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KZ製フルBAの最上位モデル!「AS24 Pro」レビュー 【PR】


はじめに

去る8月、KZ社から新作のイヤホン「AS24 Pro」が発売されました。
KZ社といえばハイブリッド構成のZ系なども有名ですが、AS系列はKZ社のラインナップの中でもドライバ全てをバランスドアーマチュアドライバで構成したフルBA機のシリーズの総称です。
下位のラインナップにAS16 ProやAS10 Proといった機種が存在しており、機種名の数字は左右両方のユニットの総数を表しています。(AS24 Proであれば片側12BA)
AS24 ProはそのAS系列の中でも最上位モデルに位置し、更にKZ社全体のラインナップの中でも最高級クラスの機種になります。
今回はAS24 Pro単体のレビューに加えて下位モデルであるAS16 Proとの比較なども行っていきます。

今回もKZ様( https://x.com/kzhifi )からご提供をいただき、レビューをさせていただける運びとなりました。
なおレビューの内容に関しましてはKZ様は関知せず自由なレビューを保証していただいております。


概要

AS24 Proは昨年発売されたAS24のマイナーチェンジモデルといった位置づけのモデルで搭載されているBAユニットはProと無印で違いはありません。
ただし、内部音響伝達ダクトのサイズを最適化するなど細かい点で音質に関わるチューニングが変更されているようです。
また、ノズル部の長さなどにも手が加えられているようです。

KZ社公式サイトより

BAの構成としては

4x 31736 high-frequency / ultra-high-frequency BA array
2x 29689 mid-frequency BA
1x 22955 low-frequency BA
1x 30019 high-frequency BA

https://kz-audio.com/kz-as24-pro.html

となっており、高域・超高域に2×4基のドライバが割かれておりAS系列で弱点となっていた高域を強化しています。

また、AS24 Proには2種類のモデルがあり、今回ご提供いただいたモデルはディップスイッチによる音質チューニングが可能な「Tuning Version」になります。
チューニング用のスイッチが存在しない「Standard Version」もあります。

2種類の仕様がある

外観

それでは外観を見ていきましょう。

外箱

外箱はKZ社の高級ラインお馴染みの黒箱になっています。

カバーを外した状態

外側のケースを外すと本体がお目見え。以前は黒箱モデルはネームプレートのようなものが封入されていましたが、昨年から白箱モデルと同じ構造へと変更になっています。

付属品一覧

付属品はイヤホンに直接装着されているウレタンフォームのイヤーピース1ペアに加えて一般的なシリコン製のイヤーピース(S・M・L)、チューニング変更用のピン、KZ製品ではお馴染みの透明のケーブルが付属します。

最高級ラインのモデルなので付属品はもう少し充実していたら嬉しいかなというのが個人的な感想です。(せめてウレタンイヤーピースだけでも全サイズ同梱するなどして欲しかったかなと…)

またこちらもチューニング可能モデルではお馴染みのチューニング説明書が付属しています。

チューニング説明書

AS24 Proのチューニングスイッチは全てがゲイン上昇に割り当てられているわけではなく、1・2番スイッチが低域増幅、3・4番スイッチが超高域を減衰させるスイッチになっています。
AS系統は中域あたりの音の厚さがウリなので、そこを強調するように作られているようです。
今回のレビューでは全てのスイッチをオンにした状態でレビューを行います。

また、チューニングスイッチは無印AS24からProに進化するにあたって大きく変化した部分でもあり、無印では8つあったチューニングスイッチがProでは4つに変更されています。
スイッチが増えればコストも上がりますし、ユーザーとしても複雑に感じられる部分なのでよりシンプルな方向へと方向転換したようです。

無印AS24のチューニングスイッチ
AS24 Proのチューニングスイッチ

次はイヤホン本体を見ていきましょう。

イヤホン本体

AS16 Proなどでも見られたレジンで成形されたダイヤモンド風のカバーが特徴的です。
シェルの隅には無印AS24にはなかった機種名の表記も追加されています。
このレジンカバーはKZ製品の中でも唯一無二の存在感があり、独特の美しさを放っています。


音質

それでは肝心の音質について掘り下げていきましょう。

低域

低~中域に定評のあるシリーズだけあり、キックは比較的存在感を放ちつつもアタック感はそこまで強くなく、やや丸い音と言った印象です。
ベースラインも他の帯域を邪魔しない程度に鳴らしつつ、しっとりと鳴る印象です。耳にウーハーを押し込んだかのような強烈な音の鳴り方はしておらず全体の音のバランスを崩さない程度の鳴り方になっています。

中域

下位モデルであるAS16 Proなどでは中域が若干籠ったような鳴り方をしていましたが、AS24 Proではこれを見事に克服しています。AS16 Proと比較してとてもクリアなサウンドに仕上がっており、なおかつ厚みのある丁寧な音に仕上げています。
AS16系などで少し物足りないといった印象を受けた方は特にこの中域のサウンドには驚くことでしょう。

高域

高域はトレブルをブーストしたような過剰にシャリシャリしたような音ではなく全体のサウンドにしっかりと華を添えるような落ち着いたサウンドに仕上がっています。若干の擦れを感じることもありますが、通常のリスニングにおいて気になる程のものではありませんでした。

チューニングについて

KZ社公式の周波数特性のデータからも推察できるように、スイッチの切り替えによってかなり大きく特性が推移するので好みや楽曲に応じてチューニングする楽しみがあります。
お気に入りの楽曲などを新しい角度から感じたい、楽曲に応じてEQを調整するといったタイプの方はTuning Versionをオススメします。

スイッチによる特性の変化を記したグラフ

総評

総じてAS24 Proは名実ともにAS系列の頂点と言えるサウンドに仕上がっていると言えるでしょう。Z系のように強いドンシャリではなく音の厚みで聴かせるような丁寧なサウンドへと仕上がっており明確に方向性の違う機種になっています。
チューニングによる「遊び」もあり、KZ製品の中でも個性の強い一機に仕上がっていると思います。
KZ社最高のフルBAモデルを追い求める方にはその期待に応えてくれるものがあるものがあります。


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