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あのイヤホンメーカーKZが作る高コスパワイヤレス!『KZ XTRA』 レビュー #PR



今回は初のレビュー案件になります!
なんと自分も愛用しているあのイヤホンメーカーKZさん( https://x.com/kzhifi )さんより実機をご提供いただき、レビューをさせていただけることになりました。

レビューをするのはこちらの6月に発売したばかりの新作TWS、『KZ XTRA』になります。

・外装

パッケージ表面
パッケージ裏面

パッケージはKZではお馴染みの紙箱です。
付属品はイヤホンおよび充電ケース、そしてシリコンイヤーピースと取扱説明書が付属しています。

ケースに入ったXTRA本体
イヤホン本体。シリコンピースは最初から本体に装着されています。

XTRAのシェルはかなりスモークの掛かったブラックといった色合いで、肉眼で凝視すると内部構造が少し見えるかどうかと言った具合です。
また、XTRAはTWSということもあり、「X」のロゴがある場所のあたりがタッチ式のセンサーになっており、ここを必要に応じてタップ・ホールドすることで各種操作が可能となっています。

横から本体を撮影。かなり起伏の激しい形状

装着面に当たるシェルの内側はかなり起伏に富んだ形状をしており、装着感も良好です。TWSとしては重要な保持力もしっかりしており、歩行中もズレたり落下したりすることなく耳にしっかりホールドしてくれます。


・概要

KZ XTRAは10mmダイナミックドライバを1機搭載したワイヤレスイヤホンで、KZ独自のスーパーリニアダイナミックドライバが使われています。
無線接続規格としては、最新のBluetooth 5.4に対応し、接続距離・通信速度・バッテリー消費の全ての面で改善が施されており、近年普及しつつあるaptX Adaptiveにも対応しています。
aptX Adaptiveはモバイル系SoCの巨頭であるQualcommの提唱のもと普及を目指しているBluetooth用コーデックで、過去に存在していたaptX HDや
aptX LL、更にマイク用の規格aptX Voiceも統合してaptX Adaptiveと呼称します。
aptX Adaptiveは過去のBluetoothの音声用コーデック(SBC)などよりも高い品質での音声転送が可能で、Adaptiveの名の通り接続状況に応じて動的に可変しながら最大24bit/96kHzのリアルタイム音声転送に対応し、現行のSnapdragon(Qualcomm製モバイル用SoCの名称)の多くのモデルが対応していることから、Snapdragon搭載機であれば万全の環境でXTRAを使うことができます。

またiPhoneに関してはaptX自体がライバルであるQualcommの提供するソリューションであるためか対応はしていません。ただ、XTRAがAACコーデックに対応しているのでハイレゾ環境を考慮しなければiPhoneなどでも十分に使用可能です。あるいはBluetooth対応の外付けDACを用意すればハイレゾワイヤレス環境でも使用が可能です。

加えてXTRAにはaptX Adaptiveを存分に活かしたハイパフォーマンスモードが搭載されており、これを有効にすることでワイヤレスかつハイレゾ音質を維持しながらモバイル端末から信号処理をして実際にイヤホンで発音されるまでのレイテンシーを55ms(メーカー公称値)という驚異の短時間に抑えることが可能となります。

ノイズキャンセリング機能も搭載しており、最大で55dBのノイズリダクションが可能で、必要に応じてオンオフを切り替えが可能です。

・音質

それでは肝心の音質について見ていきましょう。
箱出しのファーストインプレッションとしては、リスニング用途に特化した聴感上の楽しさを追求したイヤホンという印象でした。

一言でXTRAの音を表すなら「低域をこれでもかと盛ったドンシャリ系」です。

公式サイトで公開されている周波数特性のグラフからもその強烈な個性が見て取れます。

(KZ公式サイトより引用)

