韓国 医師不足問題その後・・・
韓国で医師不足から、医学生の定員を増やすことにしたのだが、それに反発した現役の医師などが退職届を出して、出勤を拒否する事例が相次いでいた。それに対して、韓国政府は、出勤命令を出し、従わない場合は、医師免許を剥奪し、さらに罪に問うとまで言っていた。
事態は完全に悪い方向に向かっている。結局、韓国政府は5千人に近い医師に医師免許剥奪の事前通知を出している。これで、職場復帰するなら、最初からやっているだろうから、本当に辞める人が多いのだろう。
それに対して、ソウル大学医学部教授協議会は、団体で辞職を提出するなどの対応も検討しているという。いや、本当に滅茶苦茶だ。事態を収束しようとする団体などが存在しない。
韓国政府は、力ずくで言う事を聞かせようとして、聞かない場合は、医師免許剥奪。それに対して、医師側もさらに集団で辞表を提出する用意をするなど、対立がありきで、事態の収束など誰も考えていない。
この状況を見ると、韓国というのは全然変わっていない。李氏朝鮮時代も、王と貴族階級である両班との対立は続いていた。王は、権力はあるが、実際に政治を動かしているのは両班で、王が命じたとしても、両班に不利な命令は有名無実化して、実行されなかった。
王が権力の全てを持っているので、王様の命令は絶対だ。しかし、王の身勝手な命令だとしても、苦労して実行をしているのは両班だという気持ちもあるのだろう。ワンマン社長の下で働く社員みたいなもので、社長がテレビで見たり、講演などで聞いた話に感動して、突然「わが社でも、明日から〇〇します!」なんてことを言い出して、実際に実行するのは社員だ。
それを実行できなかったり、十分な結果が出ない場合は、その社員が責められる。「なんで、成果が出ないんだ!責任者じゃないのかー!ちゃんと、計画は練ったのかー!」ってね。
「いや、お前の計画性もない話に付き合わされたのは、こっちだー!」と言いたいところを我慢して「さーせん」としか言えない。社長だから、この程度で済むけど、相手が王様なら、すぐ「死刑」だろうな。
両班も同じような状況だったのは、想像できるのだが、両班も強烈だ。王から褒美としてもらった土地に、奴婢と呼ばれる奴隷を使って、作物を作る。その作物を売って収入を得る。奴婢は、貴族の私物、所有物で財産だった。だから、何をしてもいいし、殺しても罪には問われない。だって、所有物だから。
奴婢が作った作物は、全て両班の物だった。奴婢が作っている作物が、面積当たりの収穫数が少なくても気にしないだろうし、病気に弱くても気にしないだろう。だって、多くても少なくても奴婢には関係ないから。
朝廷の高職にいる両班は、政治的にライバルだった存在などを政略で罪を着せ、身分を剥奪した時には、罪を着せられた両班の家族は奴婢として売られる。ライバルだった両班に、家族が買われ、一生奴隷として生きるわけだ。地獄だ。
それから、両班は、なんと税金が免除されていた。歴代の王は、その制度を変えようとするのだが、毎回邪魔された。まあ、それはそうだ。今の政治だって、国会議員の給料を減らしたり、定員を削減する法律が通らないのと同じだ。この時代だって、両班が支配する政治で、両班の不利になる法律は通らない。
結局、絶対的な権力を持った王は、実際の力を持った両班にいいように操られているだけだ。そして、両班は民衆から搾取するだけ。今の時代で言えば、王は大統領で、両班は医師であったり財閥企業の社員という所だ。
現代の両班である医師は、今の既得権益を手放すのは許せないし、政府のいう事なんか聞かない。医療を受けれない大衆の事なんかどうでもいい。
この事例だけを見ても、韓国は終わっている。