韓国が開発した「天弓II」がサウジアラビアに向けて輸出される。UAEに続いて中東で2例目となる。別の記事を見てみよう。
「韓国版パトリオット」ということで、最大射程40キロ、高度40キロとなっている。では、本家パトリオットであるPAC3は、どうだろう。航空目標では、80km、弾道ミサイルは、20kmとなっている。改良型のPAC3 MSEは、航空目標100km、弾道ミサイル30kmとなっている。前提として、軍用で使用される装備に関しては、性能は秘中の秘なので、正確な性能は違う可能性が高い。その前提で考えても、天弓IIは、パトリオットを超える性能を持っているということになる。
過去記事を見ると、面白い記事が見つかった。
長いので、まとめてみよう。
・サウジアラビアが「天弓II」の購入意思がある
・サウジアラビアは、パトリオットを7砲台購入している
・パトリオットは砲台1基あたり7000億ウォン(約800億円)を超える
・サウジアラビアは、パトリオットの運用も自由にできない
・パトリオットは、納期が遅い。米国議会の承認が必要だから
・サウジアラビアは性能・納期が優秀な韓国防空体系を好むしかない(笑)(自画自賛)
・UAEも、天弓IIを購入した
・2015年9月のフーシ派反乱軍がロシア製OTR-21トーチカ短距離弾道ミサイル(SRBM)の攻撃の際に、連合軍はパトリオットを配備した。しかし過熱のためにパトリオットレーダーを24時間稼働できず、レーダーの電源を消している間にフーシ派反乱軍のミサイルが飛んできて、被害が出た
・韓国は天弓を24時間稼働可能な防空体系にアップグレードできるとUAEに強調した
2015年の9月のフーシ派の攻撃の際にパトリオットがレーダーを24時間稼働できなかったとなっているのだが、真意は不明だ。別の理由があったのか?その個体の問題だったのか?色々と検索してみたが、パトリオットでそのような問題があったという記事は、ない。
そもそも、パトリオットよりも安価で、性能は劣るとしている天弓IIがパトリオットより性能がいいというのは変だと思わないのだろうか?
高価なパトリオットを購入し必要な場所に台数を揃えることができないよりは、性能が低くても無いよりはマシということで、数を揃えるというのはアリだろう。
UAEがイスラエルとアブラハム合意によって関係が接近し、イスラエルの防空システムを購入するつもりだった。あの「アイアンドーム」だ。ただ、イスラエルが、簡単に輸出するとも思えない。性能も実証されているアイアンドームが欲しいところだが、イスラエルにしても、UAEを手放しで信じることもできないだろう。
サウジアラビアも、イスラエルからアイアンドームを購入なんて絶対にできない。かといって、パトリオットは高い。では、安い韓国製でいいか。という感じなんだろう。
「韓国を信頼できないのか」とかいう問題ではない。韓国製のものに信頼なんてしていないだろう。北朝鮮の弾道ミサイルの発射に対する対抗措置で、弾道ミサイルを発射した韓国軍。そのミサイルは、発射した基地の敷地内のゴルフ場に落下したくらいだ。方向も逆で、ミサイル発射の失敗もすぐに公表しない。いつもの韓国らしい対応だ。
韓国製の武器が好調だと書いているのだが、アメリカ製の兵器を高価で購入できない国や、ロシア製の兵器では性能が心配。代わりがないので、韓国製でいいかという、いつもの隙間商法だ。もっと、問題だと思うのが、アメリカ製の武器の代わりに韓国製を選んでいるということだ。韓国製がなければ、アメリカ製の武器が売れていた可能性が高い。新品でなくても、中古品が売れていた可能性もある。
アメリカの軍需産業がこれを放置するだろうか?もっと怖いのは、こういう情勢が不安定で、流動的な国に武器を輸出するという危険を知っているのだろうか?これらの国と敵対する国や組織から韓国が目をつけられる可能性もある。
テレビや、自動車、スマホを輸出するのとは訳が違う。それも、わからないだろう。