犬
犬が亡くなったという記事やポストをよく見かける
その度に胸がきゅっとなる
うちにも2匹犬がいた
最初は1匹だった
その1匹が年をとって、寝る時間が増えてぼんやりする時間が増えた時に
父が小さな犬をもう1匹家に連れてきた
初代犬は若いモンには負けてられん!と言った具合に
たくさん歩いて、たくさん遊んで、2代目犬となかよくする気は
なかったらしく、近づいて来る度に唸っていた
それでもどうやったって歳はとるし、徘徊もする
上手く立てなくなって、お散歩も抱き上げて行く
よきところで下ろして上げれば、そこでおしっこをしてた
それでもご飯はちゃんと食べていた お水も飲んでいた
初代犬は亡くなった日、私は仕事が休みで
2階の自分の部屋にいた
1階にいる母から声がかけられて降りていったとき
もう息はしてなかった まだ体はあったかくて毛もふわふわだった仕事に行っていた父もすぐ帰ってきた
その後、いろいろ話し合った結果火葬場で焼いてもらった
5月11日 命日
焼いた日はすごく晴れていた
悲しかったし寂しかったけど、2代目犬がいてくれたから
家族も少しだけ気持が和らいでいたと思う
2代目犬は初代犬をだいすきで、どんなに吠えられても
近づいて一緒に寝たり、においをかぎに行ったりしていた
急にいなくなった先輩犬に、後輩犬は何を思ったかはわからないけど
家族はそんな2代目犬に救われたのは事実
そんな2代目犬も今年の春に天国へ行ってしまった
3月6日 命日
私は今は家族と離れて暮らしており
犬が亡くなる1か月前に、少しの間だけ犬のお世話をした
徘徊はするけどしっかり歩いていて、ご飯もお水も食べてたし
ゆっくりだけどお散歩もした うんちもおしっこもした
夜泣きをして父を寝不足にさせたり、布団をうんちまみれにしたり
そんな日々を少しだけ父と一緒に味わったりもした
でもその1ヶ月後に、父から犬が亡くなったと連絡がきた
亡くなる2日くらい前からその兆しはあったらしく
その時の様子を聞いているだけで、涙腺が緩む思いだったし
そんな状況の犬を父はずっと見ていてくれたんだって思うと
離れて暮らしていた自分を責めたりもした
最期、看取れなかったのが心残り
近々また実家に帰る予定があったから
その時に犬にあげようとおもっていたおやつは兄夫婦の犬にあげた
ほんとは少しだけ予感はあった
次帰るときにはもう犬はいないかもしれない
でもそうならないように、おまじないみたいな思いで
おやつを買った 次も絶対会えるって思って
火葬にも行けなかった
次実家に帰ったときは、もちろんいつも迎えてくれる犬の姿はなく
家から犬のものが無くなっていて、ああもうほんとにいないんだ
って少し広くなった家を見て思った
小さい骨壷に入った犬を見て、ちょっと泣いた
両親を支えてくれてありがとね犬
犬には散々噛まれたし、吠えられたりもしたけど
仕事から帰ってきたら尻尾振って迎えてくれたし
帰省したら大喜びで出迎えてくれたし、散歩も一緒に行ってくれたし
わたしが泣いてた時は顔をぺろぺろ舐めてくれたし
おしりをずんって背中にあずけてくれたりしたね
初代犬のふわふわな毛質と違って、少し固い毛質だった2代目犬
同じ犬種の2匹だったけど、大きさも性格も全然違ってた
きっと天国でも初代犬に唸られているんだろうな2代目犬
天国でくらいなかよくしてくれ
またどこかで2人に会えたらいいのに
いつでも目の前に現れてくれていいよ
待ってるよ