ハリネズミとネコのお話

ハリネズミのはりりんは ネコのにゃんたと なかよしです

ふたりいっしょに 冒険に出かけたり
お花のかおりを楽しんだり ひなたでお昼寝したりします

どんなときでも どんな場所でもふたり一緒にいるけれど
どうしてもできないこと それは 毛づくろい

「はりりんが、体のとげとげをやさしくしてくれても
ボクのざらざらの舌とはちょっと相性が悪いのかも」

にゃんたは自分で顔を洗っています
はりりんが にゃんたのしっぽをぺろっとなめると
にゃんたは ふふふと笑って 耳をふるふるとゆらします

「ぼくも、にゃんたに毛づくろいしてほしいなあ」

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「それで、あたしのところにきたの?」
「うん、神さま、なにかいい方法はないかな」

小さな社で暮らしている犬の形をした神さまに相談をしにきました
はりりんは 抱えていたどんぐりを神さまの前に置きました

にゃんたともっとなかよくしたいけど
自分がとげとげをやさしくしても どうしてもうまくいかないんだ

神さまは はりりんの気持ちを助ける方法をひとつ 提案しました

「はりりん、はりりんのとげとげをやわらかくするっていうのはどう?」
「え?」
「やわらかくしたら、にゃんたが毛づくろいしやすくなると思うよ」
「そっか!」

でもね
そうすると はりりんはとげとげしなくなるから
自分の身を守れなくなってしまうよ それでもいい?

「そっかあ・・・」

++++++++

「はりりん、こんにちは」
「こんにちは、にゃんた」

はりりんはにゃんたのふわふわの体に ぽふんと飛び込びました
にゃんたは おや?とはりりんの体にすんすんと鼻をよせます

「あれ?はりりん、やわらかくなった?」
「そうなんだ!これでにゃんたに毛づくろいしてもらえるよ!」
「わあ!すごい!」

にゃんたは すぐにはりりんの毛づくろいをしました
はりりんはうれしくて にこにこが止まりません
でもにゃんたは もう一度 あれ?と思いました

「はりりん、とげとげがないと自分を守れないんじゃない?」
「だいじょうぶだよ!ぼく、つよくなるから!」
「ふふふ、すごいね はりりんのことボクも守るね」
「じゃあぼくも、にゃんたのこと守るね!」

ぺろぺろ ふわふわ ごろごろ
はりりんとにゃんたは お気に入りのひなたで
すやすやとお昼寝をしました

神さまはそんなふたりを にこにこしながら見ています
ふわあと ひとつあくびをして もらったどんぐりを抱きしめて
神さまも ふたりと同じようにお昼寝をしました

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