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【ミニ百葉箱】販売までの道のり

はじめに

ミニ百葉箱が予想以上にうまくできて、量産化したいと思うようになってきました。その動機の中には、うまく行けばハンドメイド品として販売したい考えもありました。

ただ実際に取り組んでみると、予想以上に製作に時間がかかり、たくさん作れるものではないことが分かってきました。
趣味の工作が副業のようになってしまうのは本意ではありません。苦行とならず楽しみながら作れるものでありたいと考えています。

今回は販売までの道のりをまとめてみました。
同じようにハンドメイド品を製作して販売まで考えておられる方の参考になれば幸いです。

販売までの道のり

販売までの一大事、価格を決めることにします。

まずは出品検討しているメルカリでの原価を調べます。

・原材料費:1,000円
・作業費(人件費):6時間 6,000円
・機械設備費:-円
・光熱費:-円
・販売手数料:10%(メルカリ)
・送料:700円(らくらくメルカリ便60サイズ)

2022/03/24時点でのデータ

メルカリでの出品を考えた理由は、今まで使っているサービスなので、慣れているという点があります。
匿名配送できる点も大きなポイントです。

原材料費はホームセンターで買った材料を合計しました。作業費は時給1000円で計算しました。今回は機械設備費や光熱費は計上していません。仕事として考えるなら、きちんと計上すべきでしょう。販売手数料はメルカリでの数字、送料はコンパクトにできないため、完成品のサイズになってしまい、高くつきます。

これらを合算すると原価は

(1,000 + 6,000) x 1.1 + 700 = 8,400円

となりました。

そこに、原価の3倍ルールを適用すると・・・

8,400 x 3 = 25,200円

です。

25,200円。これはなんでも高すぎる。。。

自分では絶対に買わないな。
もう少し整理して、価格調整します。
まずは方針を決めることにしました。

「商売」か「趣味」か。

どちらかと言われると間違いなく「趣味」です。「勉強」の意味合いも強いです。ただ「ボランティア」ではないので、金銭的にマイナスになることはしたくないと思っています。気が向いたときにできる細く長くできることとして考えたいです。

価格を顧客目線で考える。

商品を購入されるお客様からの視点で考えると、かわいい生活雑貨を求めるとすると、

ダイソー、セリア、3COINS、 無印良品、ニトリ、イケア、 カインズ、東急ハンズ、ロフト、 オーサムストア、フライングタイガー

あたりが考えられるでしょうか。
このミニ百葉箱が店舗で売られている様子をイメージし、その時の値札がいくらだったら購入するか考えてみました。

2,000~3,000円が妥当でしょうかね。

それでも買うか怪しいです。100均で売ってたら確実に買いますね。

Switchbot温湿度計が約2,000円します。
これを保護するケースとして考えるとき、

500~600円ぐらいまでのような気がします。

Switchbot温湿度計と合わせて、5,000円以内だったらありかな。

ココロが揺れます。

価格を作り手目線で考える。

そもそもの価格の比較を量販店と比べること自体に無理を感じます。
価格だけを考えると、少量、国内生産のクラフト品はどうしようもありません。

量販店には売っていないから自分で作ろうと思ったのであって、その最初の動機を大切にしたいものです。

購入してくださるお客様もオリジナルなものを求めて購入されるでしょうから、ここは自信を持ってもよい所です。

そこで、こんどはハンドメイド品が多く集まるサイト「minne」や「creema」で勉強することにしました。

ここにはたくさんのハンドメイド品があり、いろんなジャンルの作家さんがオリジナルの作品を出品されています。木工をかじり始めた私にとってはいろんなアイデアをもらって大変勉強になりました。

