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八と三 〜出囃子〜 feat.桃月庵白酒(袖,命名)

先日アルバムをリリースしまして、その何曲かをさらりと(嘘です、ダラダラと)紹介していこうかな、と思っております。
記録ですので余程暇な方、唯一許された娯楽がこのバオバブのnoteのみを読むこと、みたいな方のみ(重罪人じゃん)、お楽しみください。

まずは、先行配信1曲目であり、アルバムの1曲目であるこちらから。
お聞き頂いてない方は、こちらから⇩

まず、アルバムめいたものを作ろうかな、と漠然とした構想を考えていた時に、
色々トラックはあったのですが、こんな曲作ろうとか、こういう風に作ろうとか、
完全に手グセで作ろうとしてたんですよね。

22年夏の手前ぐらいですかね、いつものように、IKEと昼飯食ってHARD OFF巡りをしながらそんな会話を何気なくしていたところ、
「パイセン、手グセでいい感じの曲作りすぎるから。それいつでも出来っから、先に真逆の感じの作りなよ!」
と言われて、あーーー確かにーーと。IKEがさりげなく俺のA&Rに就任した瞬間です。

大概どっかで何か食ってからHARDOFF巡り(これは22秋)

コンセプトアルバムにしようかなという感覚が漠然とあり、ちょうど、生活が変わった時だったんで、何かしないとほんとにシナシナした人生になる、と思っていて、これはもう今普段大好きで観ているアニメでよくある異世界に飛ばされた感じだ、なんて笑ってたんですが、それだ、と閃きました。
マルチバースとかパラレルワールド的なテーマになるな、と思って、もし自分にその才と縁があったらやりたかったことの一つ、落語家になった話にしようかなと思い立ちました。ベシャリ一本で勝負、というのがラッパーとも近接していますので(以前、ワンマイクで客沸かしビジネス、という歌詞を書いてまして、その時は漫才師にもなりたかった事を下敷きに引いてます、なので今回は落語家)。
ストーリーもそこでなんとなく思いつきました。
(ジャケも正味そのニュアンスで行けるやん?と決まったところです)

まず、出囃子っぽい曲を作って、だんだん無骨なブレイクビーツになってったら、オモロいやん?と思って仕上げることに。
出囃子っぽい雰囲気は見様見真似(聞様聞真似)で。だんだんギターになってくっていう感じにしました。
後に桃月庵白酒師匠に聞かせたところ、笛はほんとにそれっぽい、他は違うけど。とまっすぐ言ってくれました◎ 幸◎
(注:この曲ができてから白酒師匠にお願いしたのと、何よりこの曲は自分の出囃子なので、出囃子が"江戸"ではないのです)
うっすら、以前おぎやはぎさんが末廣亭出る時、出囃子がミッションインポッシブルで、そのチグハグな感じもイメージに寄与しています。

歌詞はなかなか自由に書いておりますね。
ラ・マヒストラル転げまくり、ならローリングクレイドルじゃない?
って思われる方もいるかもしれませんが、ちょっと入りが違うじゃないですか。
あれ、いちいちラ・マヒストラルをかけるやつ、
として想像してみてください。ヤでしょ。
スモールパッケージホールドで3カウント待てよ、っていう。
終わらせないんですから。そういうやつだよってことです。
あと、まるぴ、大好き。昔まるぴ写真必ず舌出してたんですよ。そのオマージュです。

10代の頃はよく池袋にいたのでIWGPは2重の意味で使っております。カラーギャング、いたしね、、、、、10代で得た経験、過去の記憶は常に永遠ー。

少し、普段の自分より攻撃的(特にバース2/2番)なのは、ちょうどその頃に
ちょっとイラつく人によく会ってたので、特に看板をチラつかせるやつとか。
そういうの、ヨソで効いても俺にはなんでもねぇよ?っていう人に会ってたので。俺そこらへんの野良の人間だし、ルール違ぇし、お前の金に興味ないし、しがみついてないし、すごいとも思わないし、お前らの血筋とかしらねぇし、っていう。あんまりいうと分かっちゃうか笑 大人げないですね、ワタクシ。
おかげで「無垢でいよう」という目標が持てたので感謝ですね。
社会的にはアッチのが正解だとは思います(消されちゃう消されちゃう)。

でもフック(サビね)に出てる通り、とても諦めが惡いというか、なんというかなんですよワタクシ。負けた相手の前にもう一度立てたら負けじゃない、っていう思想を植え付けられてまして、一度逃げてもいいけどもう一回やれ、相手が謝るか○ぬまで○りにいけ、っていうアサシン養成施設かよっていう概念で育てられてしまったばかりに。。

出囃子って始まりというか登場の曲じゃないですか。何度も登場することでやっと浸透するものじゃないですか、寄席の世界では。
じゃあご存知になるまで繰り返すか、出囃子を。っていう意思表示の曲ですね。
本当に意志があれば、何度でもやり続ければいい、という応援歌ですよ(剛腕まとめ)。

すっごい蛇足なんですけど、昔、地元に、御ぞんじ亭っていう鰻屋さんがあったんですよ、IMAっていう商業施設のなかに。光が丘西武の方かな、当時。そこのおばさん、角刈りっぽいおばさんに、すごく良くしてもらってて、ご存知って響きがすごい好きだったんですよね。恩返し(?)の意味も込めて。
蛇足の蛇足ですけど、地元以外の人に、知ってる?って意味で、御ぞんじ亭?って聞く時があるんですけど、軒並みキョトンとされますね。あと地元のIKEですらキョトンとしてますね、ジェネギャかな? この間同級生にもやってみたんすよ。キョトンとしてましたね。(知ってる知らないとかじゃなくシンプル面白くないやつ、みたいな空気かもしれない)。

