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盆栽計測装置「Bonsai Dock」作り込めるか? ~製作日誌4-筐体をきちんと作る~

はじめに

盆栽計測装置「Bonsai Dock」はM5stack Japan Creative Contest 2024に出品した後、装置を稼働させながら、数値を取り続けておりました。
実際に使用しながら作り込み、そしてさらなる改良を目指しています。
前回はロードセルについて見直しました。

今回は装置として完成を目指すべく、筐体作成に取り掛かります。いつものごとくなかなかのダメっぷりで、もうネタにするしかない!あるあるなのか、ないないなのか。未来の私はこれを見てどう思うのでしょうか。忘れないうちに記録しておきます。

筐体をきちんと作る

いよいよ本丸の筐体作成にとりかかります。といいますか、本来はここまで仕上げて作品完成とするべきでした。が、時間がなくてコンテストにはコンセプトモックアップとして出品しました。

https://protopedia.net/prototype/5519

実は年初におおよその装置つくりのための材料を買っていました。
日本橋の共立電子でジャンク品のカールコードや筐体、スイッチなどを入手していたのですが、どうすればよいかわからずそのまま放置していました。

プラスチックケースにつまみスイッチ、カールコードなどなど

はっきりとしたプランはないのですが、これらの部品を組み合わせて何かを作りたいと思っています。

理想的なカールコード

たまたまジャンク品で見つけたカールコード。ビジネスホン用のカールコードを探していましたが、こんなのを見つけました。線がたくさん通っており、便利に使えそうです。

見たことないコネクタが付いていました

堺のクラフトルームOpen Creation Lab.さんでどんな風に料理したらよいか相談してみました。せっかく、コネクタが付いてるのだから、このコネクタの受けを探したほうがよいとのアドバイスをいただきました。

とはいえ、見たことないコネクタ、電子部品を売っている店へカールコードを持って行って合うものを教えてもらうこともできたと思いますが、装置の構想を膨らませていくうちに、まずはデータベース作成が先決と判断し、盆栽管理データベース「盆カン」の作成に重心が移っていきました。

でもやっぱり完成させたい

盆栽計測装置「Bonsai Dock」として、コンセプトモックアップで終わるのか。それとも、フルスイングして、終わるのか。やっぱり完成させたい。この思いが高まってきました。

これこそが本当の夏休みの自由研究となるのでしょうか。装置の完成を目指して取り組み始めました。

カールコードの結線状態を調べます

せっかくアドバイスを頂いたにもかかわらず、コネクタを探すこともせず、結線状態を調べるために、コネクタをパッツンと切り落としました。

D-Sub25ケーブルのピン番号と線の色の関係を調べていきます
ちまちまと調べ上げました

色は後で疑問に持った時にわからなくなるので、マスキングテープにピン番号を書いて貼り付けておきます。

まとめるとこんな感じになりました。

Dサブコネクタの結線図

結線状態を調べ上げ充実感いっぱいですが、まだ何も生み出してはいません。

後先を考えずやってしまいました

ここから先のプランがありません。
ひとまず、この辺りで置いておきます。

ハードの組み立てに入ります

筐体に穴を開け、M5Dialやスイッチを取り付けます。
筐体は共立電子で買っています。

思えば40数年前、小学生の私は、子供の科学を見て、ゼムクリップのプラスティックケースに収まる小型ラジオを作ろうと思って、日本橋にパーツを買いに来ていました。その時も、様々なサイズのケースが売られていました。

その時、既製品の少し大きな箱を手に入れて、基板にはんだ付けしながら回路を組んでいたら、電子工作の経験が成功体験になっていたかもしれません。

超小型の箱に、空中配線で回路を組むのは、今から考えても無謀なチャレンジです。
大人になった私は、そんな危ない橋は渡らないつもりです。

100均は定期的に物色し、工作に使えるものを探しています。ですが、電子工作で使うための箱は、作りがしっかりしているので、いいものが作れると思います。

そしてまたやらかしました

ホールソーの径をきちんと確認しないまま、穴を開けてはめあわせてみると、ひと回り大きな穴になっていました。

穴が大きすぎてM5Dialが固定できません

これではうまく固定できません。モチベーションがかなり下がってしまいました。もう一度、ケースを買い直そうかと思いましたが、これは何とかリカバリーさせて使い切るのが、趣味者としての務めだと思い、このケースを使って工作を続けることにしました。

プラ板を使って、M5Dialが固定できるサイズの穴をあけました

何枚か厚さの異なるプラ板がありましたが、工作のしやすさから薄めのプラ板を使いました。強度が心配でしたが、今のところ何とかなっています。

ネジで固定しました

最初からこれを目指して作ってきたかのようなきちんとした作りになりました。

底にするかフタにするか

気をよくして側面の工作に取り掛かります。
今から作るものはACアダプタのようなものです。ケーブルの断線防止の補強が付いています。これを生かし切れるか?

