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怪我からの努力と復活劇 -鈴木岬希-

2019秋リーグ戦で11打数7安打、打率.636(代打起用のみ)と驚異的な結果を残した鈴木
しかし入部してから、ここまでの道のりは平坦なものでは無かった。怪我に苦しみBチームで長い時間を過ごした彼の努力と復活劇に迫る。

鈴木岬希(すずき みさき)
大阪府北野高校出身。経済学部4回生。右投右打。外野手。ここ一番の場面で見せる勝負強さが自身の強み。チャンスでチームの期待を裏切らない。野球に対するストイックさと部員のモノマネの巧さはチームNo1。

野球部入部の経緯

大阪に住んでいた小学生の頃、兄の野球を応援に行った際に見た上田 遥さん(田中英祐さんの時の主務)への強い憧れ。中学生の頃、スポーツ記事にて、上田さんが関西学生野球連盟ベストナインに選ばれたことを知り、憧れが再燃した。
父の関西への転勤をきっかけに上田さんの母校北野高校へ入学。当時住んでいた九州に留まる選択肢もあったが、上田さんへの憧れから即決。高校では2年秋よりクリーンナップを任される。

その後、上田さんの後を追うべく京大を受験するも学力すら遠く及ばなかった。諦めきれず浪人を決め、とにかく京大に合格することを最優先とした。しかしその中でも野球部で活躍することを夢見て素振りだけは欠かさなかった。努力が実を結び、見事1年間で230点をあげることに成功。ワクワクする気持ちをおさえきれず同期の中で誰よりも早く入部した。

チームにより貢献したい気持ちと自分の実力がどれだけ通用するか試したい思いから、外野手を転向してキャッチャーに挑戦する。しかし浪人明けの体で通用する程、大学野球は甘くは無かった。焦りからの無理が祟り、入部直後から怪我に苦しむ。

高校での同期が既に活躍していたから
「正直1回生からリーグ戦に出れると思っていた」と鈴木は笑う。
怪我もあり悔しい日々を過ごした。
Bチームのオープン戦ですら、結果が伴わなかった。


Bの試合で意識したこと

2019年夏のBオープン戦は、いい経験だったと鈴木は振り返る。
チーム内では下級生だったが積極的にコミュニケーションを取り、高い意識をもって取り組もうと声をかけ続けた。その結果「チームが動く」瞬間を体感したと鈴木は語る。
秋のリーグ戦では、夏の経験からベンチのサポート、声出し、試合に出ている人を鼓舞することが自然とできるようになった。このことで、初めて先輩に褒められた。

転機となったのは2019年秋。
過去の試合は2打席ともゴロに終わっていたが、代打で迎えた関大との1回戦。この日の前夜、新聞で読んだ「グリップの余らせ方」の記事を見つけ、ぶっつけ本番で実行してみた。結果は上手くいった。
続く関大2回戦 6回2アウト満塁、誰しも重圧を感じるであろう場面で、代打として出場機会が巡ってきた。しかし簡単にツーストライクに追い込まれてしまった。セカンドランナー西さん(前々主将)のダメか…とがっくりした顔が見えた。脳裏に2019春 甲子園で近大投手鷲崎の三振のシーンが蘇った。
努力の末勝ち取った代打の機会、「ツーストライクに追い込まれた今、何が何でも打たなきゃ。当てたら何とかなる!」と雑念を払うべく頭を振った。
そうしたプレッシャーの中で、好結果のルーティン。グリップを余らす。キタッ!振り抜いたバットが2点タイムリーを産んだ。ベンチに帰った時、初めてチーム全体、そして監督から代打としての実力を認められた気がした。

その打席以降リーグ戦9打数7安打と見事にハマり、今ではこの時の経験が自信に繋がっている。

今後の目標

個人としては、左バッターが多い中で「連盟の中で1番の右バッター」になりたい。

京大野球部員としては、「全国各地から京大野球部を目指してきて欲しい」
部内ではまだまだ関西出身の選手が多い。東日本からは難しいかもしれないが、中国、四国、九州地方からの入部者が増えるとより面白いチームになるだろう。
全国各地の進学校から集まればよりレベルの高いチームに成長し、目標としているリーグ優勝を実現して欲しい。

最後に

ぜひ京大野球部の試合を見に来てください。野球エリートに食い下がり、決して落胆させない、エキサイティングな試合をお見せすることをお約束します。

筆者:洞本あんづ

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