
アンダー10万円最強候補!?最高の表現力と楽しさを併せ持つ『DUNU SA6 MK2』
かつて他社のOEMやODMを請け負うメーカーとして名を馳せ、その後DUNUという独自の自社ブランドを携えてイヤホン業界へと参入したメーカー。
主に高級ラインを主力としており、どの機種も評価が高く一目置かれた存在となっている――

そのDUNUが送り出す一機が『SA6 MK2』です。
MK2の名が示す通り、DUNUは過去にSA6とSA6 ULTRAの二機を輩出しており、SA6 MK2はそれらのフィードバックを元に改良を施したモデルとなります。
ドライバには評価の高いSonionとKnowles製BAドライバを組み合わせ片側6基のBAを採用したフルBAモデル。
更にそれらを効率よく運用するための周波数分割コントローラーを搭載しており、各帯域のサウンドをよりスムーズかつ明瞭に鳴らすことを可能としています。
またSA6 MK2にはチューニング用のスイッチが搭載されており、これをオンにすることで低域をブーストし非常に強力で印象のあるサウンドへと変化させることが可能となっているのも大きな注目ポイントとなっています。
メーカー側の定義では、オフの状態は「正確でバランスの取れたレスポンス」、オンの状態は「低音域にパンチを加えることができる」とされています。

シェルは職人の手作業で作られており、非常に耳にフィットしやすい形状となっています。またフェイスプレートには木製のパネルが採用されており、2つとして同じものはないデザインになるように作られています。
またシェルを形成する樹脂には金粉を混ぜた素材を使用しており、全体にエレガントな印象を与えています。

また、付属品にも抜かりはなく、
合皮製の煌びやかなケースに加えて、同梱されているケーブルは単品で25,000円ほどするHulk Pro Miniが付属されています。
Hulk Pro Miniは高純度の単結晶銅線を使用したケーブルで、非常に広い音場を持つ独特のサウンドや、独自のQ-Lockシステムによりプラグを換装できることが特徴となっている非常に汎用性の高いケーブルです。


ここまで外観や概要を見てきましたが、ここからは肝心のサウンドの話をしましょう。
○サウンド
・低域
このイヤホンの本懐と言っても過言ではないレンジです。
一聴した瞬間からわかる圧倒的な表現力とパンチに舌を巻きました。
普通のイヤホンであれば「鳴っているのがわかる」程度の表現力ですが、SA6 MK2の低域は非常に明確な音像を持っており、それがダイレクトに耳に伝わってきます。これまで聴いてきたどのイヤホンも持ち合わせていない圧倒的な表現力を備えていることをこのSA6 MK2は思い知らせてくれました。
手を伸ばしたら掴めるのではないかと錯覚するほどの「質量のある音像」が確かにそこに在るのです。
それでいてボワつきのようなものも感じられず、聴いていて非常に楽しい音に仕上げられているのです。ビーターの振動からなるキックのサウンドが音の塊となって耳に流れ込んでくる体験は他の機種ではできない稀有な体験と言わざるを得ないです。数十のイヤホンを実際に買って聴いてきましたが、このようなサウンドをするイヤホンにはついぞ出会うことはできませんでした。それほど低域の表現力は素晴らしいです。
・中域
低域に引き続き、中域もまた素晴らしい表現力を誇っています。
非常に存在感のある低域がありながらもそれに埋もれることなく、繊細で華麗なサウンドを醸しています。ピアノの音色は伸びやかに、ボーカルは芯がありながらもシルキーなサウンドに仕上がっています。
・高域
高域もシンバルやハイハットの金物などのニュアンスをしっかり捉え表現しきっています。音のビビりや潰れなどもなくこのレンジもまた非常に丁寧に音の一粒一粒を捉えて表現しています。
超高域は若干物足りなさを感じますが、そういった方向けにSA6の派生モデルSA6 ESTが存在しており、SA6 MK2の構成に加えて超高域用ESTドライバが組み込まれたモデルが存在しているので、気になる方はそちらを検討するのも良いかと思います。
○総評
付属品、シェルの造り、サウンド、どれを取っても欠点という欠点が見つからない完璧なオーディオ体験を得られる素晴らしいイヤホンだと思います。
また、サウンドに関してはフルBAでありながら各レンジのサウンドがぶつかり合うことなくひとつの流麗なサウンドに仕立て上げられていて、至高の音楽体験が可能です。それほどまでにSA6 MK2は素晴らしいです。
それでいて価格は国内価格で9万円ほどと少し頑張れば買えるくらいのレンジに収まっているのが驚きです。
イヤホンで迷いたくないという方、もうワンステップ上のイヤホンをお探しの方など全ての人に胸を張ってオススメできるイヤホン、それがSA6 MK2です。
