低価格帯とは思えない出音のバランス!DDとBAのハイブリッド構成が光る「CCZ BC04」
はじめに
もはや群雄割拠の三国志状態と言っても過言ではない中華イヤホン界ですが、近年台頭してきたメーカーとしてCCZがあります。自分が探した限りでは公式サイトらしきものも見当たらないメーカーですが(3年ほど活動していないTwitterアカウントは発見しましたが、公式のものかは不明)、各製品の評価は高く国内での知名度も右肩上がりのメーカーです。
代表作としてCoffee Beanと呼ばれる1DDのモデルがあり、文字通りコーヒー豆のような茶色でツルツルのルックスとお値段以上のサウンドで人気の機種になっています。
そんなCCZが新たに送り出すモデルがBC04。兄弟機としてBC02という機種が存在しており、CNTD(Carbon NanoTube Diagram)ダイナミックドライバが採用されているのが特徴です。すべての帯域を高品質で再生できると謳われており評判も上々のようです。
BC04においてもCNTDダイナミックドライバが採用されていますが、公式の文言を読む限りは専用にチューニングをしたものを採用しているようです。また、BC04はDDだけでなくBAも1基採用しており1DD1BAのハイブリッド構成となっています。BAドライバへの詳細な言及はありませんが、高域用のものとなっているようで、低~中域のDD、高域のBAという構成になっています。
なおお値段はAmazonで2700円ほどでした。ちょうどセール期間中で定価より少し安く買うことができました。アリエクなどでも同じ値段で売っているので、CCZ機は普通にAmazonで買うのが良いかと思います。
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外観
イヤホン本体の写真と簡易的な説明が載った外箱。
メーカーは違いますがやはりKZなどと造りが似ていますね。
こちらも相変わらず上部にイヤホン本体、下部に付属品収納スペースとなっています。
BC04のトップ側はアルミニウム系素材でプレートが作られており、価格帯に見合わぬ高級感があります。
カラーリングは画像のパープルに加えてブラックとシルバーがあります。
内側のシェルは透明樹脂で成型されており、内部構造が確認しやすくなっています。また縁にある耳当てがフィット感の向上に貢献してくれています。
音質
試聴環境は下記の通りになります。
また、DACとイヤホンの接続にはKBEAR KBX4913のバランス接続を用いています。
低域
では肝心の音質を見ていきましょう。
低域はキックは少しぼわつきがあるものの、ベースラインの表現は唸るウーファーとでも言うべきか、とても前に出て来るような鳴り方をしています。
それでいて全体の音を曇らせない絶妙なバランスになっています。
文字通り低域が音楽のベース(土台)を作り上げているのがサウンドから掴み取れます。
中域
少しのさじ加減で如何様にも転ぶ可能性があるのが中域で、個人的に最も重要なレンジだと考えていますが、曇りのないボーカルが透き通るように響き渡ります。やや、強いベースに少し隠れてしまっている部分もありますが、音質そのものはかなりクリアと言っていいと思います。
高域
専用BAの面目躍如か、邪魔をしない程度に鳴らしつつ、音の刺さりなども起きません。ハイハットなどの金物も適度にならしつつも聴き疲れしない範囲に収めており、とても聴きやすい音になっています。
音場は適度に距離感がありつつ、やや広いという感じ。ステレオ感は十分に感じることができます。
総評
全体の傾向としてはやはり中華イヤホンにありがちなドンシャリ系の分類にはなるのですが、各レンジの音が非常に綺麗にまとまっています。サビなど音が大量に重なる場面でも歪みなどを起こさず丁寧に楽曲を鳴らすため、ついリスニングに没頭してしまう魅力があります。
確かに解像度などに目を凝らすと価格相応に見えて来る箇所もありますが、より上位帯のイヤホンに負けず劣らずのとてもスッキリとした音を鳴らしてくれ、完ぺきとは言わずとも楽曲の細かなニュアンスを拾い上げてくれます。また、やや強調された低域は音楽をより盛り上げるエッセンスとして非常に高度に機能してると言えます。聴き疲れせず、それでいて聴いていて楽しいという要素も兼ね備えた優等生ともいえるモデルだと感じました。
中華イヤホンのエントリーモデルの入門としてオススメしても良いほどだと思います。CCZがこれから出すモデルがどんなものになるのか非常に楽しみになる機種でした。