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1-23の日報


10時間の睡眠を経た私は一度起き上がりツイッターに10時間寝たことを自慢してからもう一度寝た。30分ほどで目が覚めてしまい、仕事用のパソコンを確認した後、着替えながら今日をどう過ごすかについて考えた。

朝ごはんはお茶碗一杯分のご飯にカレーをかけたものと養命酒。

ネットフリックスのオリジナルアニメ・トゥカ&バーディにカップルでアダルトビデオを観ていて、作品の最後に「最後まで見通した初めての人!」とキャプションが差し込まれるというシーンがあった。確かに最後まで観ることはない。何事にも始まりと終わりがあるのにアダルトビデオはオーガズムの頂点と射精にフォーカスされているせいで、物語としての終わりは視聴者からぞんざいな扱いを受けている。かくいう私も最後まで見通した作品なんて思い浮かばない。


カポエイラは緊急事態宣言の余波で休止となっているのでジムへ行き、身体のあちこちを伸ばしたり縮めたりした。

昼ごはんは鴨肉の燻製・揚げ豆腐・青汁。

アダルトビデオにおける劇中劇となっている性行為について考える。いくら私達がセックスのピークタイムを過ぎた後のことをぞんざいに扱っていても、たとえ性行為後にかわされるやり取りや労りが視聴者の記憶に残らずとも、それ自体を含む展開をカットすることは出来ないのだ。

ジムで身体を動かした後、スニーカーを買おうと何軒か靴屋を回った。ゴテゴテとゴムと樹脂が盛られた靴が欲しかったのだけど、目の当たりにして尻込みしてしまった。ナイキのエアマックスがほしい。ついでに寄った靴下屋でセール中であることをアピールするSALEと印刷された靴下が欲しくなる。

日本で最初に流通したとされるアダルトビデオの発売から39年が経った。
私達はそれを通して即物的にセックスを楽しんでいるのに、映像作品として即物的にセックスを取り扱うことを許さないのは何故だろう。少なくとも私は射精と同時にアダルトビデオが終わるなんてのは見たことがない。記憶にあるアダルトビデオは何らかの言葉をささやきかけたり、設定に即した言葉をなげかけたりすることでウヤムヤにされて終わる。シャワーシーンを挟むものもある。どう終わらせて良いのかがわからないまま39年もたっているのだ。映画ならばエンドロールという共通のフォーマットに則ることで終わりを共有することが出来る。

歩き疲れてサーティーワンアイスクリームへ寄った。ベリーベリーストロベリータルトをシェイクにしてもらう。ベリーベリーストロベリーと聞き間違えられてしまい、大きめの声でベリーベリーストロベリータルトと復唱しなければいけないのが恥ずかしかった。ベリーが2回続くところに恥ずかしさのピークが来る。隣に座っていた男の子はワッフルコーンを同時に食べ進めることを良しとせず、ひたすらアイスを追いかけていてかわいかった。同伴していた母親らしき人が「ねえ、コーンも食べられるのよ?」と口にしていた。食べ終わらない子供に時間を持て余したのかホットコーヒーを頼んでいた。サーティワンってコーヒー出すんだ……

アウトロとしてキャストロールが流れてる作品も記憶にあるがそれはポルノ映画寄りのもので、アダルトビデオではなかった気がする。たしか白地に裸の女性や服を着た男がフェードイン・フェードアウトを繰り返していた。私が思うに、二人(あるいは複数人で)がベッドで寝転がって一息ついた瞬間に画面が切り替わってもいいと思う。出演者たちが笑顔でこちらを向いて手を振りながら「いかがでしたか?ではまたいつか別の作品でお会いしましょう」とか言ってほしい。きっと前向きな気持ちになれる。思うにアダルトビデオの製作者は余韻に時間を割きすぎているのだ。パンと手を叩いて空気を変える、そんな感じで切り替えても問題などないはず。

母親がコーヒーを飲みだしたタイミングで、アイスを食べ終えた子供が(見ないうちにコーンまで食べ終えていた)手持ち無沙汰になったのかカバンからSwitchを取り出してなにかのゲームを起動させたが即座に「もうすぐ出るからゲームしまって、家でやりなさい」と注意されていた。大人のもうすぐと子供のもうすぐって認識に隔たりがある。子供はSwitchの入っていたケースにしまわれていた折りたたまれたコピー紙を眺めていた。何が書いているか見たかったな……


スニーカーを買う気力も失せたので、図書館へ行き、ネット予約をしていた本を借りる。逆算すると8ヶ月くらい待っていた。なんなら予約していたことも忘れていた。利用カードの更新をかけ、利用期限を10年伸ばしてもらった。10年はすごいよな……

駅から出て真っすぐ歩いた先にあるカラオケ屋へ行く。エアコンのリモコンが本体から直につながっている年代モノで、絶対に開けるなと書かれた窓がある部屋に通された。チェーン店ではない店だけに漂う経営者の気配がそこかしこにあった。フードメニューにソーセージの盛り合わせがあり、少しだけ店主のことを好きになる。

カラオケに対する苦手意識が大分下がってきたのを実感する。出しやすい音域がわかり、喉から100の力で音を出す投げやりな歌い方から開放された。しかしいまだにDAMとかなんとかかんとか言う機種の違いがわからない。何が違うんだ。

太陽とシスコムーンのガタメキラを入れたら、その字面に似合わないポップなフォントで表示されていて一人で笑った。歌に合わせて流れる映像には北村一輝といっこく堂をモーフィングさせたような男が出ていて倍テンションが上がった。

カラオケ映像は良い。あそこにしかないリアルがある。固定電話に残された留守電を聞こうか聴くまいかで迷う女性を堪能した。気持ちはわかる、固定電話の使い方を思い出すのは時間がかかる。

テレビドラマ「女王の教室」で、ドラマの陰惨なイメージを引きずらないようエンディングでは皆で踊る仕掛けがなされているように、同じように踊っても良い。安いEZ DO DANCEみたいな曲に載せて軽快に踊る人が写っていたらどうだろう。出来るならTOM JONESのTHIS IS MY HAPPINESSとかにしてほしい。アダルトビデオの終わりに演者が楽しそうにこの曲に合わせて踊っていたら泣いてしまうかもしれない。


夜ごはんはオムライス、サラダ、唐揚げ。

愛の不時着を観る。ジョンヒョクかっこいい……。もう思考力が残されていない。何もかけない。明日は友と遊ぶ。

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