韓国 総選挙後に更に厳しい経済と「コリア・ディスカウント」
[社説]総選挙後に押し寄せる韓国経済の難題、備えているのか
韓国の厳しい経済状況が書かれている。不動産プロジェクトファイナンス(PF)という不動産向けの融資で、テヨン建設がワークアウトという、もう金ありません状態になって、4月11日まで返済が猶予された。総選挙の翌日で、明らかな選挙対策だ。
長引かせて、事態が好転すればいいのだが、そんな気配もない。そうなると、事態は変化しないまま、時間が進む。選挙が終わった後に、すぐに問題が出てくる。
韓国では、高金利によって、貸出金利が上がり、不動産を購入する人が減少した。不動産を購入するために借金した人の返済額も金利の上昇で上がっている。しかし、不動産を購入する人が減ったので、不動産価格の下落が起こり、返済額は増えるのに資産価格は減る。その差額が大きくなる前に売る人も多く、不動産価格の下落に拍車をかける。
金利の上昇で物価も上がり、人件費も上がるのに、不動産価格は下がる。テヨン建設などのデベロッパーは、建設しても売れないし、赤字が出る可能性が高いので、建設を中止したり中断している。しかし、PFでお金を借りているので、返済はしないといけない。でも、なぜか金はない。(なんに使った?!)
テヨン建設だけではないので、救済するのも困難だろう。政府が救済すれば、我も我もと次々と救済してほしい会社が出てくる。そんな金は、今の韓国政府にはない。
高金利で、個人、企業の返済も大変な状況のなかで、4月から7月にかけて、貸付の満期が迫っている。今年の満期到来額204兆ウォン(約23兆円)の40%(82兆ウォン、約9兆2600億円)が4月から7月に来るというから、韓国経済の試練が迫っている。
電気料金などの価格も据え置いている。これも、選挙対策だ。全てにおいて、国民の反発を避けるような政策をしているので、借金が増えるばかりで、裁判も国民の民意にそうようにしかしないので、外部との摩擦を生む。
何も手がないので、困った時は日本とアメリカに助けを求め、支援が入ると、日本とアメリカに牙をむく。どんな国だ。
あとは、「Kなんちゃら」と「韓流」と「K-POP」頼みだ。もう、これも限界だろう。
「韓国証券市場、40%以上ディスカウント…少数株主のために商法改正を」
これは、長いので、部分的に引用します。
韓国の証券市場は、実力よりも過少評価されている。40%以上、ディスカウントされているので、本当は、もっと高くてもいいという主張だ。
株価純資産倍率(PBR)は、株価を1株当たりの純資産で割った数字で、株価が1000円とした場合に、株式を100株発行している会社の純粋な資産が10万円だとすると10万円÷100=1000円(1株当たりの純資産)で、PBRが1となる。つまり、もし会社になにか問題があっても、その会社が保有する資産で、投資した金額は戻ってくるということで、PBRの値が1より大きいと、株価のほうが高いので、戻ってくる資産は少なく、1より少ないと戻ってくる額は大きくなる。
会社が清算するときは、持っている資産、不動産などを売却して、お金に換える。そして、まず先に残っている支払い(債務)や従業員の給料、退職金、税金などを支払った後に、残る資産を株主に配分する。その仕組みを意識してみると、PBRの数字も理解できやすい。
韓国のPBRが、1よりも小さいのは、確かに評価が低いとも言える。では、なぜ評価が低いのか?
株主還元がされないというのは、会社は利益がでれば株の保有数に応じて、利益を還元する。それが、韓国企業の場合は少ないということだ。しかも、韓国だけの慢性的な問題だと。これは、韓国経済の上位を独占する企業グループは、財閥だ。財閥というのは、一族が独占的に支配する構造で、一族が継続して会社を経営する。一族で経営するので、株主に還元しなくても問題がない。
というよりも、利益も一族で取ってしまうので、株主に還元という意識もないだろう。なにせ、一族が支配しているので、会社は一族の所有物みたいなものだ。
株を持っても、株主に利益が還元されないなら、株を保有する意味がなくなる。
また、会社が事業で儲けた利益を再投資して、事業の拡大などを行う比率も低い。株主への利益配当が少なくても、利益を再投資して事業を拡大することで、株価が上がれば株主としては売却益を期待できる。
ところが、再投資もしていないのであれば、株主にはなんのメリットもない。
こうやって、中身を見ていくと韓国証券市場のPBRが低い理由が見えてくる。これを「コリア・ディスカウント」と見るか?正常な評価だと見るか?
今の状況では、政府債務、家計債務、企業債務もGDPを超えて増え続けていて、不動産のPFも焦げ付いている。稼ぎ頭の半導体も、日米台の連合に負ける日も近づいている。自動車だけは売れているが、補助金頼みだ。中国との貿易も、赤字になっているので、中国との貿易でも儲けることができなくなった。韓国電力の赤字も増え続けている。
これらの状況を見ても、韓国の経済が良くなる材料は全くない。「コリア・ディスカウント」しても、韓国株は売れないだろう。