そういう意味で(!)、ご存知、というフレーズのフックになりました。

師匠


アルバムコンセプトに落語家が関わってくる以上、呼びたいじゃないですか、落語家さんを。いろんな方々考えたんですよ。同世代っぽいほうがいいかな、とか、ちょっと縁のある人のがいいかな、とか、ストリートとかカルチャーに明るい人のがいいかなとか。で、ずっと考えてて、これはどうやったって失礼になるぞ、ってことがわかったので笑、断られる前提で、まっすぐに大好きな人、弟子入りするなら、って言う意気込みで行かないとこれは何しても失礼だわ、と思いまして、師匠にお願いしよう、となりました。(辞める、の選択肢ないのやばいすよね)

問題は頼み方ですよ。SNSのDMで、「ラップやってんすけど、ちょっと参加してくんないっすか」は、無理じゃないすか。未読でしょう。そんなやつ。承認せず、でしょう。あと俺、ラップやってる、ってなんか実績あるか?って言う、ねぇ?
「YouTubeとかサブスク見てもらったらわかるんで」とか、ねぇ?笑
大しくじりですよ。そんなん。
なので、寄席に行って、声かけようと。帰り際出てきたところ、声かけよう、と。
で、何回か行ったんですよ。出待ちして。めちゃくちゃ緊張しながら、チラチラ見たりして。で、何回か不発だったんすよ。で、ふと気づいちゃうんですよ。
「これ、心持ち、弟子入りと変わんねー!」って。そっから一層緊張しちゃって。
あと師匠、忙しすぎて出番終わり飛び出してたりするので、寄席全部見てると挨拶も出来なかったりしてね。不発が続きます。そうこうしてるうちに1年くらい経ってます。



コイツァ無理だなどうしようか、と思って普通のお仕事依頼ってどうやってんだろうか?となったら、普通にメイルフォームがあって、そこからもいけるんだーってことで、「ワタクシ、ラップやってまして、サブスク見て貰えば分かるんですけど、曲も出してまして、とても尊敬している師匠の声を入れたいです」って言うメイルをね、出したんですよ。送信ボタン押した瞬間に思いましたけど、イッチバンやっちゃいけねぇDMで送ってんのと変わらないやり口なのよ。こりゃ返事ないぞ。


って思ってたら、数日後、ポンって夜中に返ってくるんですよ!!!えぇ?!返ってきたのよ!!すごくないですか?!懐の深さ、マリアナ海溝!!

スタジオすぎる



で、白酒師匠がですね、お忙しい方ですので(当たり前だけど)、出番と出番の間で、録ってくれる、とのことで、その出番に一番近いところでスタジオ取って、来て頂きまして、録りました。バンドのリハスタですよ、なんとか音が取れるとこ、と思って。時間もないし、お手を煩わしちゃいけねぇ、その後に待ってるお客様のこと考えたら、とにかくしくじっちゃならねぇ、と思いまして、
マスタリングをしていただきましたSUIさんからレコーダー借りて、自分のマイク持ってって、PC持ってって、iPhoneでも録って、動画も回して、なんつってとにかく録り漏らさないように用意して、めちゃめちゃ用意して録りました。

で、そのスタジオが初めましてなんですよ。緊張しますよね、関係値ゼロ。
で来ていただいて、初めまして、ワタクシこういうもので、こんな感じで生きてまして、大変尊敬しておりまして、夏になると師匠の青菜をSpotifyで流したりなんかするんすよ〜(極薄エピソード)など、とにかく惡者ではないですよ、というアピールをしておわかりいただきました。そして、コレコレこんな感じのことを言ってもらいたくて〜、って説明します。で、師匠がすーーごい悩みながら色々考えてくれるわけですよ。「こういう師匠っぽいほうがいいかな」「こういう言い回ししないんだけど、こう言ってもいいかな」「こんな感じどうだろう」と大変協力してくださいまして、しかも蛍光灯の音うるさいから、真っ暗の中やってくれたりして本当にありがたかったです。

めっちゃ悩んでくれてる


白酒師匠の一門は、節目に名前を変えるのもコンセプトに大変合致してました。なのでそういう芝居をしていただき、M-17の『命名』になります(本当はこれが1曲目ですね流れ的に)。

で、レコーディングも終わり、片付けがてら、色々白酒師匠にお話を伺うことができました。落語、漫才、コントのリズムの違いや、タイム感の違い、ビートが介在するラップにも共通する時間の概念と、タイミング、間合いの違いなど、持論を投げかけて答えてもらう形で、色々と答え合わせができた気がしました。
そんなことにアタマ取られてたんで、色々と粗相を働いたりなんかしまして、たった1日で私の粗忽がバレました笑

←余韻のある写真の撮り方

その際に録った、掛け声を、このM-1の最後に入れております。feat.というより
プロデューサータグに近いですが。
その掛け声を袖からしている、という設定なのが、M-11『袖』です。

師匠から、自分の声が音に調合されてる様が何ともいえません、なんてお言葉もらったりしまして。

制作と同時に、夢も叶えちゃう、という公私混同スタイル、ヒップホップにはドリームがありますね。
なかなかオープニングに相応しい曲になったんじゃないか、と個人的にはだいぶ満足しております。

やって良かったぁ!

さりげなく末廣亭の前で撮っている別曲のMVもよかったら是非。↓

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