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ミドルクラス帯イヤホン最強候補!「Letshuoer Cadenza 4」レビュー

◯概要

今回扱うモデルは群雄割拠の中国メーカーの中でも高い評価を誇るLetshuoerのハイブリッドモデルCadenza 4です。
Letshuoerといえば最近では平面駆動タイプのドライバを採用したSシリーズが有名で、A50KクラスのS15からA10kクラスのS08まで幅広い価格帯で商品を展開し人気を博しています。
自身もS12を所持しており、時折使用していますが、その価格帯から想像できないような音を創出するコストパフォーマンスの高い素晴らしいモデルです。(こちらも後日レビュー予定です)

そんなLetshuoerが2024年4月に発売したCadenza 4はメインストリームであるSシリーズの平面駆動ドライバを採用せず、1DD+3BAというライバルの多い構成で、中華イヤホン界に直球で殴り込むような挑戦的なモデルとなっています。
しかし、ただのハイブリッドモデルで終わらないのがLetshuoer。
ドライバには10mmのベリリウムコーティング振動板を採用したダイナミックドライバー、更にBAにはSonion社製を1基、Knowles社製を2基採用するという非常に品質の高いドライバ群を組み合わせています。
中域より上をBAが担当するため、DDは主に低域用と推察されます。
ハイブリッドモデルはそれぞれのドライバのクセをどうまとめるかが肝ですが、そのサウンドの是非は後の項で語っていきましょう。

◯外観

外箱

外箱はシェルのデザインを彷彿とさせるような柄になっています。

内箱

パッケージを取り外すと内箱が現れます。中央に小さくロゴが載っているシンプルなデザインです。

取り扱い説明書などが封筒に入っている

蓋を開けるとおしゃれな手紙風の包みが入っています。イヤホン本体以外にも力が入っています。

ケーブルが入ったケースと変換プラグ

更に箱の下段を引っ張るとケーブルの入ったケースが現れます。

ケース内部。イヤーピースとケーブルが入っている

ケース内部にはサイズ違いの2種類のイヤーピースとケーブルが入っています。イヤーピースは2種類それぞれ違う音質のものが入っており付属品も豪華です。

イヤホン本体

そしてイヤホン本体。高級感漂うアルミニウムを用いたフェイスプレートと白のシェルが印象的です。
サイズは比較的小さめで耳にしっかり収まるサイズでした。形状的にもなかなか抜け落ちづらく位置ズレを気にすることなくリスニングに集中できます。

シェル内側の形状。かなり起伏がある

◯音質

まずCadenza 4聴いた第一印象は「非常にバランスの取れた音を非常に高い品質の音で鳴らしている」でした。中華イヤホンにありがちな低域や高域に偏ったサウンドではなく、低域から高域まで満遍なくフラットな印象に近い音で鳴らしてくれます。Truthear NOVAなどでも感じたモニターライクなハイブリッドサウンドをより高い水準で実現していると感じました。
また、若干かまぼこ型のような音の鳴り方をしており、ボーカルの存在感もなかなかのものがあります。

・低域

非常に立ち上がりが早くキレのある、それでいて存在感のある音。
キックは手触りまで感じられそうな情報量を持ちながらも無駄のないタイトなサウンドを、ベースは音階のひとつひとつまで拾うような繊細さ、それでいて存在感を見失わない厚みを兼ね備えており楽曲全体にしっかり華を添えています。

・中域

中域は幾重にも音が重なり「音が団子に」なりやすいレンジですが、それら各パートをひとつひとつ分解して取り出せそうなほど精緻に、そしてクリアに鳴らしてくれています。他の帯域よりも前に出てくる感じがあり、ボーカルの表現力はとても高いと言っても良いでしょう。若干のBAらしさも感じる音ではありますが、この音の見通しの良さには舌を巻くばかりです。

・高域

楽器の倍音や金物の余韻、前述の2つのレンジに更に魅力を付加する音、そういったものを余すことなく掴んで表現してくれます。それでいてキンキンしたりシャリついたりすることなく、非常にナチュラルな聞き疲れすることのない耳にすんなりと入ってくる音に仕上がっています。

上述の通り、非常に高品質なサウンドを提供してくれるとてもハイバランスな機種だと感じました。またハイブリッドであることを忘れてしまいそうなほど各ドライバのクロスオーバーの調整が上手く、何も知らずに一聴しただけではハイブリッドとは思えないサウンドに仕上がっています。

◯総評

NICEHCK Snowwingsと

とにかくナチュラル、それでいて精細。Cadenza 4はこの言葉に尽きます。
クセが少なくどんなジャンルでもこなせるオールマイティなモデルを求める方には非常にオススメです。
価格は現在Letshuoer公式通販では37,800円となっていますが、AliExpressなどのセールを狙えば2万円代前半で買うことも可能で非常にコストパフォーマンスの高い機種となります。(筆者は23,000円ほどで購入しました)
A10kくらいからステップアップする際の候補として一番に上げても良いくらいの機種だと思います。確実に「一段上の音」を体感できます。
欠点があるとすれば、あまりに優等生的なサウンドすぎて、長時間聴いていると物足りなく感じてきてしまうことくらいでしょうか。とても贅沢な悩みですが、それくらい「整った」音を提供してくれます。
もちろん試聴して買うのが一番ですが、評判買いをしても後悔しないと思えるほどの体験がCadenza 4では得られます。
今ではすっかり私のメイン機になりました。それくらい素晴らしいモデルです。

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