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驚異の片側14BA!圧倒的な構成をお手頃価格で実現した「KZ Sonata」レビュー #PR

※※このレビューはKZ様からレビュー品の提供を受けて行っております。レビューに際して金銭の取引はなく、レビューの内容は独立したものであることをここに記しておきます。

数多のイヤホンメーカーがしのぎを削る中国において、イヤホンの「多ドライバ化」は現在も多くのメーカーが行っている製作アプローチです。
少し探しただけでも5や6ドライバくらいの構成のイヤホンはゴロゴロと出てきます。
そんな競争の中において「多ドライバ」論争に終止符を打つかのような機種が登場しました。
それが今回紹介する「KZ Sonata」です。
Sonataはドライバ全てをBAで構成されたフルBAのモデルで、なんと片側に14機ものBAを詰め込んだ驚異のモデルとなっています。

Sonataのドライバ構成は下記のようになっています

なんと超高域用ドライバだけで10(2×5)機ものドライバが詰め込まれており
並々ならぬ熱量を感じます。
その他は中高域と低域が1機ずつ、中域に1機(2機が連結されているので実質2機)という構成になっています。
似た構成のAS24 Proと比較すると超高域用の31736ドライバが更に追加で1機入っているのがSonataです。(AS24 Proのドライバ構成はこちらを参照)

これを敢えてAS28とせずSonataという固有名詞を名付けたということは、これがKZにとっての最高性能のフルBA機だからなのではないかと想像してしまいます。イヤホンは耳で保持できる程度にシェルの大きさを担保しなければならないのであまりに巨大すぎるものは作れません。そのサイズと音質の限界に挑戦したのがSonataだと私は考えています。

そんなSonata、まずは外見から紐解いていきましょう。

・外観


外箱

外箱は普段の真っ白な小さい箱ではなく、Zenithなどと同じくカラープリントされた大型のケースとなっています。

外のカバーを外した状態の内箱

KZのロゴが中央に描かれているだけのシンプルなデザインになっています。


蓋を開けるとこれもまたZenithと同じ構成となっており、イヤホン本体、ウレタンフォームチップ、シリコン製チップが現れます。
箱左側のカバーをはがすと

イヤホンケーブルが入ったポーチ

ケーブルが入ったポーチが現れます。今までのKZは付属品はほぼないと言っても過言ではないのでこうしたアイテムが入っていると往年のKZラバーは嬉しくなってしまいますね。

2種類のケーブルが付属

ポーチの中には2種類のケーブルが付属しています。左側のものはKZ製品に必ず入っている透明ケーブルですが、もうひとつは784芯ブルーシルバー編組ケーブルで最上位モデルらしく別のケーブルが付属してきます。

それではイヤホン本体も見てみましょう。

イヤホン本体

形状やカラーリングはAS24 Proとかなり似ています。
そして今回頂いたモデルはTunableモデルなので側面に音質調整用のスイッチがあります。

側面のチューニング用のスイッチ

KZのチューニングスイッチは基本全てオンにして聴くことが多いですが、KZ公式のデータシートによると下記のような変化があるようです。

チューニング毎の音質変化一覧

チューニングスイッチは確かに効果はありますが、劇的というほどではない点には留意しておくべきかと思います。


音場…近いが横に広い
出音…かなりドライで情景を想像させるというよりはモニター的なダイレクトに音を伝えてくれる感覚

・音質、サウンド

外観を見終わったところで次はサウンドに移りましょう

低域

低域、特にキックなどはタイトながらも存在感を発揮してくれています。多くの音が入り乱れる楽曲でもどっしりと芯の通ったサウンドでリズムを見失うようなことはありません。ベースラインも個性的な音の太さを感じる部分はありますが、あくまで音楽的楽しさの範疇に収まっており、他の音域を邪魔することなく、それでいてしっかりとしたサウンドを鳴らしてくれています。

中域

ASシリーズからSonataにかけて一番進化したのがこのレンジだと思います。
ボーカルには芯があり、それでいて歯擦音のような嫌らしいサウンドとも無縁、ボーカルの透き通るようなサウンドをしっかり表現しきっています。
このレンジは音が団子になりやすく、ここでイヤホンの評価が決まると言っても過言ではないと思いますが、Sonataでは伸びやかなサウンドを奏でてくれています。

高域

超高域用ドライバを10機も積んでいるという前評判だけを聞くととんでもないシャリシャリした音がするのではないかと勘ぐってしまいそうになりますが、その杞憂は全く不要です。
非常に音が聴きやすく、低価格帯にありがちなシャリシャリとした音もありません。女性ボーカルのハイトーンな声もしっかりと表現してくれます。

また音場はかなり近めだが横に広い出音になっております。
更に全体的にかなりドライなサウンドで情景を想像させるしっとりとしたサウンドというよりはモニター的なダイレクトに音を伝えてくれる感覚でした。

まとめ

KZのフラッグシップ機として登場したSonataは今までのASシリーズの集大成とも言える一機です。私は過去のAS系列も所持していますが、数年でフラッグシップを担うまでに進化させたKZのエンジニア陣には舌を巻く思いです。
価格は決して安くはない設定ですが、KZが好きで「KZ最高峰のサウンドが効いてみたい!」という方には間違いなく刺さる機種でしょう。
むしろそんなエンスージアストのために用意したものがこのSonataと言えるかもしれません。

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