その中から、同じような手間が掛かってそうな作品を見つけ、比較しながら検討しました。

その結果、

5,000~6,000円あたりでもいけるんじゃないか。

と思えるようになってきました。

となると、その方針に沿っての理由付けが欲しくなります。

現在の価格は原価に

作業費(人件費):6時間 6,000円

を入れています。
これが、価格を押し上げる原因となっています。

今までは作業の効率化を行い、作業費を削減しようと思っていましたが、今の所はこの部分の削減は難しいようです。

ならば、いっそのことカウントしない。

という結論に至りました。

有意義な趣味の時間を使って作業しているので、これは労働ではなく遊び、なのでカウントしません。

その方針で価格を再計算すると、

(1,000 x 1.1 + 700) x 3 = 5,400円

となり、まずまずの価格になります。

つい欲をかいて、少しだけ上乗せした6,400円で出品しました。

順調にウオッチ数が増えていきます。気になっている方に見てもらえているようです。
半日経って、メルカリから5,900円をオファーされました。

なんだか私の魂胆が見透かされているようでした。ここは素直に申し出を受け入れることにいたします。

出品から半日で、5,900円にプライスダウンしました。

それから、しばらくの間待ちました。ウオッチ数は増えていますが、売れる気配は全くありません。じっと我慢してましたが、どうもこの値段では難しいようです。

もう一度価格を見直します。

筋の通った値下げ方法があるか検討しました。値段が高くなっている要因は、(原価 x 3)の原価にあるようです。今までの私の計算方法は原価に、送料、販売手数料を含んでいました。これを外してみるとどうなるだろう。試算してみました。

1,000 x 3 x 1.1 + 700 = 4,000円

1,900円安くなりました。この場合、一個当たりの利益は2,000円となり、この利益を人件費に充てた場合の時給計算は333円となりました。趣味のお駄賃と考えれば、なくはない価格設定のように考えられます。

ただこのまま「値引きしました。」と出すことに抵抗があります。

メルカリでいくつか出品してきましたが、価値はあるが不用品というものが多く、こういったものに対して「値引きしました。」はあまり抵抗はありません。

ハンドメイド作品の場合、特に今回のような場合、別に売れなくてもよい訳で、ただ「ご興味があればどうぞ。人気があればまた作ります。」的なものになります。なので、このあたりのバランスがとても難しいし、また楽しい所になります。

そこで私は新たなチャレンジとして、「ABテスト」を行ってみることにしました。

ずいぶん昔マーケティングの授業で習ったようなというものですが、ネットで調べてみると、Webサイトのレイテンシー向上のための比較テストとしてもつかわれているようです。

単純に同時に2つのプランを提示して、どちらがよいか評価するというものです。

A案:現在の出品内容はそのままに、価格を4,000円に変更する。
B案:ミニ百葉箱+Switchbot温湿度計のセットにして価格を6,000円にする。

従来の出品には手を付けず、AB案を追加で投入してみます。

両者の混同を避けるため、商品名、説明文内での、Switchbot温湿度計の有無について、徹底して繰り返すことにします。

ウオッチ数の変化 A案:オレンジ色 B案:青色

ABテストの結果、ミニ百葉箱単体の方がよくウオッチされていることが分かりました。

考えられる理由は、

・価格そのもので評価されているから。
・すでにSwitchBot温湿度計を持っているから。

等が考えられます。

SwitchBot温湿度計とのセットを取り下げるか考えましたが、しばらくはこのまま並行して続けることにしました。

また、ウオッチ数は価格を変更した直後は少し上がっているのですが、その後は落ち着きながらも徐々に上がっていきました。

3月19日 ミニ百葉箱+Switchbot温湿度計 をお買い上げいただきました。

意外にもウオッチ数では劣るセット品をご購入いただきました。
販売価格は4,200円、初めてハンドメイド品を販売することができました。

不用品の販売とは異なる気持ちがこみ上げてきて、お買い上げいただいた方には感謝の気持ちでいっぱいです。

大変大変ありがとうございました。

三連休の序盤にこのようなビッグサプライズがあったため、ミニ百葉箱単体の販売については放置していました。

ウオッチ数は伸びているようですが、お気に入りもつかず、売れそうな気配がありません。

3月23日 最後の価格変更で、2,800円を2,400円にしました。

もうこれ以上の値引きはないな。という線です。
もし仮に、ミニ百葉箱の人気が出て「もっとたくさん作って!」と言われても、あまり作りたくないレベルの価格です。
これで売れなければ、売れないでいいや。の価格まで落としてみることにしました。

さいごに

この記事を書くにあたり、他のハンドメイド作家さんの記事をたくさん読みました。ハンドメイド品の価格設定に悩まれている様子も共感できました。

趣味で楽しむのか、利益を追求するのか。どちらもありだと思います。
私は、趣味の範囲で、これからも楽しんでいきたいと思いました。

#ミニ百葉箱 #メルカリ #ABテスト #マーケティング #価格設定 #ハンドメイド品

追記:
記事はここで終了しましたが、価格設定の模索はまだまだ続いています。

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