音の傾向としては同じKZの1DDモデルで比較するとZVXが似たような傾向の音がするのですが、ZVXが比較的バランス良く鳴らす弱ドンシャリなのに対してXTRAはその傾向を更に強烈にしたようなサウンドです。低域は耳にウーファーを入れたかのように圧倒的な音で鼓膜を振動させます。ベースやバスドラムと言った音の存在感が非常に強いです。

中域は埋もれがち…かと思いきや、ドンシャリの傾向を良い意味で崩すことなく自然に鳴らしてくれます。ボーカルの存在感も十分健在で聞き取りやすいものになっています。このレンジが弱いというよりは他が非常に強いという感想です。

高域については過剰に鳴りすぎることもなく、程よい聴感になるようなチューニングに仕上がっています。

・その他の機能について

○ハイパフォーマンスモード

概要で説明した通り、XTRAにはハイパフォーマンスモードが搭載されておりこれを有効にすることでワイヤレスでありながら超低遅延を実現しています。これを検証するため、実際にAndroid端末でプロセカをプレイして遅延がどの程度のものなのか実際に試してみました。
検証として使うのはSnapdragon 8 Gen 2を搭載したタブレット、
Xiaomi Pad 6S Proと比較用のイヤホンとしてRedmi Buds 4を使用しました。
(専用の計測機器等がないので、あくまで個人の感想ベースになることはご了承ください。)

XTRAをトリプルタップすることでハイパフォーマンスモードに入ることができ、アナウンスがイヤホンから再生されます。
またXTRAにはBluetoothの設定画面で低レイテンシーモードに入ることができ、こちらも有効にしています。

XTRAのBluetooth設定画面。最下部に低レイテンシーの設定がある


Redmi Buds 4の設定画面。低レイテンシーの項目がない。

実際にプロセカをプレイしてみたところ、Redmi Buds 4ではかろうじてプレイはできるが、明らかに遅延を感じ、ノーツをタップしてから数フレーム後に遅れて音が聞こえてくるのがはっきり感じ取れました。
一方でハイパフォーマンスモードをオンにしたXTRAは驚くほど遅延が少なく感じられ、難易度EXTREMEはもちろんMASTERも精緻なプレイが要求される最高難易度の曲でなければプレイ可能と感じました。

○マルチポイント

取扱説明書や公式サイトには記載がないものの、XTRAはマルチポイント接続に対応しています。XTRAは接続先がゼロになると自動的にペアリングモードに入る仕様になっており、初回にペアリングした端末からXTRAを切断したうえで別の端末でペアリングを行うと次の端末を認識しマルチポイント接続になります。

2台同時に接続している状態

・気になった点

数日間使用してみて気になった点もいくつかあります。

  • 本体の操作設定(コマンドのバインド)を変えられない。やはり費用が掛かるので難しいとは思いますが専用アプリなどでコマンド設定を変えられると嬉しかった。

  • タップを認識する範囲が狭いのか時々コマンドの入力が上手くいかない。慣れもあるとは思いますが、タップのたびに耳を真横から叩くことになるのでちょっと疲れます。

  • AirPodsなどと比較するとイヤホン装着時の遮音性が高すぎるため(これはメリットとも捉えられますが)、ANCの透過モードがあっても外の音が聞こえづらいです。インナーイヤー型とカナル型の違いがあるのでそもそも難しい点ではありますが…

などが挙げられます。
しかし、リスニングの楽しさと利便性を可能な限り追及しており、販売価格などを鑑みると(約1万円)欲張りな要望とも言えます。

・まとめ

総じてXTRAはKZの個性的なサウンドをなるべく安価かつ実用的にまとめた機種で、別途Bluetooth対応DACやレシーバーを用意せずとも単体でワイヤレスのKZサウンドを楽しめるというのは既存のファン、そしてそれ以外の方にも刺さるのではないでしょうか。
もし、新作が望めるのであれば個人的にはKZならではのマルチドライバ構成をしたワイヤレスにも期待したいですね。


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