Open Creation Lab.でヒントは頂いていました。
側面の板にケーブルが通る穴をあけて、はめ込めるようにすればよいようです。

私は最終的なイメージは想像できていませんでしたが、ともかくやってみることにしました。
キリで穴をあけ、プラスドライバーで少しずつ穴径を拡げ、リーマーで少しずつ穴を大きくしました。

きれいな穴があきました

ニッパで横を切り、ケーブルが通るようにしてはめてみました。

とても良い感じです。
で、結局、どちらにしたかと言いますと、底にしました。

今までの使い方の中で、ICタグと手の位置関係を考えると、ケーブルは手元にあった方が取り回しは良さそうでした。

当初は、フタにしようと考えていましたが反対になりました。

さあそして、最後に大変な結線作業が残ってしまいました

電子工作が好きな方にとっては造作も無いことだと思いますが、私にとってはこの結線作業がとても苦手です。

私は頭の中で様々な技術をソフトウェア技術に変えながら理解をしていくのですが、結線の作業は、ハードコーディングのように感じられて、やり直しの利かない一発勝負のようなところがあるような心構えでいます。

なので、いつも後回しになって、最後の最後のどうにもならなくなったときに使うものになっています。

まずは何がしたいのかを徹底的に考え直しました

M5Dialのあるペンダントに給電とGPIOの信号を届けます。
ロードセル側にUSBの口を用意し、D-Sub25ピンのコネクタも付けます。

言葉で書くとこれぐらいなのですが、私の電子工作のボキャブラリが少ないため、上記の表現をすることができません。

例えば、USBによる給電はどうすればよいのか?コネクタの種類は?Type-A?Type-C?信号線は?電圧は?

ダメです。先に進めません。

素人の工作です。かっこよくやる必要はありません

開き直って、知ってることの組み合わせでやってみることにしました。

今回の結線作業でこだわったのは下記の点です。
・必ず通電前にテスターを使って導通試験をすること。
・はんだ付けがミスってもリカバリできるように、ピンコネクタによる結線個所を必ず入れる。
・結線前に収縮チューブを通すことを忘れないようにする。
・はんだ付け時は両手がフリーになるように、線を固定する。

ピンコネクタによる結線(今回一番の工夫点だと思います。事実これで誤配線を解消できました。)

後は作業場所です。エアコンの効いたリビングでは作業したくないし、工作部屋は散らかっているし。

結局、いつも盆栽をいじっている屋外の作業机で夕方涼しくなってきたときに行うことにしました。

USBのメスコネクタの背面ピンとGROVEコネクタがたまたま刺さることを見つけました。これにより、作業が一つ進みました。

USB-GROVE-ワイヤ(ワイヤの色にはあまり決まりがないようですね)

工作時にワイヤの色にこだわると、たくさんのワイヤを準備する必要があるため、こだわらないようにしています。しいて言えば、GNDはできるだけ黒にしようと思っています。

RS-232Cジェンダーチェンジャー

会社でもう使わないジャンク品の中からRS-232Cのジェンダーチェンジャーを見つけました。

最初はどうやって使うか全くわかりませんでした。
ここまで追い込まれてみると、何をどうすればよいか分かるようになってきました。
ワイヤをここに入れてはんだ付けすればよいのです。

被覆をむき、ねじり、穴に差し込み、裏で折り曲げます。さらに、マスキングテープで仮止めします。

これなら私でもはんだ付けできそうです
ペンダントコントローラー側、使わない線はマスキングテープで保護しました
いよいよはんだ付け作業
はんだ後、テスターで導通試験

慣れない作業なのですが、やっているとだんだんとコツをつかんで、楽しくなってきます。ゾーンに入っていくのがわかります。収縮チューブもヒートガンがないので、はんだごてを近づけて収縮させます。

ペンダントコントローラー側にはGROVEコネクタとUSB Type-Aメスを付けました。GROVEコネクタはM5DialのPORT-Bへ、USBはType-A⇔Type-Cケーブルで接続します。

で、できた!!

しばらく使ってみて、修正がなさそうであれば、マスキングテープを取り、ネジ締めいたします。

やはり筐体がある方が使い勝手は良いです

ICタグにタッチしやすくなりました。またロータリースイッチで電源のon/offが切り替えできるのもよいです。

タグのついていない盆栽鉢も撮影台として使います

タグのついていない盆栽鉢は電子ばかりとして利用できます。数値を読み取り、コメント欄に記入すれば、重量管理ができます。

さいごに

ハード作成はやり直しがきかない作業のため、ギリギリまで追い込んでから行いがちですが、やらかしてもリカバリーする方法はたくさんあるので、思いついた先から作っていっても何とかなるものだなぁと思いました。

これで、ひとまず年初から温めていたアイデアを形にすることができました。この装置を活用して、ワンランク上の盆栽管理を目指します。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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