります。
まだロボットみたいな固くて機械的な動きですね
この状態では体の全てのパーツが同じタイミングで動いていて
機械的な動きに見えますよね。
生物の体は腰→上半身→頭(肩)
というような順序で連動して動きますので、
各パーツのアニメーションカーブを腰から順番に遅らせてあげましょう。
細かいところですが、腕の中でも肘より手首を遅らせてあげて、手首は肘を基点に動かしてあげるとよりリアルな動きが表現できます。
カーブを単純にズラしただけでもそれなりには見えますが、
全てのパーツの動きが一定のリズムで揺れているので、
ここからさらにカーブを調整してブラッシュアップしていきます。
▼その際には以下のことに気を付けています。
そしてこちらが完成版です!
先ほどの動きよりもリアルで、呼吸を感じられるようになりましたね!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
呼吸の動きは攻撃などに比べて簡単そうに見えるかもしれませんが、
実はこれだけのことを意識しながら作られているんですね。
ゲームをプレイされるときには楽しく遊んでいただくのがいちばんですが、どういった工夫がなされているのか作り手の目線に立ってみると
また新たな発見があったり、ご自身のモーション制作にとても役立つと思いますので、少しでも意識して見ていただけたら幸いです!
今回は以上になります。
今後も皆さまに役立つ情報を発信していければと思いますので、
次回も是非お楽しみに~!
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